2026年選抜1回戦 英明vs高川学園(5日目第2試合)

2026年

大会5日目第2試合

英明

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 3 1 0 0 1 0 5
0 0 0 0 0 1 0 0 2 3

高川学園

 

英明     富岡

高川学園   木下→松笠

左右の好投手が激突した試合は、雨が降りしきる中、中盤に英明打線が高川学園のエース木下を攻略。英明・富岡が安定感抜群の投球で反撃をしのぎ切り、2023年に続いての初戦突破を果たした。

試合

英明は左腕・富岡、高川学園は右腕・木下と中四国を代表する左右の好投手が先発のマウンドに上がった。

高川学園のエース木下はすでに昨夏、甲子園のマウンドを経験済み。140キロ台の快速球と縦に曲がり落ちるスライダーはともに威力十分であり、立ち上がり、英明打線を全く寄せ付けずに2三振を含む3者凡退に切って取る。

一方、英明の左腕・富岡は昨秋の戦いではやや四死球が多かったが、この日はストライクゾーンの中でいい具合に荒れており、体重のしっかり乗ったところからキレのあるストレートを投じる。高川学園の各打者が完全に立ち遅れており、カーブとの緩急も生かして、こちらも1回裏を2三振を含む3者凡退に打ち取る。

2回表も高川学園・木下は2三振を奪って2アウトとするが、6番浜野に高めに浮いたカーブを右中間へはじき返され、2アウト3塁のピンチを招く。高川学園としては目先を変えるために投げたボールだっただろうが、ここは裏目に出てしまう。しかし、7番矢野はインサイドの速球で詰まらせて無失点。3回表も、1アウトから連続四球を与えながらも、最後は球威で上位打線をねじ伏せ、事なきを得る。

対する英明・富岡だが、こちらは3回まで一人もランナーを出さない絶好調ぶり。高川学園の各打者のバットが差し込まれ、三振と凡打の山を気づく。カーブ、スライダーも低めに制球され、淡々とアウトが積み重なっていく。機動力野球が武器の高川学園だが、ランナーが出なくてはどうしようもない。すると、エースが守りから作ったリズムに、4回表、打線が乗っていく。

この回、先頭の4番高田がフルカウントから際どいコースながら四球を選ぶと、木下に動揺があったか、暴投で二塁へ。5番松本も四球で歩くと、6番浜野の犠打がベースカバーの遅れによる木下の悪送球を誘って、2塁から高田がホームイン!思わぬ形で英明が先制点を手にする。

なおも無死2,3塁となって、打順は下位。しかし、7番矢野は初球の甘いスライダーをとらえてライトへはじき返し、2点目を奪うと、8番榎本はインサイドの速球をうまく右方向へ打ち返し、この回計3点を奪う。この榎本のヒットは当てたような打撃となったが、結果として前進守備の内野陣の頭を超すラッキーな形での一打となった。しかし、直後の無死満塁は木下が何とかしのぎ、さらなる失点は防ぐ

取られた直後に取り返したい高川学園。4回裏、1アウトから2番三沢が四球を選ぶと、2アウト後、4番木下富岡のスライダーがやや甘く入るところを逃さず、センターへ打ち返す。これが前進したセンターの脇をすり抜ける2塁打となり、一打2点のチャンスとなる。しかし、ここでも富岡の制球は崩れず、5番吉田をインサイド低めのスライダーで空振り三振に。ここぞという場面で低めへ決まる投球で富岡が得点を与えない。

勢いに乗る英明は、続く5回表、雨が強まる中、先頭の3番松原がフォークをうまくすくってライトへのヒットで出塁する。制球が難しい状況となり、4番高田はストレートの四球で1,2塁となると、5番松本の犠打、当たっている6番浜野の犠飛とたたみかけ、1点を追加する。このイニングは木下にとっては不憫な状況であった。

前半戦は、英明が4-0で終了。英明・富岡の好投の前に苦しんでいた高川学園だったが、6回裏にようやく反撃の1点が入る。先頭の9番田中富岡を強襲する当たりの内野安打で塁に出ると、1番若藤は打ち取られるが、2番三沢の打席で捕手・高田の1塁へのけん制が悪送球となり、一気に3塁を奪う。1塁ランナーの若藤の好走塁である。ここで三沢はインコースのストレートを詰まりながらも、センター前に落とし、4-1。遠かった得点の扉をようやくこじ開けることに成功する。

高川学園としては、木下が踏ん張っている間に、さらに得点を詰めたいところ。しかし、7回はヒットのランナーを一人出すものの、4番からの攻撃でアウトはいずれもフライで取られる。とらえた打球もあったが、英明守備陣のポジショニングにも阻まれ、得点を挙げるに至らない。

すると、8回表、英明が再びそつなく追加点を挙げる。先頭の5番松本が四球を選ぶと、盗塁と犠打で1アウト3塁に。ここで7番矢野がセカンドゴロを放つと、ホームへ送球してサードランナーを挟殺するが、捕手からの送球がそれて、松本がホームイン!相手のミスも絡めて無安打で1点を追加し、試合の流れは大きく英明に傾いた。

5-1のまま、試合は最終回へ。高川学園は2番手の松笠が伸びのある速球を武器に9回表の英明を無失点に抑え、4点差のまま踏みとどまった。すると、その流れに乗ったか、高川学園打線が反撃を開始する。

1アウトから強打の3番衛藤が粘って6球目をヒットにすると、4番木下のショートゴロは悪送球を誘って1アウト1,3塁。5番吉田のショートゴロの間に1点を返すと、6番中島はアウトコースの難しいボールをうまく引っ張って3塁線を突破し、2アウトながら2,3塁、一発出れば同点の場面となる。再び強まりだした雨の中、代打・横山の打球はショートがファンブルし、3塁ランナーがホームイン!ついに同点のランナーまで塁上に出ることとなる。

なおも同点のチャンスで打席には8番河内山。しかし、富岡は最後まで冷静さを失わなかった。最後はカウント2-0と追い込み、内角低めの変化球を振らせて空振り三振!常に主導権を握って渡さなかった英明が高川学園の追撃を振り切り、3年ぶりの選抜で初戦突破を果たしたのだった。

まとめ

英明はエース富岡の投球がまず素晴らしかったが、それだけではなく、攻守で鍛えられた面が垣間見えた。塁に出れば、ランナーが塁上から執拗にプレッシャーをかけ、守っては1球ごとに巧みなポジショニングで高川学園打線のいい当たりを捕球した。失礼ながら、甲子園出場当初はやや大味な印象のチームであったが、今年のチームは非常に洗練された印象を受ける。目立った選手はいなくとも、チームで強い。四国王者が上位進出を虎視眈々と狙っている。

一方、高川学園も投打の実力では全く劣っていなかったが、ミスからの失点や要所で降りしきる雨による木下の制球難など、もったいないと思わせる失点の連続で敗れた。また、打線は若藤衛藤木下とタレントは揃っていたのだが、富岡のキレのある投球の前に8回までは1得点のみ。やはり全国区の左腕を打ち崩すのはそう簡単ではないのだろう。木下の投球も含めて、実力は全国上位に位置するだけに、あとはその力をどう発揮していくのか。夏へ向けて一つ一つ課題を解消していくしかないだろう。連続出場を目指し、戦いはすでに始まっている。

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