2021年選抜1回戦予想 中京大中京vs専大松戸

2021年

2021年選抜1回戦

中京大中京vs専大松戸

58% 42%

 

前年から公式戦負け知らずで突き進む名門・中京大中京と名将・持丸監督の率いる初出場・専大松戸の対戦。対照的なチーム同士の対戦だ。

 

中京大中京のエース畔柳は前年のエース高橋(中日)にも引けを取らない剛速球を誇る。150キロ台のストレートだけでなく、スライダー、チェンジアップといった変化球も精度が高い。攻略は容易ではなく、本調子なら取れて2~3点か。ただ、最終カードに入ったため、球数制限の影響をもろに受ける可能性が高い。2番手左腕の柴田の出番も早まるか。

対する専大松戸打線は4番の吉岡が軸。走攻守3拍子揃った好打者タイプであり、外野をライナーで抜く打球が持ち味だ。吉岡以外は長打の打てる打者は多くないが、コンパクトな打撃でつなぐ意識は徹底されており、嫌らしさを兼ね備える。2019年の習志野が星稜の剛腕・奥川(ヤクルト)を攻略したような攻撃を畔柳相手にできるかどうかだ。

 

一方、専大松戸のエース深沢は右サイドから多彩な変化球でのらりくらりと打ち取るタイプ。関東大会では1,2回戦と連続完封を飾り、チームに初の選抜切符をもたらした。ただ準決勝では健大高崎の強力打線に5回までで6失点。鋭いスイングの強打者たちをかわす術を冬の間にどれだけ蓄えられているか。持ち味を出して打たせて取っていければ面白い。

対する中京大中京打線は印出、中山(巨人)を擁した前年ほどの個々のポテンシャルはないが、チームとしての戦術面の理解は深く、うまい点の取り方ができる。4番原は主将として勝負所で大事な一本を出し、2番杉浦、3番桑垣、9番満田ら走れる面々もそろっている。どんな相手からも確実に4~5点は奪ってきそうな抜け目のない打線だ。

 

投打に中京大中京が上回るのは間違いない。専大松戸としてはエース深沢の好投で接戦に持ち込み、終盤勝負と行きたいところだ。

 

主なOB

中京大中京…稲葉篤紀(ヤクルト)、嶋基宏(ヤクルト)、堂林翔太(広島)、磯村嘉孝(広島)、伊藤康祐(中日)

専大松戸…上沢直之(日本ハム)、高橋礼(ソフトバンク)、渡邉大樹(ヤクルト)、原嵩(ロッテ)、横山陸人(ロッテ)

 

愛知  千葉

春  3勝  1勝

夏  2勝  1勝

計  5勝     2勝

対戦成績は春も夏も愛知勢がリード。選抜では東邦が2連勝中で、1996年の選抜での拓大紅陵戦の大接戦は、スコア上は9-8とやや大味になったものの、観衆の視線をくぎ付けにする試合であった。千葉勢の勝利では1967年の習志野。前年夏に春夏連覇を果たした中京をエース石井を擁する習志野が3-2と接戦で下し、優勝に弾みをつけた。果たして今回はどちらが勝利するか。

 

思い出名勝負

2019年選抜決勝

習志野

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2 0 0 0 3 0 0 1 × 6

東邦

 

習志野  山内→飯塚

東邦   石川

 

東邦は2年連続の選抜出場。前年のチームは秋は東海大会決勝で敗れるまで練習試合も含めて無敗で勝ち進んだ。ただ、選抜ではその原動力となった打線が花巻東の技巧派左腕・田中大に抑え込まれて3-5で敗退。夏も県予選を勝ち上がれず、打線のポテンシャルの割には消化不良な戦いが続いた。

しかし、2年連続で出場した選抜ではエース石川(中日)が安定して守りの不安がなくなると、広陵や筑陽学園といった地区大会優勝校に快勝。準決勝では明石商の剛腕・中森(ロッテ)も吉納の3ランなどで攻略し、久々の決勝進出を果たした。

