大会11日目第3試合
京都国際
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
尽誠学園
京都国際 酒谷→西村
尽誠学園 広瀬

好左腕を擁するチーム同士の対戦は、追いつ追われつの接戦に。8回表に貴重な逆転タイムリーが飛び出した京都国際が尽誠学園を振り切り、2年連続の準々決勝進出を決めた。
試合
尽誠学園は投打の柱の広瀬が先発。一方、京都国際は優勝投手の父(育英で1993年に全国制覇)を持つ右腕・酒谷をマウンドへ送った。
立ち上がり、尽誠学園守備陣は非常に硬さが見られた。相手エースの西村が先発を外れたことでかえって、リードを許してはいけないプレッシャーがあったのかもしれない。
京都国際は1回表、2番長谷川瑛、4番清水がいずれも低く強い打球をセンターに放つ。1,2塁とチャンスを迎えると、5番山口の当たりはサード正面への痛烈な打球に。一瞬3塁ベースを踏もうと目が逸れたのか、サードがはじいて満塁とピンチが広がる。ここで6番猪俣はすかさず初球打ち。これを今度はセカンドがはじいてしまい、2塁へトスするもセーフの判定で、京都国際が1点を先制する。
その裏、京都国際のマウンドには右腕・酒谷。2アウトを奪うが、3番生田、4番広瀬と連続四球を与える。特に広瀬はこのチームのキーマン名だけに要警戒での四球となった。球威は十分なボールだが、まだ暴れるところがある様子。5番鎌田に対してはストレート主体の投球で追い込むと、最後は高めのスライダーを打たせてライトフライに。ややヒヤッとする高さのボールだったが、正面をついたことで事なきを得た。
1回表に失点をしたものの、広瀬自体の投球はそこまで悪くはない。2回以降は、完全に立ち直り、京都国際の各打者を淡々と打ち取っていく。やはり、一番の武器はコントロールで有り、低め・コーナーを丹念に突くため、初戦で健大高崎投手陣を打ち崩した京都国際打線と言えど、簡単ではない。2回、3回、4回といずれも3人で攻撃終了。エースの投球に引っ張られるように野手陣の動きも良くなり、堅実な守りでアウトを積み重ねていく。
こうなると、酒谷の出来が試合の趨勢を左右するが、こちらは粘り強い投球を展開。3回裏には先頭の9番奥にライトへはじき返されると、盗塁を刺そうとした送球がセンターへ抜け、一気に3塁まで進まれる。ノーアウト3塁の大ピンチだが、ここで京都国際守備陣はあえて前進守備を敷かず、1点OKの姿勢を見せる。ここで1番金丸の当たりはショートライナー。前進守備を敷いていたらあるいは抜けていたかもしれない。1アウトを取ると、今度は前進守備を敷き、2番木下のスクイズがファースト小川がダッシュしてグラブトス!ホーム封殺し、ピンチを逃れる。
アウトカウントにおいて柔軟にポジショニングを変え、相手の奇襲にも対応。スーパーエースの西村ばかりが取り上げられがちだが、京都国際というチーム全体がやはり鍛え上げられている。
試合は、京都国際が1点リードのまま中盤戦へ。酒谷は球威十分のストレートを武器に踏ん張っていたが、5回裏についに尽誠学園打線に捕まった。
この回、先頭の8番上村にアウトコース高めの速球を引っ張られてヒットを浴びる。すると、ここで京都国際は西村が投球練習をスタート。あるいはこれを見て尽誠学園サイドはこの回、なんとしても得点すると気合が入ったかもしれない。1アウト後に盗塁で2塁を奪うと、1番金丸の四球と2番木下の犠打で2アウトながら2,3塁と一打逆転のチャンスを迎える。次に4番の広瀬が控える中で、京都国際バッテリーとしては3番生田で終わらせたいところ。しかし、生田はフルカウントから冷静に選球し、四球を奪取。あまり細かいコントロールがあるタイプではないだけに、ここは厳しかったか。
打席には4番広瀬。カウント1-2からストレート一本に絞って引っ張った打球は1,2塁間を鋭く破っていく!2者が次々とホームを駆け抜け、2-1。尽誠学園が逆転に成功し、両チームの立場はすっかり入れ替わった。この後、得点にこそつながらなかったものの、重盗も成功させ、押せ押せの展開となる。
