【好投手列伝】長野県篇記憶に残る平成の名投手

平成の名投手

上田佳範(松商学園→日本ハム)

大会No.1投手(1991年選抜) 上田佳範(松商学園) – 世界一の甲子園ブログ

北信越屈指の好投手として1991年の選抜に仁王立ちしたのが、松商学園のエース上田佳範(日本ハム)であった。端正なルックスと140キロ台の速球を中心とした安定感ある投球で、松商学園史上最高とも言える戦力を有したチームの主戦兼4番を務めあげた。前年秋の北信越大会では当時1年生ながら4番を務めた松井秀喜(ヤンキース)を擁する星稜にも完勝。松井が成長するきっかけとなったのが上田の好投であった。

選抜本戦では鈴木一郎(のちのイチロー、マリナーズ)を擁する愛工大名電、前年夏の優勝校で好投手・谷口(巨人)を擁する天理、夏に優勝を果たすことになる大阪桐蔭、東の横綱と呼ばれた国士舘をそれぞれ完封し、上田の無失点記録は35まで伸びた。決勝は疲れもあって広陵打線に終盤つかまり、最後はサヨナラ負けを喫したが、まさに大会の主役と呼べる活躍ぶりだった。

V候補筆頭として臨んだ夏は順当に1,2回戦を勝ち上がったが、3回戦の四日市工戦は延長16回に及ぶ熱戦となる。相手左腕・井出元(西武)との投げ合いを最後はサヨナラ押し出し死球で制したが、疲れと死球を受けた影響で準々決勝の星稜戦では本領を発揮できず。前年秋に寄せ付けなかった同地区のライバルに接戦の末に敗れ、最強チームは甲子園を後にした。

上田佳範!!【91年選抜2回戦】天理 対 松商学園 – YouTube

松崎幸二(佐久)

名将・中村監督に率いられ、1994年夏に初出場でベスト4と旋風を巻き起こした佐久高校。エースとしてチームを牽引したのが右腕・松崎幸二だった。140キロ台に迫る重いストレートを武器とし、初戦の敦賀気比戦では2年生主体の若い打線を相手に2安打完封と圧巻の投球を見せた。3回戦では左右の好投手を擁するチームを相手に14奪三振の力投を見せ、味方打線の奪ったリードを守り切った。

準々決勝もサヨナラ勝ちで制し、勢いに乗って迎えた準決勝の佐賀商戦では2点のリードを保ったまま9回に向かう。しかし、ここで勝利への欲が出たか、佐賀商の上位打線を務める下級生の打者達に痛打を浴びてまさかの同点に。延長10回にサヨナラ負けを喫し、旋風を起こした夏は準決勝で幕を閉じた。

なお佐久はその後、佐久長聖として1998年夏にも出場を果たしたが、同じ佐賀県の佐賀学園(実松(巨人)が4番捕手)に再びサヨナラ負け。奇しくもスコアまで同じ2-3であり、どうも佐賀県勢とは相性が良くないようだ。

佐久vs水戸商 1994年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

[プロ 野球 ハイライト] 1994熱闘甲子園 佐久vs敦賀気比 – YouTube

金子千尋(長野商→オリックス)

2000年春に名門・長野商を久々の選抜の舞台に導いた2年生エース。オリックスのエースとして沢村賞を獲得した右腕も、高校時代はまだ華奢な体格の右腕だった。しかし、やはり当時から野球センスは抜群であり、流麗なフォームから繰り出す切れのある速球で打者のバットを押し込んでいった。初戦は岩国との死闘となり、9回に2点差を追いつかれるも、なんとか踏ん張って延長戦の勝利をGET。伝統校に久々の全国1勝をもたらした。

長野商業 金子千尋 オリックス – YouTube

上村圭佑(長野日大)

初出場の長野日大を2008年の選抜でベスト8まで導いた技巧派右腕。かつて松商学園を率いて何度も甲子園に出場した名将・中原監督の指導を受け、新チームになって秋の北信越大会を制覇。有力候補として選抜を迎えた。

選抜初戦では前年夏8強の今治西を相手に我慢の投球で3失点完投勝利を挙げると、3回戦の北大津戦で真骨頂を見せる。東北、横浜と優勝候補を立て続けに破ったダークホースを相手に、相手の狙い球を外すクレバーな投球で対抗。強力打線をわずか4安打に封じ込め、完封勝利を挙げた。見た目の凄みはなくとも、コントロールと配球に定評のある好投手であった。

長野日大 2008春 – YouTube

草海光貴(上田西)

上田西に初の全国勝利をもたらした2年生エース。2015年の甲子園で初日に登場すると、細身の体から繰り出す伸びのある真っすぐを武器に好投を披露。抜群のフィールディングで犠打を2塁封殺するなど、投手としての総合力の高さも見せた。結局、宮崎日大打線をわずか5安打に封じ込め、完封一番乗りを達成。2回戦は作新学院の強力打線につかまってしまったが、センスの光る好投手だった。

草海光貴  上田西(セガサミー)甲子園 – YouTube

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