2023年選手権3回戦 八戸学院光星vs文星芸大付(10日目第3試合)

2023年

大会10日目第3試合

文星芸大付

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 0 2 0 3
4 0 0 1 1 0 0 0 × 6

八戸学院光星

 

文星芸大付    渋谷→堀江→工藤

八戸学院光星   岡本→洗平

強力打線を誇るチーム同士がぶつかった試合は、序盤に八戸学院光星打線が文星芸大付の投手陣を攻略。先発・岡本をバックが堅守で支えて、そのリードを守り切り、2019年以来となる8強入りを果たした。

試合

文星芸大付の先発には、初戦に続いて技巧派左腕の澁谷が指名された。一方、八戸学院光星の先発は2年生左腕の岡本。初戦で同じく2年生左腕の洗平が完封勝利を上げており、負けたくないところだ。

その岡本はキレで勝負する洗平と比べ、スピードと球威で抑えていくタイプ。しかし、立ち上がり、いきなりピンチを招いてしまう。1回表、1アウトから2番梅山にアウトコースのスライダーを引っ張られ、ライトへのヒットを打たれると、3番曽我・4番小林に連続四死球を与えてしまう。文星打線が、明らかにスライダー狙いの打撃をしていく中で、力が入ったのか、ストレートが暴れる結果となった。1アウト満塁となり、5番黒崎が1,2塁間へのゴロを放つ間に3塁ランナーがホームイン。文星芸大付が1点を先行する。

一方、文星は継投策が基本線。初戦で中盤に捕まってしまった先発・澁谷だが、こちらも立ち上がり、ピンチを招く。1番砂子田に四球を与えると、犠打で1アウト2塁。ここから3番中澤恒、4番長谷と連続四球を選び、文星と同じく1アウト満塁のチャンスをつかむ。各打者が低めの変化球を振らずにじっくり選球し、渋谷に圧をかける。

ここで初戦にホームランを放っている5番藤原が打席へ。アウトコースの速球をたたきつけた打球は三遊間を割っていくと、チャージをかけたレフトがこれを後逸。塁上の走者が次々ホームを駆け抜け、一挙3点で試合をひっくり返す。さらに2アウト後、7番青木もストレートをセンター返しの打球ではじき返し、4点目。こちらは、変化球を見極め、速球狙いの打撃で渋谷を攻略した。

リードをもらった岡本は、2回以降、ストレートのコントロールが安定し始め、調子を取り戻していく。変化球狙いの文星打線に対し、できるだけ低めのボールゾーンに集め、単打は浴びても長打は打たれないような配球で、相手の狙いをかわしていく。速球主体の投球で打ち取り、2回、3回、4回と無失点。4回表には、捕手・藤原の好送球で二盗を阻止し、2年生投手をバックアップする。

一方、2回、3回と球数がかさみながらもなんとか粘っていた渋谷だったが、中盤に入って強打の光星打線に再びつかまる。先頭の8番池田にヒットを浴びると、犠打と内野ゴロの間に3塁へ。ここで巧打の2番西尾が巧みな流し打ちで左中間を破り、5点目を奪う。高めに浮いたスライダーを、前よりのポイントでしっかり打ち返した。2番打者がながら、中軸と思わせるような打撃。さすが強打の光星である。

さらに攻撃の手を緩めない光星は、5回裏、先頭の4番長谷が、またもスライダーをとらえてセンターオーバーへの2塁打。2回以降、投球の軸となっていたスライダーを完全に捕まえ始める。すると、ここで高根沢監督はついに渋谷をスイッチ。右腕・堀江をマウンドに上げる。堀江は粘り強い投球で打者二人を打ち取り、2アウト3塁となる。しかし、ここで初回にタイムリーを放っていた7番青木がインハイの速球を力強く引っ張って、ライト線を破るタイムリー2塁打。初回に続き、2アウト3塁という「打つしかない状況」で7番打者が2打席連続で結果を残した。打の光星の面目躍如である。

試合は、光星ペースで後半戦へ。しかし、グランド整備が空けると、文星打線も1回から4回まで毎回ヒットは出ており、抑え込まれている感覚はない。6回以降、反撃を試みるが、この前に立ちはだかったのは、相手投手の岡本というよりも、光星守備陣の堅いディフェンス力であった。

6回表、試合の流れが変わる大事なイニングで、文星は1アウトから4番小林がフルカウントから、苦しんでいた速球を巧みな右打ちでライトへはじき返す。続くは5番黒崎。栃木大会で甲子園出場を決めるサヨナラホームランを放った強打者だ。しかし、ここで黒崎の放った3塁線よりの難しい打球を、サード池田が素晴らしい守備でワンハンドキャッチし、そのまま5-4-3と送る形で併殺に。味方投手としては、これ以上ない頼もしい守備で、一瞬にしてピンチの芽を摘み取ってくれた。