逆転直後の6回表、京都国際は2番長谷川がヒットで塁に出るも、犠打で2塁に進んでから尽誠学園の守備網にかかってしまう。けん制タッチアウトで2アウトランナーなし。4番清水の打席だっただけに非常にもったいなく、京都国際には重苦しいムードが流れる。
その裏、京都国際はエース西村がマウンドへ登るが、勢いに乗る尽誠学園はかさにかかって攻めてくる。1アウトから7番広橋が絶妙なセーフティバントで塁に出ると、犠打で二進。ここで9番奥がバットを短く持って対応し、西村のチェンジアップをミート。転がった打球はセカンドへの難しい打球となり、内野安打で1,3塁となる。ここから盗塁と1番金丸の四球で2アウト満塁。ここでランナーが返れば、あるいは勝負は決まる場面。しかし、2番木下はチェンジアップを打ち上げてサードフライとなり、西村は土俵際で踏ん張って勝利への可能性を繋げた。
ただ、2回以降立ち直った広瀬の前に京都国際打線は全く攻略の糸口が見えてこない。6回のピンチを切り抜けても、7回表は簡単に3者凡退に終わり、ほとんど逆転の雰囲気は漂ってこなかったが…
8回表、下位から上位に回るこの回はおそらく最後のチャンスであった。先頭の8番尾角が高めの速球をとらえてレフトへのヒット。犠打が失敗に終わるが、1番長谷川颯が1,2塁間深い位置への内野安打を放ち、チャンスを広げていく。ライト方向への打撃がここでできるあたり、野球がよくわかっている。ここで打席には、ここまで2安打の2番長谷川瑛だったが、迷わずセーフティバントを選択。これが成功し、2アウトながら2,3塁としてクリーンアップに託す。
打席には3番小川。ここまで無安打と広瀬にタイミングはあっていない。しかし、この場面、カウント1-1から外寄りのストレートがやや甘くなるところを逃さなかった。迷わず打ち返した打球は1,2塁間を破るタイムリーとなり、2者が生還!京都国際が土壇場も土壇場で再び試合をひっくり返した。
残り2イニングでマウンドにはエース西村。尽誠学園にとっては厳しすぎる状況であった。スタミナも十分で飛ばしに飛ばす西村は8回の攻撃を3人で片付けると、9回は1番からの好打順だったがっものともしなかった。ストレートはうなりを上げて走り、まさに一球も触らせないと言わんばかりの投球。1番金丸、2番木下、3番生田と好打者たちを3人連続で空振り三振に切って取り、試合終了!最後は生田をチェンジアップで仕留めて3つ目のアウトを取り切り、厳しい試合をものにしたのだった。
まとめ
京都国際は、右腕・酒谷の先発である程度イニングを稼ぐところまでは計画通りだったが、5回に逆転を許すと、走塁ミスやバント失敗などでチャンスを広げきれず、ほぼ負けパターンといっていい試合だった。ただ、そんな中でもワンチャンスを活かし、不思議と負けないのが京都国際の強さである。昨夏の準決勝・青森山田戦、決勝・関東一戦もそうだが、ここというところでタイムリーが飛び出す強さがあるのが同校の伝統となりそうだ。
また、投手陣に関しては、酒谷が球威を活かした投球で甲子園のマウンドを経験、そして試合を作ったことは今後を見据えても大きい。西村はやはりストレート、チェンジアップとも一級品であり、ギアチェンジしたら、とんでもない投手であることを改めて証明した。エースのスタミナを温存でき、残りは3試合。春まではとても現実的とは思えなかった夏連覇に夢が、ようやく形が見えるところまでやってきた。
一方、尽誠学園は中盤以降は確実に試合を支配していただけに、悔しすぎる敗戦であった。おそらく8回のピンチを切り抜けていたら、9分9厘、尽誠学園が勝利していただろう。しかし、試合後の表情を見ていると、尽誠ナインの姿からはある種の清々しさが感じられた。それだけ、近畿の強豪2校を相手に素晴らしい内容の試合ができたことが、充実感となって表れていたのだろう。野球をよく知る甲子園のファンが万雷の拍手を浴びせたことが、何よりそのことを証明しているように思えてならない、そんな試合後の光景であった。
【高校野球 甲子園】 尽誠学園 vs 京都国際 逆転また逆転!手に汗握る大熱戦! 【全国高等学校野球選手権大会 3回戦 6回〜全打席ハイライト】 #교토국제 2025甲子園 8.16


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