2026年選抜1回戦 智辯学園vs花巻東(2日目第3試合)

2026年

大会2日目第3試合

智辯学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 1 0 1 0 1 1 0 4
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

花巻東

 

智辯学園   杉本

花巻東    萬谷→菅原

2023年夏の再戦となった強豪同士の激突は、智辯学園・杉本が花巻東打線を球威でねじ伏せて圧倒。打線も1番角谷の活躍で小刻みに得点を重ね、4-0と完勝で2回戦進出を決めた。

試合

花巻東は、3季連続で甲子園出場となる左腕・萬谷が先発。一方、智辯学園も1年生時に甲子園を経験した左腕・杉本をマウンドへ送り、大会注目の左腕同士が投げ合うこととなった。

智辯学園は、秋に中軸を打っていた角谷を1番に起用。小阪監督が思い切った打順変更をしてきた。その立ち上がり、技巧派左腕・萬谷に対し、角谷がしっかり選球して四球を選び、出塁。しかし、続く2番志村、3番太田、4番逢坂萬谷が3者連続三振に切って取る。アウトコース中心だが、そのアウトコースの制球に絶対の自信を持っているのだろう。近畿屈指の強打者を相手に自分の投球が通用する手ごたえを感じた立ち上がりだっただろう。

一方、1回裏、今度は剛腕タイプの杉本がマウンドへ。近畿屈指の左腕がついにそのベールを脱ぐ時が来た。こちらも先頭の1番久保村が内野安打で出塁するが、犠打で1アウト2塁となり、相手中軸を迎えた場面で本領を発揮。3番赤間を高めの速球で空振り三振に取ると、注目の4番古城に対してはうまくカーブを打たせてサードゴロとし、こちらも立ち上がりを無失点でしのぐ。

杉本は初回に怖い中軸を抑えたことで乗っていったか、2回裏には、先頭の5番萬谷にヒットを許しながらも、こちらも後続を3者連続三振に切って取る。ストレートはうなりを上げて角谷のミットに収まり、カーブ・スライダーは低めへ制球。この春の時期に、本格派左腕にこれだけの投球をされるといくら花巻東打線をもってしても厳しいだろう。味方の攻撃にはリズムを、相手の攻撃には絶望を与える投球で2回を0に封じると、直後の3回表、智辯打線が先取点を奪う。

この回、8番多井がアウトコースの変化球にうまく食らいついて三遊間へのヒット。アウトコースへの目付がしっかりできた打撃である。犠打で2塁へ進むと、打席にはこの日のキーマンとなる1番角谷。捕手らしく花巻東のバッテリーの配球が外へ偏っていることを逃さない。アウトコースの速球を、来ると分かっていた食らいついたような打撃で左中間へ流し打つと、打球はレフトのグラブのわずか先で弾む先制タイムリーに。智辯学園が1点を先行する。

取られた直後にすぐに追いつきたい花巻東。3回裏、1アウトから1番久保村が死球で出塁すると、盗塁と暴投で3塁まで進む。この辺りは、昨秋に発揮しきれなかった機動力も絡めての攻撃となる。2アウトながら、打席には昨年から中軸を打つ3番赤間。しかし、フルカウントから投じた140キロ台の速球の前に空振り三振!スピードだけでなく、キレも球威も抜群のボールを前に、自慢の中軸が封じ込められる。

杉本の投球が乗ってきただけに、追加点を与えたくない花巻東。4回裏には、もう一人の主砲・古城も見逃し三振と、「軸」を完全に封じ込められる。一方、萬谷も再び落ち着きを取り戻し、4回表を3者凡退に切って取るが、やはりアウトコース中心の配球は変わらない。ここは、花巻東バッテリーのポリシーだったのかもしれないが、百戦錬磨の智辯ナインがそこを逃すはずはなかった。

5回表、当たっている8番多井が初球、アウトコースから入ってくるカーブを引っ張ると、打球は3塁線を破る2塁打に。ここもインコースは完全に捨てた意識で踏み込んでの打撃である。続く9番八木も初球を、今度は鮮やかなセーフティバントとしてチャンスを拡大すると、またしても1番角谷にチャンスが回る。ここは、花巻東は前進守備は敷かずに最少失点でしのぐ構え。角谷は二遊間深い位置への打球を放ち、ショート菊池が好プレーでアウトにするが、3塁ランナーが生還して2点目を奪う。