一方、文星投手陣も6回以降は堀江工藤の両右腕が好投を見せる。特に堀江は右腕から投じるカーブ、チェンジアップで縦と奥行きを使った攻めを見せ、勢いづいていた光星打線を抑え込む。7回には2安打を浴びながら、こちらも捕手・黒崎の好送球で盗塁を阻止し、相手にチャンスを広げさせなかった。初戦も7失点した後の後半4イニングを無失点で封じたように、終盤の強さを感じさせる守りを見せた。

こうなると、あとは打線の反撃を待つのみ。8回表、ついに岡本をとらえることに成功する。

先頭の1番大塚がフルカウントから高めの速球を詰まりながらも、右方向へのテキサスヒットにすると、ここまで2安打の梅山は初球攻撃。こちらも左打席から逆方向への打撃で速球をとらえると、打球はチャージしてきたレフトの前に弾むヒットに、青木が打球をはじく間にランナーがそれぞれ好走塁を見せ、無死2,3塁とビッグチャンスを迎える。3番曽我は倒れて1アウトとなるが、4番小林がフルカウントから粘って7球目、速球を痛打!打球はセンターの前に弾み、2者が生還して一気に試合はわからなくなる。

ここで、光星は2番手に初戦完封の洗平を送る。岡本は3点は失ったものの、先発としての役割を十分に果たしたと言えるだろう。後続をエースナンバーを争うライバルに託した。

洗平は代わり端、5番黒崎を迎えるが、ここで長打が飛び出せば、いよいよ行方は混とんとしてくる。黒崎としても先ほどの併殺打の借りを返したい場面だ。しかし、ここで再び光星野手陣の「守備の壁」がたちはだかる。洗平の速球をとらえた打球は痛烈な当たりで二遊間へ。これをショート中澤恒が横っ飛びで好捕し、そのままベースカバーに入ったセカンド西尾へグラブトス!見事な連携で6-4-3の併殺を完成させ、文星に傾いた流れを完ぺきにせき止めた。

大事な場面での堅守が飛び出した光星。残り1イニングで3点のリードは洗平にとっては十分であった。9回表、文星は先頭の6番山田がヒットで塁に出るが、洗平は淡々と投げ込んでいく。ゆったりしたフォームから繰り出すキレのある速球とチェンジアップでの緩急を活かし、打順が下位に向かう文星打線を確実に打ち取っていった。最後は、3番手で好投を見せ、初戦の宮崎学園戦でヒットを放っていた工藤をショートゴロに打ち取り、ゲームセット。好プレーを連発していた中澤恒がしっかりさばいて、4年ぶりの8強進出を決めたのだった。

まとめ

八戸学院光星は、序盤に相手の失投を逃さずに確実にタイムリーを積み重ね、そのリードを堅守と2年生投手のリレーで守り抜くという、王道の野球であいてを退けた。7番青木が2アウト3塁の場面で2度タイムリーを放ったように、ここという場面で打つべきボールをとらえる確実性は流石と思わせるものがあった。

そして、この日は何と言っても内野陣を中心とした堅守が光った試合であった。6回、8回と相手のキーマンである5番黒崎を見事な守備で併殺に仕留め、文星の反撃ムードを消沈させた。強打が目立つ光星だが、3季連続準優勝を果たした時も、捕手・田村(ロッテ)、ショート北條(阪神)を中心とした堅守で守り勝った試合はいくつもあった。しっかりしたディフェンスをバックに、打線がチャンスを活かすという、地に足のついた野球で、みちのくの強豪が4年ぶり7度目の8強入りを決めた試合であった。

一方、文星芸大付としては、やはり初回の入りが悔やまれる結果となった。継投で粘って打線の爆発を待つ戦い方だったが、守備のミスが絡んでの大量失点を喫してしまい、流れを手放す結果となった。また、打線も終盤にきて岡本の速球を打ち返すあたりは、攻撃力の高さを見せたが、光星守備陣の素晴らしいプレーに阻まれることに。これに関しては、相手を褒めるしかないだろう。OBの高根沢監督のもと、復活の気配が漂う同校だが、収穫と課題の両方を残し、今大会は3回戦で甲子園を後にすることとなった。

【高校野球 甲子園 ハイライト】八戸学院光星そつない攻撃に左腕の2年生ダブルエース継投で逃げ切る!文星芸大付が終盤怒涛の追い上げ【3回戦  文星芸大付 vs 八戸学院光星 】2023.8.16 – YouTube

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