記憶に残る代打(2005年夏)

2005年

京都外大西 上田永力

大会8日目第3試合

2005年夏2回戦

京都外大西

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 0 1 0 0 1 0 6 2 12
1 3 0 1 4 1 0 0 0 10

関西

 

京都外大西  坂本→北岡→本田

関西     西所→ダース→中村

試合前予想

2005年夏に2年連続で京都代表として出場した京都外大西。しかし、前年のチームがエース大谷を中心に下級生時代から主力を務めた3年生の選手が多く、完成度が高かったのに対し(甲子園でも涌井秀章(西武)の横浜と延長の大熱戦を演じた)、この代は2年北岡から1年本田への投手リレーが基本線。野手陣も前年からのメンバーは4番西下のみであり、若いチーム構成であった。

しかし、そんな中でも勝負強さはピカイチであり、京都大会では準々決勝で3試合連続で3-2と1点差勝ち。2年連続でライバル平安にも競り勝ち、京都代表の座をつかみ取る。迎えた甲子園では初戦で菰野を相手に4-1と快勝。特にリリーフで好投した1年生右腕・本田の好投は光り、140キロ台の速球は魅力十分であった。この年で勇退を表明していた名将・三原監督との師弟コンビも含めて注目されていたが、ただこの段階ではまだ大会において優勝争いに名が挙がる存在ではなかった。

そして、迎えた2戦目は岡山・関西が相手。この年の中国地区では宇部商と並んでTOP2と言える存在であり、その打力は全国トップクラスであった。攻撃型2番の長尾、柔らかい打撃でかつ長打力もある3番船引、天性に長打力を持つ4番松本と強打者が並び、周りを上田(ヤクルト)、安井と才能豊かな2年生が固める。投手陣は右サイドの西所と2年生右腕・ダース(日本ハム)の継投が主体で、こちらはやや安定感に欠けるところもあったが、いずれにせよ打力では明らかに関西優位とみられていた。

展開

試合は、序盤から激しい点の奪い合いとなる。京都外大西は初回、やや球威に欠ける西所を攻め、3番平林、5番寺本のタイムリーで2点を先行。ただ、関西打線はやはり、強力だ。この日、先発に起用されたのは2年生右腕・坂本であったが、1回裏に1番上田の3塁打を足掛かりにすぐに1点を返されると、2回裏には2番手の北岡を攻めて3点を奪い、逆転に成功する。

京都外大西としては投手陣は総力戦の構えであり、ある程度の失点は想定内だっただろう。ただ、3番手で登板させた本田の速球は命綱であり、三原監督としても1点差に迫って迎えた中盤戦以降は、なんとか関西打線を封じたいところであった。だが、ここから関西の強打がさらに襲い掛かる。4回に3番船引のライトスタンド中段へのホームランで1点を追加されると、5回裏には暴投にバント処理ミスと守乱が続き、タイムリーなしで4失点。6回裏には船引にこの日2本目となる一発をバックスクリーンに浴び、失点はついに2桁に達する。

ミスにつけ込まれ、頼みの速球も打ち砕かれる。格の違いを見せつけるような関西の攻めの前に、苦しい状況へ追い込まれた。打線も中盤からリリーフした2年生右腕・ダースを攻めあぐねて、終盤8回を迎えて4-10と6点のビハインド。今年も京都外大西の2回戦突破は厳しいのかと誰もが思っていた。

そして、代打へ

しかし、8回表、先頭の6番五十川のラッキーなテキサス性ヒットが反撃の号砲となる。7番南本もヒットでつなぐと、8番薮内の当たりは三遊間に転がってサードとショートが交錯するラッキーな内野安打となって無死満塁のビッグチャンスを迎える。続く9番本田、1番高原を連続で外野フライに打ち取り、ダースはなんとか2アウトまでこぎつけるが、ここから京都大外西打線が真骨頂を見せた。

ここまで3打数無安打の2番に代え、三原監督は代打に上田を起用。フルカウントまでじっくり粘ると、最後はインサイドに流れるボールをきっちり見送って押し出しの四球を奪取する。無死満塁から二死満塁となり、流れが切れそうだったところをつなぎとめた価値ある「押し出し四球」となった。

関西バッテリーとしては、この四球による1点で、逃げてはいけないという気持ちが先行した感はあっただろう。ストライクを取りに行ったところを、3番平林、4番西下、5番寺本に3者連続でタイムリーされ、なんと一気に同点に追いつかれる。関西にとっては、不運な敗戦の続いたこの時代を象徴するようなイニングであった。こうなると、勢いは京都外大西へ。9回表に1番高原の勝ち越しタイムリーが飛び出し、見事6点差をひっくり返す逆転勝利で3回戦進出を決めた。

この勝利が京都外大西に与えた勢いはすさまじいものがあった。中でも、代打で押し出し四球を選んだ上田は、ここから大活躍を見せる。3回戦の桐光学園戦では負傷退場した3番の好打者・平林に代わって途中出場すると、貴重な追加点となるタイムリーを放って勝利に貢献。さらに、準決勝では5打数4安打と大当たりを見せ、結局この大会で6割を超す打率をマークした。ノーマークの中で過去最高となる準優勝を果たしたチームの勢いを象徴する選手であった。

京都外大西-関西

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