大会3日目第2試合
日本文理
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 2 | 0 | 2 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 8 |
| 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
高知農
日本文理 染谷→箕浦
高知農 山下

常連校vs21世紀枠の対戦となった第2試合は、日本文理打線が本領を発揮。高知農の好投手・山下を打ち崩し、2回戦進出を決めた。
試合
日本文理は染谷、高知農は山下と両エース右腕が先発。互いに万全のメンバーを組み、試合が始まった。
高知農のエース山下は、昨秋の高知大会で強豪・明徳義塾を相手に惜敗しながらも延長10回を3失点に抑えた好投手。これに対し、日本文理打線は昨秋の北信越大会で敦賀気比など強豪校の好投手を打ち込んだように力がある。高知農打線の力を考えると、大量点を期待するのは難しいだけに、ここの勝負が勝敗を分けると思われた。
1回表、山下に対し、日本文理の強力な上位打線が対峙する。しかし、積極的に打ってくる文理に対し、山下は落ち着いた投球を展開。2番吉田流に四球は与えたものの、変化球主体に緩急をつけた投球を見せ、4番山下の打席では吉田流の盗塁を山本が刺して、バックも山下を援護する。
これに対し、秋の公式戦ではやや失点の多かった日本文理の染谷だが、強豪との対戦が続いたこともあり、実力はたしかだ。初回、縦のカーブを武器に見逃し三振を奪うと、2番西岡には甲子園初ヒットとなる2塁打を浴びながらも、後続はきっちり封じて無失点に抑える。変化球で楽にカウントを取れるため、四死球から崩れる心配のない投球となっている。
甲子園でよく言われるジャイアントキリングが起こる展開は、序盤の思わぬ大量失点か、拙攻で点がれるはずが取れないで終盤にもつれる展開が多い。好投手を擁する相手に、その展開に持ち込ませないためにも、文理打線は早めに点が欲しいところだ。2回表、自慢の打線が山下をとらえにかかる。
この回、先頭の4番渡部が痛烈なセンター返しで出塁。続く5番臼木には迷わず強攻策を指示すると、アウトコースのスライダーを飛びつくような右打ちでライトへ運び、エンドラン成功で1,3塁とチャンスを広げる。簡単なボールではなかったが、このあたりの対応力はさすが日本文理である。続く6番神田の打席で臼木の二盗は失敗に終わるが、神田が四球で歩くと、7番染谷は自ら犠飛を放って、渡部がホームイン!欲しかった先制点を手にする。さらに、8番安達の打席で再び二盗を仕掛けて成功すると、8番安達もレフトへのしぶといタイムリーで続いて2点目。試合の主導権を握る。
山下は変化球を織り交ぜながら、決して悪い投球ではなかったのだが、畳みかけるように強打・エンドラン・盗塁を絡めてくる日本文理の圧力の前に屈した格好に。得点は2点だったが、それ以上の圧を感じさせる攻撃だった。
リードをもらった染谷は、快調なピッチングを展開。速球、変化球ともにコーナー、低めに決まり始め、安心してストライクゾーン内で勝負できる感覚になっていただろう。高知農打線もなんとか反撃を試みるが、球威の前に押されがちとなり、3回裏には犠打を失敗するなど、なかなか攻撃がつながらない。
一方、3回の1アウト3塁はなんとかしのいだ山下だったが、4回に入って守備が乱れてしまう。1アウトから5番臼木が投手前のゴロとなるが、これを処理した山下の1塁への送球がそれ、臼木は一気に3塁へ。さらに、6番神田はサードゴロを放つが、今度はサード上森が悪送球となかなか守りからリズムが作れない。2アウト後に、8番安達には粘って8球目、インコースの速球を今度はうまく引っ張られてライトに運ばれる。2塁ランナーの染谷の好走塁もあり、4点目のホームイン!守備のいい高知農としては痛い失点イニングになってしまった。
しかし、甲子園に来てただでは終われない高知農が4回裏に反撃に転ずる。この回、先頭の3番山下がショートゴロを放つが、今度は日本文理に守備のミスが出て無死2塁に。内野ゴロと四球で1アウト1,3塁となると、6番栗山が巧みな右打ちでライトへ運び、山下がホームイン!高知農が記念すべき甲子園初得点を挙げた。ただ、なおも2アウト2,3塁と畳みかけた場面は、染谷が低めのカーブを振らせて8番長崎を空振り三振。さらなる得点は与えなかった。
すると、5回表、日本文理打線が打者3巡目に入って完全に山下を攻略する。この日はストレートの制球がもう一つつかない中で変化球主体となっていたところを狙われた。1アウトから2番吉田流が引っ張って1,2塁間を破ると、3番秦は初球のスライダーを完ぺきにとらえる。打球は左中間最深部に到達する3塁打となって1点を追加。さらに、4番渡部、5番臼木も連続タイムリーで続き、この回3点を奪取して、試合の大勢を決した。
試合は後半戦に入り、5回までに7点を失った山下だったが、終盤はストレートがコーナーに集まるようになり、変化球との配合が有効になる。特に、右打者のインサイドへの制球が素晴らしく、序盤からこのピッチングができていれば…と思われた。しかし、昨秋の戦いが決してフロックではないことを感じさせる内容であった。
ただ、この試合の行方を決したのは、やはり文理のエース染谷の好投だっただろう。7回を投げ、4安打2四球で1失点。低めに安定してカーブ、スライダーを集め、打たせて取る投球でリズムを作った。8回からは右サイドの箕浦が登板し、ランナーを出しながらも要所を締める投球で2回を無失点。日本文理が危なげない内容で高知農を寄り切り、2011年以来となる選抜勝利をつかみ取った。
まとめ
日本文理は上位打線の破壊力はさすがの一言。甘く入ったボールは確実に外野深くまでもっていき、「打撃の文理」たるゆえんを見せた。よほど打力に自信があるのだろう、序盤、ランナー1塁の場面で上位打線を迎えた時は、犠打の雰囲気などつゆほども感じさせずに、打って打って繋いでいった。また、投げてはエース染谷が7回を1点に抑える好投で好調さをアピール。鈴木監督も一安心の内容だっただろう。久々の選抜の舞台で北信越の雄が、まずは順調なスタートを切った。
一方、高知農としてはエース山下が序盤に本来の制球力を発揮できなかったことと、4回に失策が絡んで失点を喫した点が痛かったか。やはり、力で上回る相手にミスが出ると勝つのはなかなか難しくなる。昨秋の明徳義塾戦で見せたような戦いができれば、また結果は違ったかもしれないが、それでも後半戦の戦いには、その片鱗が見られたような気がした。夏は強豪ひしめく高知大会が待っているが、聖地で得られた教訓を生かし、連続出場を勝ち取りに行く。
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