2025年選手権3回戦 県岐阜商vs明豊(12日目第4試合)

2025年

大会12日目第4試合

明豊

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
3 0 0 0 0 0 0 0 × 3

県岐阜商

 

明豊    寺本

県岐阜商  豊吉→渡辺→柴田

ベスト8の最後の椅子を争った第4試合は、県岐阜商打線が立ち上がりに明豊の左腕・寺本を急襲!一挙3点を奪うと、3人の巧みな投手リレーで、このリードを守りきり、4強入りした2009年以来となる1大会3勝を上げて、ベスト8進出を決めた。

試合

明豊はエース左腕・寺本が初戦以来の先発マウンドへ。一方、県岐阜商は2年生エース柴田に代えて同じ2年生の左腕・豊吉を指名した。

豊吉は初めての甲子園のマウンドだったが、決め球のスライダーを武器に落ち着いた立ち上がりを見せる。初回、明豊の強力な上位の左打者陣を変化球主体の投球で翻弄。3番岡田には2塁打を浴びたものの、後続を抑え、無失点でスタートする。

これに対し、明豊の先発・寺本は初回から乱れてしまう。1アウトから2番稲熊にアウトコースの速球を右方向へ打ち返されると、この後、3番内山、4番坂口に連続四死球を与えてしまう。コントロールが持ち味の寺本としては信じられないような投球だが、坂口は8球粘っての結果であり、まさにもぎ取った四球であった。1アウト満塁となり、5番宮川は1-1から唯一カウントを取れていたスライダーに的を絞る。これが右中間を破るタイムリー2塁打となり、県岐阜商が2点を先制する。

さらに県岐阜商にはこの男がいる。2アウト後、左手にうまれつきハンデを抱える7番横山が仕事を果たす。6番小鎗を三振に取った後の初球、インサイドの速球を狙った打球は、1,2塁間を破るタイムリー!右手一本でバットを操る「努力の男」が名門のリードを3点に広げる。ただ、続くピンチでのディレードスチールによる重盗は、野手陣が落ち着いてさばいて阻止。このあたりは明豊、さすが鍛えられている。

すると、明豊打線もすぐさま反撃に出る。2回表、1年生の5番川口がアウトコースに逃げるスライダーを狙い打つと、流し打った打球は浜風にも乗って左中間を破る。守備陣の一瞬の隙を見て、3塁まで奪い、野球センスの塊たるゆえんを見せる。続く6番山口のセカンドゴロが失策を誘い、1点を返してなお無死1塁。ここまでは明豊も十分反撃ムードが漂っていた。

しかし、ここから明豊らしくないプレーが出てしまう。

7番も四球で歩き、犠打で1アウト2,3塁となるが、9番寺本の打席でスクイズのサインの見落としがあったか、飛び出した3塁ランナーの山口が飛び出して刺されてしまう。ボーンヘッドとはいえ、県岐阜商の捕手・小鎗は素晴らしい送球を見せる。この後、さらに四球を出したところで県岐阜商は豊吉から左腕・渡辺にスイッチ。その渡辺も代わり端、四球を与えて満塁となるが、巧打の2番をスライダーでひっかけさせ、セカンドゴロで難を逃れる。明豊としては、この県岐阜商がバタバタしている時間帯にもう1点あれば、結果も違ったか。

2回に入って明豊・寺本は自身の投球を取り戻し、2回の県岐阜商の攻撃を3者凡退に。持ち味のキレとコントロールを活かしたいつもの投球が戻ってくる。ただ、この日は攻撃面で硬さが見られたか、3回、4回といずれも併殺打が出てしまい。もう一つ攻撃が繋がらない。2番手の左腕・渡辺のボールをひっかける場面が目立ち、2回戦まで見られたようなセンター中心に打ち返す打撃が影をひそめる。

それでもエース寺本が踏ん張り続け、5回を終わってスコアは1-3のまま。そして、グランド整備明けの6回表に重要な局面がやってくる。

この回、先頭の5番川口がまたも巧みな打撃で内野安打を放ち出塁。しかし、ここでも6番山口の犠打が失敗し、いつもの明豊らしい攻撃の流れにならない。それでも7番の四球と2回戦で満塁一掃打を放った8番辻田のヒットで満塁とチャンスを広げる。9番寺本が倒れるも、上位打線に回るところで、ついに県岐阜商サイドはエース柴田をマウンドへ。好打者の1番井上に対し、厳しい攻めで追い込むと、最後はインサイドに落ちるスライダーで空振り三振!一球も打てるボールがないという神経研ぎ澄ました投球だった。

その後は、両エースの好投が続く。明豊は寺本が8回を投げて被安打7ながら3四死球で、今大会初の完投。昨年から経験値の豊富な左腕は、最後の夏、後半イニングで集大成ともいえる投球を見せる。打たせて取るという、技巧派の真骨頂の投球で県岐阜商打線のスコアボードに「0」を並べ続けた。

ただ、後半フルスロットルで投げてくる柴田の前に明豊打線は最後までつながらず。時折抜けるようなボールがあり、つけ入るスキにも見えるが、勝負所でコーナーに決まる変化球の前にとらえきることができなかった。結局、6回途中から2安打無四死球で明豊打線の攻撃を0封。ライト横山の好送球に代表されるように、バックも堅守で盛り立て、最後は2番藤の大飛球も横山がつかんで得点を与えなかった。初回の先制点を最後まで守り抜いた県岐阜商が強豪同士の対決を制し、16年ぶりとなる選手権8強をつかんだ試合だった。

まとめ

県岐阜商は伝統校らしく、試合の流れがきまるイニングでことごとく主導権を奪った。初回は寺本の制球が乱れがちなところを逃さずとらえて3点を先取。その後は、追加点はならなかったが、明豊攻撃陣のミスを逃さず、アウトを積み重ねていき、そして流れの決まりそうな6回でエース柴田への継投を決めた。投打にスーパースターと呼べるような選手はいなくとも、投攻守に隙の無い野球で手にしたベスト8。伝統の力が根付いていることを証明した試合となった。

一方、明豊は初回の失点で焦ってしまったか、攻撃でのミスが続いたのが痛かった。1,2回戦は本当にいい野球ができていただけになおさら惜しい。5番川口が3安打と当たっており、チャンスメークしてくれたが、後続がうまく攻撃を繋げなかった。ただ、負けるときはこんなものと言ったところか。やはり走塁、守備のミスと四死球が野球では勝負を決めるのだ。

ただ、エース寺本は2回以降、本当によく投げ、守りでは随所に好プレーも見られた。いい部分も随所にあっただけに、その伝統を受け継ぎ、1年生ショート川口を中心にまた好チームを作って帰ってきてくれるはずだ。

【高校野球 甲子園】 明豊 vs 県岐阜商 【全国高等学校野球選手権大会 3回戦 6回〜全打席ハイライト】 2025甲子園 8.17

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