【好投手列伝】長崎県篇記憶に残る平成の名投手 2/2

平成の名投手

【好投手列伝】長崎県篇記憶に残る平成の名投手 1/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

古川秀一(清峰→オリックス)

初出場で愛工大名電、済美とここ2年間の選抜優勝校を立て続けに破った清峰。その快進撃の中心にいたのが左腕・古川秀一(オリックス)であった。小柄な体ながら全身を使ったフォームから繰り出す快速球とスライダーで強打者に立ち向かった。

初戦はバントと足技に強打を絡める、選抜王者の愛工大名電が相手。清峰ベンチはバント守備にほとんど古川を参加させずに作戦で勝利を収めたが、相手のバントのプレッシャーに負けずに投げ抜いた古川の精神的なタフネスさは素晴らしかった。結局、4番堂上(中日)には3安打されたが、その前後をしっかり寸断し、強力打線を8安打2点に封じ込めて、痛快な番狂わせを演じた。

熱闘甲子園 2005 第87回 ハイライト 清峰VS愛工大名電 – YouTube

有迫亮(清峰)

初出場だった前年夏に続いての出場で、清峰を一気に決勝の舞台まで導いた左腕。新チームでエース番号を射止めた有迫は、清水コーチの指導の下で着実に成長し、本戦を迎えた。角度のあるストレートを右打者ならインコース低め、左打者ならアウトコースに突き刺し、相手打者を牛耳った。

一つ先輩の左腕・古川(オリックス)と同様に強気の投球が目立ち、岡山東商、東海大相模、PL学園と優勝経験校を次々破った。特に準決勝のPL学園戦の投球は圧巻。のちにメジャーリーガーとなる前田健太(ツインズ)を相手にわずか2安打で相手打線を完封し、春夏計7度の優勝を誇る強豪を一蹴した。決勝では疲労から横浜打線に打ち込まれたが、好左腕を多く輩出した清峰の歴史の中でも屈指の左腕だったことは間違いない。

清峰 2006春 – YouTube

浦口侑希(長崎日大)

過去2年間は清峰が甲子園を沸かせた中で、2007年夏は長崎日大が準決勝で清峰を5-4と撃破。長崎の覇権は渡さんとばかりに意地を見せた。そのチームにあってエースで4番として奮闘したのが左腕・浦口。投げて打って野球センスの塊のような選手で、決め球のスライダーを武器に投げっぷりの良い投球で勝ち進んだ。

準決勝で優勝した佐賀北に敗れたものの、3勝をマークして4強に進出。対戦相手は星稜・高木京(巨人)、京都外大西・本田、楊志館・甲斐(ソフトバンクの甲斐の兄)といずれも屈指の好投手だったが、勝負所で冷静に踏ん張った浦口の投球に軍配が上がった。

第89回全国高校野球選手権大会 準々決勝 長崎日大 対 楊志館 1/5 – YouTube

今村猛(清峰→広島)

長崎県に初の優勝旗をもたらした大エース。左腕投手にばかり縁があった、清峰の清水コーチが巡り合えた待望の右の本格派は2009年の選抜で快投を演じた。5試合を投げて失点はわずか1.140キロ台のストレートの球威もさることながら、ピンチと平常時のon/offの切り替えが抜群。勝負所でスピードも威力も上がるため、相手の主力打者もなすすべがなかった。

決勝では花巻東の菊池雄星(マリナーズ)との左右の剛腕同士の投げ合いとなったが、7回に9番橋本の決勝タイムリーが飛び出して、1-0で再び完封勝ち。長崎県勢初優勝を成し遂げた。

第81回選抜高校野球大会 清峰高校 今村投手 – YouTube

松田遼馬(波佐見→阪神)

九州勢が好調だった2011年の選抜高校野球。出場4校がいずれも初戦を突破したのだが(奇しくも全チームが関東勢と対戦して勝利)、とりわけ強烈なインパクトを残したのが波佐見・松田(阪神)の投球だった。乙坂(DeNA)、近藤(日本ハム)を擁したタレント軍団の横浜を相手に、球威十分のストレートで圧倒。特に相手打者をのけぞらせて見逃し三振を奪ったインローのストレートは圧巻であり、高校生レベルでは手が出ないと思わせるボールだった。

近藤健介vs松田遼馬 横浜×波佐見 2011年 春のセンバツ 高校野球 – YouTube

川原陸(創成館→阪神)

2017秋~2018年夏の高校野球で、王者として君臨した大阪桐蔭。根尾(中日)、藤原(ロッテ)などを擁したスター集団だったが、その王者に神宮大会で唯一土をつけたのが長崎・創成館だった。

左右の力のある投手5人をそろえた屈指の投手陣がその原動力だったが、中でもエースとして力を見せたのが川原陸。180㎝以上の長身から繰り出す角度のあるストレートとスライダーで大阪桐蔭打線を翻弄。タレント軍団に「自分たちはまだまだだ」と謙虚さを取り戻させる黒星をつけた。選抜でも下関国際に競り勝つなど、8強に進出。歴史を刻んだ一年となった。

川原陸 創成館 甲子園での投球・奪三振 – YouTube

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