記憶に残る代打(2022年夏)

2022年

市立船橋 黒川裕梧

興南

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 5 0 0 0 0 0 0 5
0 0 0 2 1 0 0 2 6

市立船橋

 

興南    生盛→安座間

市立船橋  坂本→森本哲星

試合前予想

平成前半に名将・小林監督(その後、習志野へ)のもとで黄金時代を築いた市立船橋。しかし、時代の変遷とともに激戦区・千葉の勢力図も入れ替わり、木更津総合をはじめとした強豪私学の波にのまれて、2007年を最後に出場から遠ざかっていた。苦しい時代が続いていたが、この2022年は戦力が充実し、森本哲星(巨人)・坂本のW左腕を擁する投手力は強力。打線も県大会決勝で木更津総合の投手陣を攻略したように、石黒森本哲太の上位打線から下位を打つ森本哲星まで切れ目なくつながる。

また、吹奏楽部で病のため亡くなった浅野大義さんが作曲した「市船ソウル」も話題に。球場全体を揺り動かすようなメロディーの曲がナインを後押しし、勝負所で集中打を生んできた。迎えた甲子園初戦は、沖縄代表・興南が相手。2010年に春夏連覇を果たした名門校との好カードが実現した。

展開

試合は、3回表に先発・坂本が興南打線につかまり、5点を先行される展開に。好投手・生盛を中心としてディフェンスのいい興南を相手に5点のビハインドはいかにも苦しい。しかし、あきらめることを知らない市船ナインは、じわじわと反撃を開始。8回裏には、4番片野の一発と7番森本哲星の同点打で、ついに試合を振り出しに戻した。市船ソウルが鳴り響く中、球場のムードは最高潮。勢いに乗って最終回を迎えた。

そして、代打へ

9回裏、市立船橋は先頭の三浦がレフトへのヒットで出塁。これをレフトがファンブルする間に一気に2塁を奪い、サヨナラのチャンスを迎える。ここで、興南はついにエース生盛をあきらめ、ライトを守っていた安座間をマウンドへ。2番石黒が四球を選ぶと、犠打と満塁策による四球で、1アウト満塁とビッグチャンスを迎える。

この千載一遇の場面で、打席には代打の切り札の黒川。初球、2球目とスライダーにバットが空を切り、厳しいかと思われた3球目。安座間のスライダーがすっぽ抜け、ボールは黒川の背中を直撃。サヨナラのランナーがホームを駆け抜け、まさかの結末で市立船橋が劇的な勝利をおさめた。チーム全体の気迫が、相手投手を吞み込んだような結末であった。

2022年夏 甲子園 市立船橋×興南9回裏 サヨナラ死球

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