2025年選手権2回戦 西日本短大付vs聖隷クリストファー(10日目第2試合)

2025年

大会10日目第2試合

聖隷クリストファー

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
0 0 1 0 0 0 0 1 × 2

西日本短大付

 

聖隷クリストファー  高部

西日本短大付     原→中野

両先発左腕の好投で引き締まった投手戦となった第2試合は終盤8回に大きく動く展開に。4番に待望のタイムリーが飛び出した西日本短大付が継投で聖隷クリストファーの反撃をしのぎ切り、昨年に続いて3回戦へコマを進めた。

試合

聖隷クリストファーは2年生エースの高部をこの日も先発のマウンドへ。一方、西日本短大付は初戦で好リリーフを見せた左腕・を指名した。

立ち上がり、聖隷クリストファーはいきなり1番大島がやや甘めに入った変化球をとらえてレフトオーバーの2塁打を放つ。1回戦でも初回に先制点をあげており、リズムに乗りたいところ。しかし、ここで得意の犠打が失敗に終わると、3番武智の痛烈な当たりが原のグラブに収まり、飛び出した2塁ランナーも刺されて併殺となってしまう。

これに対し、西短も1回裏、1アウトから2番井上が変化球をとらえ、先ほどの大島と同じような打撃で左中間を破る3塁打とする。先制点の大きなチャンスで打席に自慢の中軸を迎える。すると、ここで聖隷ベンチは早くもタイムをかける。この試合、1点が非常に重要と考えての判断だろう。気合を入れなおした高部は3番斉藤を高めの速球で、4番佐藤を低めのカットボールで連続三振に切って取る。見事としか言いようのない投球である。

初回のピンチをしのいだだが、2回に入ってもピンチは続く。2アウトから6番江成、7番長谷川が連打。は非常にコントロールのいい左腕だが、その分、聖隷の各打者も狙いを絞りやすいのかもしれない。ただ、ランナーを背負ってから強いのもの特徴であり、キレのある速球と、どの球種も決め球に使える多彩な変化球で要所を抑えていく。

すると、3回裏、その原が自ら突破口を開く。粘って7球目、高めの変化球を叩いた打球は、前進していたレフトとセンターの間を深々と破っていく3塁打に!大きなチャンスを迎えると、ここで巧打の1番が3塁ランナーを迎え入れる内野ゴロを放ち、西短が先に1点を手にする。両チームにとって大きな意味を持つ先制点だ。

自らの長打から得た1点では乗っていく。1,2回の厳しい時間帯を潜り抜けると、3回、4回、5回と持ち味を発揮。コーナーを突いて打たせて取る投球で聖隷打線を淡々と打ち取っていく。球速は最速で130キロと目立たないが、コントロールは大会出場校の投手の中でもトップクラスだ。選抜以降、素晴らしい成長曲線を描いた左腕が甲子園で躍動する。

一方、技のに対し、聖隷の高部は力の投球。4回裏、ランナー2塁からヒットを浴びるも、レフト江成の好返球で追加点を免れると、140キロ台の速球とカットボールで三振を奪いに行く。西短の中軸に打席での立ち位置を変えさせるほど、質の高いボールで厳しい攻めを見せる。原とは対照的な内容だが、こちらも素晴らしい投球である。

試合は西短が1-0とリードしたまま後半戦へ。西短としてはどこでエースの中野にスイッチするか判断が難しいところであった。7回表には2アウトから、2回に続いて6番江成、7番長谷川のコンビに連打を許す。この二人は原に非常にタイミングが合っている。しかし、ここで代打・峯田はアウトコースぎりぎりのボールをひっかけさせられ、得点ならず。ここというところでコーナーいっぱいに決まるボールを前になかなか突破口が開けない。

ただ、そんな状況でも聖隷の高部は粘り強く相手の反撃を待つ。7回にも下位から上位につながる西短の攻撃でチャンスを作られるが、初回に3塁打を打たれていた井上をひざ元のスライダーで空振り三振!ほれぼれする投球を見せ、上級生の反撃の機運が高まる。

すると、8回表、ここまでかわされてきたをついに聖隷打線がとらえる。1アウトから1番大島がアウトコースやや甘めの速球を引っ張ってレフトへのヒット。犠打できっちり2塁へ進めると、3番武智が変化球が甘く入るところを逃さない。レフトへのヒットとなり、際どいタイミングだったが、3塁コーチャーは思い切って腕を回す。西短のレフト安田も好返球を見せたが、送球を山下が抑えられず、2塁ランナーがホームイン!ついに同点に追いつくと、西短はここで原をあきらめ、中野をマウンドに送った。

1-1の同点で試合は終盤戦。しかし、ここで高部に落とし穴が待っていた。先頭の3番斉藤がアウトコースの速球を巧みな流し打ちで左中間へ打ち返すと、打席には4番佐藤。ここまで高部に翻弄され、ヒットが出ていない。インコース低めの変化球と高めの速球による攻め。しかし、ここで佐藤はその高めの速球を待っていた。4番の意地でとらえた打球は打った瞬間にそれとわかるレフトオーバーのタイムリーとなり、斎藤がホームイン!3塁を狙った佐藤は刺されたが、一瞬でリードを奪い返す強烈な一打であった。

高部は後続を抑えたが、この試合はやはり1点の重みが違った。最終回、リリーフで出た中野が貫禄の投球を展開。6番鈴木から始まる聖隷の攻撃を、淡々と打たせて取っていく。最後は、代打・渡部をセンターへのフライに打ち取って試合終了。西日本短大付が3季連続となる甲子園2勝目を手にし、昨夏に続いてのベスト16入りを決めた試合となった。

まとめ

西短は、何と言っても先発した左腕・の投球が素晴らしかった。どの球種でもカウントが取れ、決め球にもできる自在の投球。これぞ技巧派という投球で聖隷打線にヒットは打たれても攻略はさせなかった。エース中野に続いて2枚看板となる投手が育ったことが、西短の春から夏への最大の収穫だっただろう。

また、打っては佐藤が4番の意地と言える打撃で、相手の2年生エースを粉砕。ここまで空振りを取られていた高めの速球をきっちりとらえ、外野の頭の上をはるかに超す打球を放った。中軸のパワーと技巧派左腕の技でつかんだベスト16。昨年超えられなかったベスト8へ向け、昨年の京都国際と同じ近畿勢の東洋大姫路は待ち受ける。

一方、聖隷クリストファーも2年生左腕の高部が見事な投球内容で試合を作った。強打者が居並ぶ西短の上位打線に対しても、速球とカットボール、そしてスライダーで完全に牛耳って見せた。奪った三振の数は9。九州トップクラスの打線から奪った数字は非常に価値があるだろう。また、打線も原の前に苦しんだが、8回の同点劇は見事であった。

出場確実と思われながら選抜を逃した不遇な時代もあった同校だが、念願を果たし、聖地でも1勝を上げた今年の世代の活躍は、「聖隷クリストファー初」として今後、語り継がれていくはずだ。

【高校野球 甲子園】 西日本短大付 vs 聖隷クリストファー 【全国高等学校野球選手権大会 2回戦 6回〜全打席ハイライト】 2025甲子園 8.15

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