2021年選手権2回戦 近江vs大阪桐蔭(10日目第1試合)

2021年

大会10日目第1試合

大坂桐蔭

1 2 3 4 5 6 7 8 9
3 1 0 0 0 0 0 0 0 4
0 0 1 1 1 0 1 2 × 6

近江

 

大坂桐蔭  竹中→川原

近江    山田→岩佐

近畿勢同士の激突は近江が序盤の劣勢を徐々に押し返して8回についに逆転!高校球界の王者を下し、堂々の3回戦進出を決めた。

試合

近江は2年生エース山田、大阪桐蔭は前の試合でリリーフ登板した竹中が先発。試合は立ち上がりから大きく動いた。

大坂桐蔭は1回表、1アウトから2番藤原がレフト前ヒットで出塁。初回からじっくり選球してくる桐蔭の打者に対して山田は制球が安定せず、2四球を与えて満塁のピンチを招く。打席には6番宮下。選抜までは3番を務めていたが、怪我で調子を崩し、この夏は6番に打順を下げていた。しかし、苦しんできた男が外角のボールを見事とらえると打球はレフト線に弾む3点タイムリー2塁打となり、大阪桐蔭が初回にいきなり3点を先制する。

これに対して、大阪桐蔭の先発・竹中も初回から制球が定まらず2四球を与えるが、4番山田を併殺に打ち取って難を逃れる。直後の2回表には8番松尾がストレートをセンターバックスクリーンに運び、4-0。2回までは完全に大阪桐蔭の流れで試合が進む。

しかし、劣勢になった近江はここから大阪桐蔭・竹中をじわじわと攻め立てていく。1アウトから9番明石がショートへの内野安打で出塁すると、続く1番井口の打席で執拗に足で揺さぶりをかける。フルカウントに持ち込んでからの7球目を井口がライトへ運んでエンドランを成功させると、2番西山は2球目でスクイズを敢行。これが見事に決まり、近江が1点を返す。

まだ点差のある場面だったが、この得点が近江のエース山田に息を吹き返させた。コントロールに苦しんでいたのが一転、変化球が低めに決まるようになり、大阪桐蔭打線を鎮火していく。今年もタレントぞろいの大阪桐蔭打線だが、山田は丁寧な投球で立ち向かい、バックも好守備で一つ一つ確実にアウトを積み重ねた。

エースの好投に呼応して打線も奮起する。4回裏には5番新野の会心のホームランで1点を返すと、6回裏には竹中の制球の乱れに乗じて満塁とし、4番山田の犠飛でさらに1点。近江打線は中盤になっても制球の安定しない竹中に対し、悪球に手を出さずにじっくりと打者優位のカウントを作っていった。

ただ、それでも言い方を変えれば各イニングを1点でしのいでいった竹中の粘投は評価に値する。しかし、味方打線が山田岩佐のリレーの前に追加点を上げられない。7回表には2番藤原が3塁打を放って、チャンスを迎えるも、頼みの主将・池田が三振。試合の流れは確実に近江に傾いていた

そして、7回裏ついに近江が試合を振り出しに戻す。ライト前ヒットの1番井口をエンドランで進塁させると、2アウト1,2塁となってこの日ホームランを放っている5番新野を迎える。新野竹中の甘く入った変化球をしっかりためてライト前へ運ぶと、ライト花田のバックホームも間に合わず、井口がホームイン。追いついたものと追いつかれたものの雰囲気の差は歴然であった。

8回表に、島滝の好送球の前に大阪桐蔭の盗塁が失敗に終わると、西谷監督竹中に代えて右腕・川原を送る。しかし、一度火のついた近江の攻撃は止まらない。

先頭の7番春山のショートゴロ失策のあと、川原は近江の犠打を連続で失敗させて2アウトを奪うが、1番井口、2番西山が粘り強く選球して四球を獲得。2アウト満塁のビッグチャンスで3番山口は追い込まれてからのアウトコースのストレートをものの見事にライト線にはじき返し、2者生還。近江の粘り強い攻撃がついに高校球界の王者を飲み込んだ瞬間だった。

大坂桐蔭は最終回も近江の2番手・岩佐のスライダーをとらえきれず、3者凡退。結局3回以降は大阪桐蔭打線をわずか2安打に抑えた近江が、逆転で大きな大きな1勝をものにした。

まとめ

近江・多賀監督にとっては甲子園で指揮を取った中でも、最もうれしい勝利だったのではないだろうか。一時は4点のリードを許しながらも腰を据えて1点1点積み重ねていっての逆転勝ち。エース山田、2番手・岩佐ともにスライダーと真っすぐで真っ向勝負して抑えたことも大きな自信になるだろう。同じ近畿で見上げ続けてきた王者を下しての逆転勝ち。勢いに乗らないわけがない。

一方、大阪桐蔭は敗因を上げれば3回以降の攻撃になるだろう。先発の竹中は再三ピンチを招きながらも1点ずつで踏ん張っていたが、打線が近江投手陣のスライダーに対応できず、追加点を上げられなかったことが痛かった。4点のリードを得たことでかえって受け身になってしまったのかもしれないが、やはり王者として常に挑戦を受け続ける立場は相当厳しいものなのだろう。

ポテンシャルは優勝した代にも引けを取らない戦力がそろっていたが、それだけでは勝てないのが高校野球。また、西谷監督の元でスキのないチームを作って戻ってきてほしい。

2021年選手権2回戦予想 大坂桐蔭vs近江 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

8月23日 【近江 (滋賀) vs. 大阪桐蔭 (大阪)】ハイライトvsホームラン | 第103回全国高等学校野球選手権大会. 高校野球ハイライト ! – YouTube

コメント

  1. […] […]

  2. […] […]

  3. […] […]

タイトルとURLをコピーしました