ただ、この後、2番志村に対する配球を見ると、左打者のインコースから入ってくるスライダーを活用しはじめ、後続は封じて無失点。序盤はアウトコースでという制約を、あるいは設けていたのかもしれない。左打者に対して、インコースを引っ張らせて外で決める投球はできれば、そうそう打たれることはない。

試合は、智辯学園が主導権を握って後半戦へ。6回表を萬谷が3人で封じ、ここまで9三振と守りからリズムを作る。花巻東としては頼みの中軸、3番赤間・4番古城・5番萬谷の前にチャンスを作ること、そして、彼らが仕事を果たすことが、攻撃の命綱だ。しかし、6回裏に入っても杉本の牙城を崩せる気配がない。4番古城は粘って四球を選ぶが、赤間萬谷はいずれも打たされる格好になって内野ゴロに。速球に球威があるだけに、どうしても差し込まれまいとポイントを前に侵されてしまう。

それでも2点差はワンチャンスで同点にできる点差だ。しかし、7回表、花巻東にとっては痛いミスが出る。2アウトランナーなしから9番八木のサードゴロを粒来が後逸してしまい、失策となって出塁。野球は2アウトランナーなしから試合が動くことが多い。ここで打席には、またも1番角谷八木が二盗を決めてスコアリングポジションへ進むと、1番角谷はインコースのスライダーをうまく引っ張ってライト線を破る3塁打に!中盤から増え始めたインコースの変化球をものの見事にとらえた一打であった。

この1点が両者の差を大きく分けることに。8回表には3番太田、4番逢坂と自慢の中軸が連打を放ってチャンスメークすると、連続四球で押し出しを奪い、ついに萬谷をKO。後続はリリーフの菅原がなんとか封じたが、大きな大きな4点目がスコアボードに刻まれた。

なんとか1点でも返したい花巻東。8回裏には四球とセカンドゴロエラーでランナー二人を止めてチャンスを迎える。ここで勝負強い5番萬谷を迎えるが、カウント0-1からのアウトコースの越久に詰まらされ、ショートゴロで得点には至らず。球数が100球を超えても全く球威が落ちる気配がなく、最後に上位打線に回るであろうイニングを杉本が無失点でしのぎ切った。

花巻東は9回表のピンチをライトに回っていた萬谷の好返球で無失点にしのぎ、望みをつなぐ。このあたりの守備はさすが花巻東である。しかし、この日はとにかく杉本の牙城が厚すぎた。多少カウントが悪くなっても、ベース上に球威のあるボールを投じ、立て直していく。そんな「力の投球」の前に、鍛え上げられた花巻東打線も成す術がなかった。結局、9回を投げ切って129球で3安打完封。智辯学園が3年前の夏のリベンジを果たす形で、2回戦進出を決めたのだった。

まとめ

智辯学園はこの日は、杉本角谷のバッテリーが大活躍!打っては角谷が3安打3打点の活躍を見せれば、投げては杉本が3安打完封と、この二人が完全に場を制圧した試合となった。角谷は、打順変更が見事に当たった形だったが、花巻東バッテリーの配球を先回りするような左右に打ち分ける打撃は、捕手だからこそできたものだったかもしれない。

そして、杉本は本格派左腕の本領を発揮し、花巻東打線の中軸を完全にシャットアウト。これだけの投球をされると、大会でも打ち崩せるチームは片手で数えるほどあるかどうかだろう。他にも力のある選手が並ぶ智辯学園だが、まずはこのバッテリーをなんとかしないことには倒すことは不可能、そう感じさせるチームであった。

一方、花巻東は守りのミスが出たとはいえ、守備面では強打の智辯学園を相手にいずれも最少失点でよくしのいでいた。惜しむらくは、インコースを使う配球をもう少し早い段階でやっていてもよかったということくらいか。

ただ、やはり課題は打線だろう。赤間古城萬谷の3人であわせてヒット1本ではなかなか厳しかった。全国区の投手を打ち崩すのはやはり簡単ではないが、それ以外のメンバーの力が上がってこないと、勝ち進むのが難しいということも感じさせられたはずだ。3季連続出場で初の初戦敗退となったナインだが、落ち込んでいる暇はない。もう夏への戦いは始まっており、課題解消へ向けてすぐ練習に向かっていくことだろう。

【高校野球 甲子園】 花巻東(岩手)vs 智弁学園(奈良) プロ注目左腕・杉本vsプロ注目打者・古城&赤間 【第98回選抜高校野球 1回戦 全打席ハイライト】 2026.3.20  センバツ 

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