2025年選手権2回戦 高川学園vs未来富山(6日目第3試合)

2025年

大会6日目第3試合

高川学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 3 0 3 0 2 0 0 0 8
2 1 0 0 1 0 0 0 1 5

未来富山

 

高川学園  木下→松本

未来富山  江藤→松井

2回戦最初のカードは、高川学園が未来富山の好左腕・江藤を攻略。13安打8得点の猛攻を見せ、2021年に続いて初戦を突破した。

試合

未来富山は注目の左腕・江藤が先発。一方、高川学園は左右2枚看板の一人の右腕・木下をマウンドに上げた。

1回表、江藤は好調な立ち上がりを見せる。ゆったりしたフォームから繰り出す伸びのある速球とスライダーを武器に、1番若藤を空振り三振に取ると、後続も打ち取って三者凡退。ややストレートが高めに抜ける場面もあったが、まずは順調に無失点スタートとする。

これに対し、高川学園・木下も2年生ながら本格派の右腕。しかし、1アウトから2番古市に四球を与える。すると、3番中込に対し、3球目がインサイドやや甘めに入る。左打者にとってのスイートスポットに吸い込まれるようにボールが入っていくと、これを中込が強振!打球はライトポール際に飛び込むホームランとなり、未来富山が2点を先制する。

初回のスタートは未来富山にとっては最高。しかし、2回表に入って江藤が暗転する。先頭は4番捕手と攻守の要の遠矢江藤の2球目、高めに浮いたスライダーをとらえると、打球はレフトスタンドへ飛び込むホームランとなってすぐに1点を返す。パンチ力充分、さすが4番という一撃である。

さらに、5番山口はストレートをセンターに打ち返すと、犠打で2塁へ。ここから7番間地の死球、8番木下のヒットで満塁にチャンスを拡大すると、2アウト後に1番若藤がライト線へ逆転のタイムリーを放つ。江藤のストレートに対して全く振りまけることのない一打。この回、ストレートがやや甘めに入ったとはいえ、それを逃さずとらえた高川学園打線の鋭さが光った。

しかし、富山大会でチーム打率4割台の未来富山打線も活発だ。その裏、先頭の6番松井がスライダーが甘くなるところを逃さずレフトへのヒットを放つ。犠打は失敗に終わって嫌な流れになるも、8番内藤が真ん中の速球を救い上げると打球は、左中間を破るタイムリー2塁打に!下位打線ながら力強い打撃ですぐに同点に追いつく。

2回で早くも3-3。両投手とも早く立ち直りたいところだったが、特に江藤が序盤からそのきっかけをつかめない。初回から球数がかさみ、1イニング20球ペースで推移。高川学園の徹底したストレート狙いが圧力となって、本来の自分の投球ができない。3回も無失点には封じたものの、2アウト2,3塁とまで攻められ、苦しい時間帯が続く。これに対し、3回裏、木下は四球1つは出すものの、徐々にボールが低めに集まりはじめ、少し本来の投球に使づいてくる。

すると、4回表、高川学園が再び江藤を捕まえる。山口県勢らしい粘り強い攻撃だ、1アウトから9番大崎が内寄りのスライダーを引っ張って1,2塁間を突破。さらに、先ほど逆転タイムリーの1番若藤は変化球にタイミングを崩されながらも、巧みなバットコントロールでとらえて1,2塁間への内野安打とする。犠打で2,3塁とし、3番衛藤は四球で満塁。ここで先ほどホームランの4番遠矢がカウント1-2からの4球目、アウトコースのスライダーをとらえた打球はセンターの頭上をはるかにこす3点タイムリー2塁打に!高川学園が一気にリードを広げた。

この場面、立ちあがりからストレート狙いだった高川学園の攻めに対し、未来富山バッテリーが変化球主体に切り替えようとしていたところを遠矢は見逃さなかった。また、右打者に対して、インサイドを突くボールが少なく、迷いなく踏み込めた面も大きかっただろう。攻守の要が大事な場面で最高の仕事をやってのけた。

