激戦ブロック 2000年夏

2000年

智辯和歌山が強打で日本一を勝ち取った2000年夏の甲子園。香月(近鉄)を擁した柳川との死闘や決勝の東海大浦安戦のシーソーゲームなど数多くの好ゲームが展開されたが、この大会は抽選会の段階でかなり波乱含みの展開であった。V候補筆頭の智辯和歌山の在籍するブロックに多くの強豪校が集中していたのだ。今回は、2000年夏の智辯和歌山の勝ち上がったブロックを紹介する。

この夏の優勝候補一番手は智辯和歌山。前年夏4強、選抜準優勝を着実に成績を残し、選抜では初戦で24安打20得点を挙げるなど強打で全国のチームを震え上がらせた。特に3番武内(ヤクルト)、4番池辺の左打者2人はスイングスピードが桁違いで、ボールが悲鳴を上げるような打球音で野手の間を切り裂く。5番後藤、6番山野と長距離打者の並ぶ打線は分厚く、全国でもNo.1の破壊力であった。懸念されていた投手陣は選抜でエース格だった左腕・白野が不調だったものの、2年生エース中家と野手兼任の山野の右腕2本柱が確立。ともに真っすぐには力があり、試合を作る能力にはたけている。守備に若干の不安はあるものの、それを補ってあまりある打力で2度目の全国制覇を目指す。

平成に入って東邦や享栄などに押され気味で、なかなか甲子園に出場できなかった中京大中京。しかし、大藤監督を招聘し、1997年の選抜でエース大杉を中心とした手堅い戦いぶりで準優勝を果たすと、この年の夏は投打に充実した戦力で勝ち上がった。投手陣は140キロ台の速球とスライダーが光るエース高橋や右腕・真鍋を中心に4人の力のある投手をそろえ、質量ともに豊富。打線も核弾頭の加藤に高橋、飯田、半田のパワーのある中軸がおり、得点能力も高いものがあった。県大会では準々決勝の豊田大谷戦以外はすべてワンサイドの展開で圧勝。1987年以来13年ぶりの夏の舞台で勝ち上がる力は十二分に持っている

 

2年ぶりの夏の甲子園出場を勝ち取ったPL学園。大阪大会では準々決勝から上宮、北陽、履正社とそうそうたる強豪を相手にすべて接戦で競り勝って優勝を決めた。V候補筆頭だった一昨年、昨年と違い、この年はエース朝井(近鉄)、4番今江(ロッテ)がともに2年生という若いチームだったが、主将・加藤(ソフトバンク)を中心にスキのない陣容に仕上げてきた。打線は1番荘野から左右と交互に続くジグザグ打線を形成。相手のスキを逃さない走塁や勝負所で長打が出る破壊力など、硬軟織り交ぜた攻撃が光る。投手陣は先輩の桑田を見習ってストレートとカーブで押し切る朝井から強気なサイドハンドの宮内につなぐスタイル。派手さはないが、気づけば勝利を収めているという、ある意味最もPLらしさを兼ね備えたチームで5度目の夏制覇をもくろむ。

この夏の出場で6季連続の甲子園となった明徳義塾。前年からの経験メンバーを多くそろえ、経験値では出場校中でもトップクラスだろう。投手陣は右腕・三木田と左腕・増田の2枚看板。三木田はすべての球種の制度が高く、要所を締める投球が光る。。増田は左のややスリークオーターから丁寧な投球で終盤に試合を締める。2人とも2年生から甲子園のマウンドを経験しており、失点は計算できるだろう。打線は選抜で上宮太子・亀井(巨人)を滅多打ちにした4番・清水が軸。その周りを小川、田山、内村ら好打者がかため、馬淵監督の高度な采配にこたえる。1年生ながらレギュラーをつかんだ森岡(ヤクルト)のプレーにも注目だ。

 

その他にもスラッガー畠山、2年生エース梶本(ともにヤクルト)が軸の専大北上、県大会で防御率0点台の好投手・五十嵐が引っ張る新発田農、好左腕・黒川を擁して県大会決勝で智辯学園に競り勝った郡山、皆方-青山のバッテリーを中心にID野球で勝ち上がった札幌南と多士済々な面々がそろっていた。このブロックを勝ち上がり、智辯和歌山に勢いがついたのは間違いないだろう。

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