常葉菊川vs大阪桐蔭 2007年選抜

2007年

大会No.1スラッガーに挑んだバッテリー

中田翔(日本ハム)擁する大阪桐蔭が絶対的優勝候補だった2007年の選抜大会。準々決勝第1試合で好バッテリーを擁する東海王者と激突することとなった。

前年夏選抜優勝の横浜を2年生主体のチームで下した大阪桐蔭。中田翔(日本ハム)をはじめ主力がごっそり残ったチームはこの選抜で優勝候補の一角として帰ってきた。投手・中田も復活したこの大会では初戦で中田が1安打に抑えて日本文理を下すと、佐野日大戦では2打席連続のホームラン。怪物が投打に乗った状態で準々決勝を迎えていた。

一方、この大会まで甲子園未勝利ながら前評判の高かった常葉菊川。田中健(DeNA)、戸狩の左2枚看板を擁し、送りバントをしない強力打線で上位進出を狙っていた。初戦では仙台育英の注目右腕・佐藤由(ヤクルト)を強行策で突き崩して2-1で退けると、2回戦ではこれまたプロ注目の好投手である今治西・熊代(西武)を集中打で圧倒。エース田中も17三振を奪い、100とまさかの大差で退けてベスト8へコマを進めた。

終盤の逆転劇で常葉菊川が初の4強へ!

2007年選抜準々決勝

常葉菊川

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 1 1 2
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

大阪桐蔭

常葉菊川    田中

大阪桐蔭    中田

焦点は中田翔をいかに常葉菊川バッテリーが抑えるかだった。また、中田翔以外にも岡田雅(西武)、丸山、堀、那賀、山口、生島ら好打者がずらりと並び、この打線を抑えきるのは容易ではなかった。

 

しかし、予想に反して試合は投手戦に。中田翔が140キロ台のストレートとスライダーで常葉打線を料理すれば、田中健二郎も角度のある速球と果敢な内角攻めで桐蔭打線を5回まで0封。中田翔からも逃げずに勝負し、凡打に打ち取った。

 

先制点は6回裏、大阪桐蔭は中田翔の後を打つ5番堀がライト前にはじき返して先制。昨夏の履正社戦、横浜戦といい桐蔭は大事なところで彼の勝負強い一打に救われてきた。

 

中田翔の出来からして1-0のまま試合が終わるかとも思われたが、8回表常葉は投手・田中の長打からチャンスを作ると、町田がうまくライトへはじき返して同点に。外角のボールにうまく対応した。

 

だが、得点が入ると試合は動くもので、その裏2アウト2塁で打席には中田翔。常葉バッテリーは勝負を挑み、内角を突いたボールは少し甘く入った。中田翔のとらえた打球はレフトへ一直線。スタンドに入るかと思われた打球は、しかしフェンス手前で失速。同点のまま試合は9回に進む。

 

すると9回表、疲れの見える中田翔からエラーとレフト前ヒットでチャンスを作ると、この大会要所で活躍を見せる捕手・石岡が内角のボールをうまく引っ張って勝ち越しのタイムリー2塁打。裏の攻撃を田中が封じて常葉菊川が見事に優勝候補筆頭を撃破した。

 

常葉菊川は田中―石岡のバッテリーが攻めの姿勢を忘れなかった結果、1発のある打者がずらりと並ぶ大阪桐蔭打線をわずか5安打1点に抑えた。また、打線も取った得点は2点だったが、フルスイングを続けたことで中田翔にプレッシャーをかけて終盤の反撃へとつなげた。

 

勢いを買って常葉菊川はこの大会優勝。一気にスターダムへとのし上がる、そのきっかけになったともいえる試合だった。

2007常葉菊川 選抜 大阪桐蔭戦 中田vs田中・石岡バッテリー – YouTube

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