ただ、試合はまだ序盤。高川学園の木下も立ち直りかけていたとはいえ、未来富山の打線も強力だ。5回裏、1アウトから1番小林が巧みな右打ちで出塁。暴投で2塁へ進むと、こちらも初回に先制ホームランを放っている3番中込が高めのスライダーをきっちりとらえてセンターへのタイムリーとする。前半戦、互いの主軸が仕事を果たし、予想以上の点の取り合いとなった。

追撃したい未来富山だが、6回表、グランド整備明けの大事なイニングで守備のミスが出てしまう。1アウトから2番矢渡のショートゴロが送球エラーとなってしまい、中軸の前にランナーを出す。矢渡が盗塁ですかさず2塁を奪うと、3番衛藤、4番遠矢がいずれも高めのスライダーをとらえて連続タイムリー!大きな大きな2点を加え、遠矢はこれで3安打5打点とした。未来富山はついにエース江藤が降板。大会注目の左腕に対し、高川学園の見事な攻撃であった。

リードを広げた高川学園は、こちらも継投に。6回から左腕・松本をマウンドへ上げる。代わり端、いきなり四球と6番松井のヒットでピンチを招くが、犠打で1アウト2,3塁となって踏ん張る。2回にタイムリー2塁打を放っている8番内藤をアウトコースへの速球で三振に取ると、9番松尾も高めの速球で詰まらせ、無失点に抑える。

すると、ここから試合はようやく落ち着きを見せる。未来富山の松井、高川学園の松本と2番手で上がった左腕が、好投。ともに躍動感があって、ストレートに伸びがある似たタイプの左腕だが、ストライク先行の投球で、内外をきっちり突き、スコアボードに0を刻んでいく。松本は7回裏に1,2塁とピンチを招くも4番江藤を変化球で打たせて併殺に。バックも雨が降りしきる難しいコンディションの中、素晴らしい守備を見せた。

試合は両チーム無得点のまま最終回に。9回裏、未来富山は最後まで粘りを見せ、先頭の1番小林が四球を選ぶと、暴投と内野ゴロで3塁へ進む。ここで打席には4番江藤。投打ともにここまで不本意な内容だったが、木下のアウトコースの速球をとらえた打球はセンターへのタイムリーに!最後の最後に意地を見せるタイムリーを放った。

しかし、最後は代打・竹林がキャッチャーフライに倒れ、試合終了。高川学園が会心の内容で勝利を掴み、初の3回戦進出を決めた。

まとめ

高川学園は、注目の左腕・江藤を相手に粘り強い攻撃で結果を残した。序盤はストレート狙いに徹し、ファウルで球数を投げさせながら、攻略の糸口をつかんでいった。そして、変化球に切り替えようとしたところをとらえた遠矢の満塁一掃打。常に相手より先にイニシアチブを取って、有利な試合展開を作った。この攻撃スタイルはどこか、準優勝した2022年の下関国際を思い起こさせるものがあった。

また、投げては右腕・木下から左腕・松本へのリレーで5点を失いながらも、未来富山打線をかわすことに成功。県大会から続けてきたスタイルを甲子園でも貫きとおした。決して、前評判はそこまで高くはない高川学園だが、地に足のついた強さがある。次戦は強豪・日大三が相手だが、打ち倒す可能性は十分ある。

一方、未来富山も善戦したが、チームの中心の江藤が投打両面で持ち味を発揮できず、ペースを握れなかった。雨の中での難しさも当然あったはずで、最大の武器のストレートは、あるいは、本来の球質ではなかったかもしれない。ただ、それでも持っているポテンシャルは素晴らしいものがあり、打線も3番中込の3安打3打点の活躍など、2桁安打で応戦した。通信制学校として初めての甲子園だったが、存在感を示した試合だったのではないだろうか。

【高校野球 甲子園】 高川学園 vs 未来富山 試合序盤から白熱!先制2ラン&反撃ホームラン 【全国高等学校野球選手権大会 1回戦 全打席ハイライト】 2025甲子園 8.11

 

 

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