大会6日目第1試合
日大山形
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0 | × | 6 |
県岐阜商
日大山形 小林→本田→児玉
県岐阜商 柴田

伝統校同士の対戦となった第1試合は、県岐阜商の強力打線が中盤以降に奮起!相手守備陣のミスにも付け込み、2年生エース柴田の力投もあって、夏は2009年以来となる勝利を手にした。
試合
県立岐阜商は2年生右腕の柴田が予想通り先発。一方、日大山形も背番号1の右腕・小林を順当に先発マウンドに送った。
1回表、雨でグラウンドがぬかるむ中で、県岐阜商の守備が乱れる。県大会をほとんどワンサイドで勝ち抜いてきており、緊迫した雰囲気もあるいは久しぶりだったのかもしれない。先頭の1番小川のショートゴロを稲熊がファンブルすると、2番遠藤には絶妙なセーフティバントを決められ、オールセーフ!3番根津、4番佐藤はいずれも内野ゴロに打ち取るが、その間に1番小林が順調に塁を進め、先制点を奪う。相手の絶対的エースの立ち上がりをうまくついた形だ。
これに対し、2枚看板の一角である日大山形の小林が好投を見せる。1番駒瀬に対し、1球目からスローカーブを投じて幻惑すると、4球目を叩かれたセンターライナーは、センター小川のダイビングキャッチでアウトに。いきなり超ファインプレーが飛び出し、波に乗ってこの回を3者凡退で打ち取る。
日大山形に先制点を許した県岐阜商・柴田だが、決して打ち込まれたわけではなく、2回以降は本来の投球を取り戻す。伸びのある速球を武器にストライク先行の投球を見せ、勢いづきかけた日大山形打線を鎮火させる。
ただ、それ以上に前半好投を見せたのが小林。スローカーブによる緩急は、実際に相対してみると想像以上に厄介なのだろう。岐阜大会でチーム打率4割近い成績を残した県岐阜商打線を相手に4回まで得点はおろかヒットすら許さない。緩いボールをストライクゾーンに制球するのはかなり難易度が高いのだが、その投球を小林はいとも簡単そうにやってみせた。カーブ以外にも多彩な球種を駆使し、相手打線の狙いをかわしていく。
試合は日大山形が1-0とリードのまま4回を終了。格上と見られた県岐阜商に対し、アドバンテージを取ったまま前半戦を終えようとしていたが、5回裏に入ってついに強力打線に火が付く。
先頭は5番宮川。左打席に立つと、初球から2球続いたスローカーブをしっかり呼び込んでたたき、センターへのヒットを放つ。相手バッテリーの配球の傾向を見極め、2巡目できっちり対応した。続く6番小鎗の打席で少しボールをはじいたところを逃さずに2塁へ進塁すると、左手のハンデを抱える7番横山がアウトコース寄りの変化球を引っ張ってライトへのタイムリー!同点に追いつくと、内野ゴロで三進後、9番渡辺にもタイムリーが出て一気に試合をひっくり返す。
この回の3安打はいずれも左打者。ややスリークオーター気味の小林に対し、左打者の方がタイミングが取りやすかったのはあっただろう。それにしても、この回の攻撃は下位打線だったが、実に無駄がなく、送球間の進塁、アウトを献上してでも放った進塁打など、伝統校らしいそつの無さが詰まっていた。日大山形はこの回で先発・小林をあきらめ、6回からは継投に入ることとなる。
逆転してもらった県岐阜商・柴田は、6回、7回とランナー一人は出したものの、安定したピッチングを見せる。雨による中断、打球の直撃を受けるなど、難しい状況にも関わらず、淡々とコーナーに投げて打ち取る様は、本当に2年生かと見まがうほどの貫禄があった。こういうところは、投げるボール以上に大事な要素であり、チームメイトを奮い立たせる。
すると、7回裏、県岐阜商の強力打線が再びつながりを見せる。2番手で登板していた右腕・本田に対し、1アウトから四球、内野ゴロの送球エラー、四球と日大山形守備陣が乱れて満塁のチャンスに。ここで2番稲熊が四球後の初球狙いの鉄則通り、ストレートをレフト前にはじき返して1点を追加すると、さらに押し出しで4点目を上げ、本田をKOする。攻撃の手を緩めない県岐阜商は変わった3番手の右腕・児玉から、4番坂口が高めの速球をセンター返し!2者が生還して、決定的な2点が加わった。
試合は県岐阜商の5点リードで最終回へ。初回の得点以降、0が並んでいた日大山形だったが、9回になって打線が繋がりだす。5番佐藤がストレートに少し差し込まれながらもライト前に落としてヒットで出塁。さらに、1アウト後に代打・清野が四球で繋ぐと、内野ゴロの間にそれぞれ進塁し、2アウトながら2,3塁とチャンスを迎える。ここで荒木監督は再び代打攻勢で2年生の土田を打席に送ると、初球、アウトコースの変化球をとらえた打球は右中間に弾み、2者が生還!土壇場で迷いのないスイングを見せ、監督の期待に応えて見せた。
しかし、やはり5点の差は追いかけるには大きかったか。最後は1番小川が空振り三振に取られ、ゲームセット。創部100周年の節目の年に、県下屈指の古豪が、地力の高さを証明する試合内容で16年ぶりの夏1勝を手にしたのだった。
まとめ
県岐阜商としては、初回の入りで機先を制され、難しい試合展開となったが、腰をどっしり据えてはじき返した、そんな内容のゲームであった。特に5回の攻撃では下位を打つ左打者たちが、苦しんでいた相手右腕・小林を攻略し、打線全体の層の厚さを見せる結果となった。また、2年生エース柴田も回転のいいストレートと変化球をコーナーぎりぎりに投げ分けるコントロールが光り、終始日大山形打線にリズムをつかませなかった。
県大会の圧倒的な勝ちっぷりがあったが、そういう勝ち上がりを見せて甲子園では初戦でころっと負けるチームも過去に幾多あったかしれない。しかし、今年の県岐阜商にはそんな心配は必要ない、地に足のついた強さがあると言えそうだ。
一方、日大山形は自分たちの思い描いていた野球ができた部分もあったが、最後は県岐阜商の底力に屈した印象だった。先発・小林のスローボールを活かした投球は見事だったが、対応され始めた時に、二の矢三の矢の投球術がなかったか、はたまたそれを出す前に得点されてしまったかはわからないが、結果的に相手の反撃を止めることができなかった。打線も最終回に反撃を見せたが、柴田の前に7安打で3点。攻略の糸口をつかむところまではいけなかった。
2006年に8強、2013年に4強と県勢の歴史を塗り替えてきた同校だけに、やはり県民の期待も大きい。このままで終わるわけにはいかず、捲土重来を期して、来年以降の戦いに臨むことになりそうだ。
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