対する習志野は2011年夏以来久々の甲子園出場。ここ数年は県内のライバル木更津総合にことごとく抑え込まれてきたが、前年秋は久々の快進撃で関東4強に進出。多彩な投手陣ときめ細かい攻撃で大舞台に帰ってきた。

選抜では初戦の日章学園戦は初回の7得点で圧勝。2回戦では大会No.1右腕の星稜・奥川(ヤクルト)をコンパクトなスイングで攻略し、存在感を見せつけた。関東のその他の代表校が早々と姿を消す中で、習志野はしぶとく生き残り、その後も市立和歌山、明豊を接戦で撃破。リリーフエースの飯塚は伸びのある速球で終盤の相手の反撃を封じ、勢いに乗るチームの象徴的な存在となっていた。

 

粘り強い戦いぶりで決勝まで勝ち上がってきた習志野と強豪校を次々と横綱相撲で倒してきた東邦。力で劣る習志野としては先手を取って相手を慌てさせたいところ。1番根本がアウトコースよりに甘く入ったストレートをたたきセンター前へのヒットで出塁する。しかし、続く2番竹縄の犠打は東邦・石川の好フィールディングで併殺に取られてしまう。試合巧者の習志野らしくないミスだったが、もともと野手だった石川の好守備を褒めるべきだろう。

これで勢いを得た東邦はその裏、2番杉浦が四球を選ぶと、ランナーとしてプレッシャーをかける。習志野・山内の神経を削っておいたところで続く3番石川がアウトコースよりの変化球をセンターバックスクリーンへ叩き込む強烈な先制2ランを放つ。のらりくらりかわすタイプの山内に対して、ランナーとの共同作業と狙い球を絞った打撃で攻略した。さらにこの回、準決勝で3ランを放った6番・吉納にもタイムリーが飛び出し、計3点を先制する。

この初回の攻防が与えた影響はことのほか大きかった。援護をもらった石川は余裕を持った投球で、コントロールよく内外角を突いていく。習志野としては機動力を使った野球でかき回したいところだが、肝心のランナーがほとんど出ない。4回には1番根本が2本目のヒットを放つも、続く2番竹縄のエンドランはレフトフライでランナーも飛び出して併殺に。この日はことごとく出す策が裏目に出てしまう。

東邦ペースで進む試合は5回に入ってさらに一方的な展開になる。先頭の9番山田の投手強襲ヒットで先発山内がマウンドを降りると、習志野はエース飯塚をマウンドへ。ここまでリリーフで習志野へ流れをもたらしてきたエースだったが、3番石川に初球の変化球を右中間スタンドへ運ばれる。右方向へしっかり押し込める打撃技術は並の打者ではなく、相手を褒めるしかない打撃であったが、習志野にとっては痛い失点となった。

なんとか反撃したい習志野打線だったが、その後も石川の球威の前に力負け。東邦守備陣の巧みなポジショニングの前にヒット性の打球まで好捕されてはなすすべはなかった。東邦は戦うたびに守りの形が作られていき、持ち前の強打とがっちりかみ合っての快勝劇。最後はあたりの止まっていた石川に2発が生まれるという完ぺきな内容で5度目の栄冠を手にした。

東邦は森田監督に代わってから初めての全国制覇となった。阪口監督から監督の座を引き継いでからどちらかといえば、攻撃重視の野球に変わった印象だったが、この大会は守りの良さも非常に目についた。特に石川は投手らしいフォームではないが、持ち前のコントロールとセンスで強豪校の打者を手玉に取った。打線は下位の打者にも一発が飛び出す充実ぶり。終わってみれば、準決勝の明石商戦以外は全く危なげない内容で頂点に立った。春の東邦の面目躍如の大会であった。

一方、夏2度の全国制覇の経験を持つ習志野は選抜では初めての決勝進出。惜しくも準優勝には終わったものの、機動力を生かした野球とエース飯塚の投球がかみ合っての快進撃は見事だった。特に不利と予想された星稜戦で大会No.1右腕・奥川を攻略した攻撃は、試合巧者ぶりが随所に見られた内容であった。千葉の伝統校が平成最後の大会で新たな歴史を刻みつけた。

2021年選抜1回戦 中京大中京vs専大松戸(6日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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