明徳義塾vs智辯学園 2014年夏

2014年

世代屈指の「好投手vs強打者」、魅惑の名勝負

2014年夏は序盤から強豪同士のつぶし合いが多かったが、中でも明徳義塾vs智辯学園の1回戦は組み合わせ抽選の会場が最も沸いた対戦となった。

控え投手岸潤一郎(明徳義塾) 関東一…:2014年選抜高校野球大会 ...

明徳義塾はエース岸(西武)が最終学年を迎え、集大成の夏であった。岸は回転のいいストレートとカットボールを武器に、右打者のインサイドをえぐる強気の投球が持ち味。岸頼みといわれていた打線も西岡、森、安田らが力をつけ、エースの負担を軽減できる実力をつけた。1年生から4強を経験した「甲子園の申し子」岸を中心に、全国制覇を狙っていた。

最後の夏、涙も出なかった」巨人・岡本和真26歳の甲子園 ...

対する智辯学園は高校通算73ホームランの主砲・岡本(巨人)を中心に打線は全国でも屈指の破壊力を誇る。岡本、吉岡の左右の大砲のわきを岩田。高岡、廣岡(ヤクルト)ら好打者が固めるラインナップは壮観であった。一方、小柄なエース左腕・尾田に頼りがちだった投手陣は選抜で好投した右腕・浦中が力をつけ、夏の連戦を勝ち抜くめどが立ち始めていた。

勝負を決めた、代打の切り札の一発

2014年夏1回戦

智辯学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 2 0 0 1 0 0 1 4
0 3 0 1 0 0 4 2 × 10

明徳義塾

 

智辯学園  尾田→浦中→岡本→村上

明徳義塾  岸

1回表、いきなり見せ場がやってくる。明徳のエース岸は立ち上がり簡単に2アウトを奪うと、打席に奈良大会3ホームランの岡本を迎える。ここで岸はインサイドを意識させながらコースを間違うことなくスライダーを投げ込み、岡本を空振り三振に切って取る。ストライクゾーンの横幅をいっぱいに使ったこの投球が岸の持ち味である。

エースの好調な立ち上がりに対し、打線も2回裏に応える。智辯学園の左腕・尾田はキレとコントロールが持ち味の左腕だが、2回にやや制球が定まらないところをつかれる。5番森のライト前ヒットを足掛かりに明徳がチャンスを作ると、7番水野のライト線へ飛んだ打球をライトの高岡がダイブするも後逸。タイムリー3塁打となり、この回明徳打線がつながって一挙3点を失う。

岸相手にできれば先行したかった智辯学園だが、逆に先行されたことで火が付いたか、直後の3回表に反撃に移る。ヒットで出た8番山中を犠打で送ると、1番大西が高めのカットボールをとらえてまず1点。さらにその大西を犠打で送ると、初回に三振に終わった岡本が今度はアウトコースやや甘めのスライダーを引っ張ってレフトへタイムリーし、リズムの良い攻撃で1点差に迫る。

岸の投球がやや単調になった面もあったが、決めるべき場面できっちり犠打を決め、甘いボールは確実にヒットする智辯学園の打線はやはりさすがの一言である。

その後は、一進一退の攻防。4回に水野の2打席連続のタイムリーで1点を追加すれば、智辯は6回に岡本、吉岡の連打で作ったチャンスに5番岩田がきっちり犠飛を放ち、再び1点差に迫る。互いに攻守ともハイレベルなプレーを見せ、1回戦ではもったいないと思わせる試合である。

ところが、この試合が7回裏に大きく明徳に傾く。智辯学園はこの回から2番手で浦中をマウンドに送る。投手2枚看板の一角に成長した右腕だったが、オーソドックスな右投手は明徳にとっては組しやすかったか。選抜のビデオもあるため、馬淵監督も対策済みだったのだろう。3番岸、5番森がともにセンターへのヒットを放ち、満塁までチャンスを広げると、内野ゴロで併殺崩れとなる間に貴重な1点を追加する。

さらに続くチャンスで打席には代打・田中秀。県大会決勝で逆転タイムリーを放った勝負師はスライダーを救い上げると、打球は高々と舞い上がってレフトスタンドに飛び込む3ランに!終盤に貴重な一発が飛び出した明徳義塾がその後の智辯学園の反撃を1点に抑え、夏は16大会連続となる初戦突破を果たした。

まとめ

明徳義塾はその後、2回戦で大阪桐蔭と3年連続で対戦。初回に岸が大阪桐蔭の3番・香月(巨人)に先制2ランを浴びるなど、序盤で5点を失ってしまう。終盤に満塁のチャンスで代打・田中秀を送るも、テキサス性の当たりをセカンド峯本に好捕されてなかなか追い上げられない。

じりじりする展開となったが、それでも最終回に2アウトからランナーが一人出ると、4番岸が意地の一振りで2ランを放ち、2点差にまで迫る好試合を演出。記録よりも記憶に残る活躍が光った明徳義塾・岸の最後の試合となった。

一方、敗れた智辯学園は全国上位に勝ち残る力を持ったチームだったが、選抜では佐野日大・田嶋(オリックス)、そしてこの日は岸と、全国屈指の実力を誇る左右の2投手に行く手を阻まれた。それでも本気で全国制覇を狙う雰囲気は着実に根付いていたのだろう。この試合で1年生ながら登板したエース村上(阪神)が3年生となった2016年の選抜で智辯学園は初優勝を飾ることになるのである。

2021年選手権準々決勝 智辯学園vs明徳義塾(13日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2014選手権ダイジェスト 明徳義塾-智弁学園 – YouTube

コメント

タイトルとURLをコピーしました