大会No.1投手(2025年夏) 末吉良丞(沖縄尚学)

2025年

1回戦 〇 1-0  金足農

2回戦 〇 3-0  鳴門

3回戦 〇 5-3  仙台育英

準々決勝 〇 2-1  東洋大姫路

準決勝 〇 5-4  山梨学院

決勝 〇 3-1  日大三

沖縄尚学の夏初優勝は彼の成長なくしてはあり得なかっただろう。昨年秋から150キロ近い速球を投げるという触れ込みであり、九州大会を制覇するも、神宮大会では敦賀気比の強力打線に打ち込まれてあわやコールド負けという大敗を喫した。

そこから冬場の練習を乗り越えての選抜では青森山田打線を3失点完投し、横浜戦でも力投は見せたが、ストレートが抜けるボールが目立ち、スライダーもキレはあるものの、まだ御しきれていない感があった。この春の段階までは、まだ強豪校の有力選手の一人という位置づけであった。

しかし、春から夏にかけての成長たるや、凄まじいものがあった。もともと頑丈だった下半身は競輪選手と見まがうほどのものとなり、抜けることが多かったストレートは素晴らしい回転数と球速でコーナーに突き刺さった。また、スライダーのキレも素晴らしく、打者寄りで鋭く曲がるため、スライダーのタイミングで待ってもなかなか打てるボールではない。それこそ、オリックスの左腕エース宮城を彷彿とさせるボールにまでなっていた。

金足農、鳴門と1点も与えずに、迎えた3回戦。相手は同じくプロ注目の左腕・吉川であり、エース同士の意地の投げ合いとなった。この試合は、初回に仙台育英の4番川尻に低めのスライダーを狙われて今大会初失点。その後も、決め球のスライダーを打たれる場面があり、苦しい内容だったが、捕手・宜野座の好リードもあって、投球を立て直す。延長タイブレークでは10回裏に1アウト満塁のサヨナラの危機もあったが、相手のスクイズを球威でねじ伏せ、最後はファーストライナーで併殺!精魂ともに尽き果てるような接戦を制し、優勝へむけての大一番を制した。

その後は、疲労の影響もあり、なかなか思うような投球はできなかったが、もう一人の2年生・新垣有の成長もあって、チームは勝ち進む。そして、迎えた決勝戦。日大三を相手に2点をリードした場面で登板すると、疲れでボールは走らなくとも、宜野座のミットを目がけて丁寧に投げぬく。   最後は1アウト1.3塁のピンチで相手の代打をショートゴロ併殺に打ち取って、ゲームセット!   夏の栄冠を手にした、見事優勝投手にまで上り詰めたのだった。

まだまだ無限大の可能性を秘める2年生左腕。最後の1年はどんな成長曲線を描くのか。まずは、疲れを十分に取ってから、再びあの舞台で快投を見せてくれることを祈る。

仙台育英―沖縄尚学 11回裏【第107回全国高校野球選手権大会】

 

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