【好投手列伝】大阪府篇記憶に残る平成の名投手 1/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【好投手列伝】大阪府篇記憶に残る平成の名投手 2/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【好投手列伝】大阪府篇記憶に残る平成の名投手 3/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【好投手列伝】大阪府篇記憶に残る平成の名投手 5/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
前田健太(PL学園→広島)
2000年のエース朝井と同様に、桑田2世の呼び声高かったPL学園のエース右腕。1年生時から甲子園のマウンドを経験した右腕は、同年秋からエース格に、2年生の秋季大会を勝ち上がり、選抜の舞台をつかんだ。初戦では21世紀枠の真岡工を相手に持ち味のカーブで16三振を奪取。親指でスピンをかけるキレのあるボールを前に相手打者は手が出なかった。
また、のちにメジャーリーグでホームランを放ったように打者としての能力も超一流。選抜では打率3割3分3厘をマークし、準々決勝ではなんとホームスチールも記録。秋田商のエース佐藤洋の投球フォームが大きいスキを逃さなかったしたたかさと度胸には脱帽であった。
日大三vsPL学園 2004年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
2006年選抜 高校野球 PL学園 VS 真岡工(前田健太) – YouTube
秋本達也(北陽)
伝統校・北陽を久々に選抜の舞台に導いた技巧派右腕。真っ向から投げ下ろす角度のある速球を武器に、内外角を丁寧に突く投球が光った。甲子園初戦では鹿児島商打線を被安打7、与四死球1で完封。2回に主将・上杉の3塁打と女房役・八木のタイムリーで奪った虎の子の1点を守り切った。
大阪桐蔭、履正社、PL学園など全国屈指の強豪がひしめく大阪から勝ち上がるのは至難の業。そんな中で、「柔よく剛を制す」北陽らしい戦いぶりで久々に存在感を示した春となった。
植松優友(金光大阪→ロッテ)
中田キラーとして大阪桐蔭の前に立ちはだかった金光大阪の大型左腕。2年夏、2年秋と大阪桐蔭の前に敗れたものの、4番中田(日本ハム)は無安打に抑え込んだ。一時期はスランプに陥ったが、春季大会で無安打無得点を達成して復調すると、最後の夏は決勝に進出。ラストチャンスに燃える左腕はライバル中田を高めのストレートとスライダーを武器に5打数ノーヒットに抑え込み、3度目の正直で打倒桐蔭を果たした。
甲子園では初戦で守備の乱れから神村学園に敗れたが、その実力は全国でも屈指の左腕であった。
第89回全国高校野球選手権 大阪大会 決勝 大阪桐蔭対金光大阪 1/5 – YouTube
福島由登(大阪桐蔭)
2008年に大阪桐蔭を17年ぶりの全国制覇に導いたエース投手。前年秋にはPL学園に屈辱のコールド負けを喫したが、悔しさをばねに実力をつけた。一学年上に中田翔をはじめとして長打力のある打者がずらりと並んでおり、彼らを相手に打撃投手を務めることでより制球の重要性を認識したとのこと。甲子園では内外角を正確に突く投球で順調に勝ち上がった。
そして、準決勝では横浜との強豪対決に。2006年夏のリベンジに燃える名門校を相手に、大阪桐蔭バッテリーはカーブをストライクゾーンの奥で曲げる3Dの配球を駆使し、横浜打線を4失点で完投した。長い甲子園の歴史の中で横浜に2度以上対戦して、すべて勝利しているのは大阪桐蔭だけである。
中野隆之(PL学園)
甲子園で9回無安打無得点を成し遂げながら敗戦投手になった悲運のエース。2年生時から主力となり、最終学年では押しも押されぬエースに。抜群の制球力と切れ味抜群のスライダーを武器に秋の近畿大会で準優勝して甲子園行きを決めた。
甲子園初戦では秋山(阪神)擁する西条とのV候補対決を5安打完封で制してまず1勝。続く2回戦は南陽工を相手に上述したように9回までヒットを許さずに投げ抜いたが、味方打線も相手の2年生エース岩本(阪神)から得点を挙げられる延長戦に。延長10回に4安打を浴びて無念の敗戦投手となった。
最後の夏は負傷もあって登板できずに終わった。スラッガー吉川(巨人)をはじめ、夏は打線が好調だっただけに、中野の好投とかみ合えば、頂点も狙えたのではないか。この夏を最後にPL学園が甲子園に姿を現すことはなかった。
南陽工vsPL学園 2009年選抜 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
飯塚孝史(履正社)
2010年夏、2011年選抜と2度甲子園のマウンドを経験した履正社のエース。2年春の近畿大会初戦で3イニングで9三振を奪う快投を見せてブレイクすると、夏の大会では完全にエース格となって大阪を勝ち抜いた。甲子園では初戦で強打の天理打線を抑えて履正社の夏初勝利をマーク。右スリークオーターからコントロールよく投げ込み、安定感ある投球が光った。
その後、秋季大会を勝ち抜いて2011年の選抜出場権もゲット。秋以降ホーム改造に取り組んで腕の位置をやや挙げたフォームにし、九州学院・智辯和歌山と強豪を相手に完投勝利を挙げた。準決勝で東海大相模に大敗したが、履正社としては初めて全国の舞台で上位に進出。2019年夏に全国制覇を成し遂げた履正社だが、甲子園で歴史を切り開いたのは飯塚の右腕だった。
激戦ブロック 2010年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
坂本誠志郎 登場!履正社×九州学院 2011年 春のセンバツ 高校野球 – YouTube
藤浪晋太郎(大阪桐蔭→阪神)
大阪桐蔭に黄金時代をもたらした浪速のダルビッシュこと藤浪晋太郎。2008年に17年ぶりの全国制覇を果たして大阪桐蔭だったが、その後も3年間はまたあと一歩のところで勝ちきれない戦いが続いていた。そんな流れを変えたのが2012年度のエース・藤浪。選抜では準々決勝の浦和学院戦など接戦を次々と勝ち抜き、春は初めてとなる全国制覇を成し遂げた。
角度のある150キロ台のストレートにスライダー、カットボールを交えると相手打者は手に負えず、夏は選抜と違ってほぼ無風で春夏連覇を達成。特に決勝では選抜でそれぞれマルチヒットを許した光星学院の田村(ロッテ)、北條(阪神)を完全に封じ込めて、2安打完封(最終回に田村に1安打を許したのみ)。おそらく高校野球史上でも最も圧倒的な投球内容で準決勝、決勝と連続完封し、史上7校目の春夏連覇を成し遂げた。
この年から2018年までの7年間で2度の春夏連覇を含み、出場10回で全国制覇が6回、ベスト4が1回と圧倒的な成績を収めており、出場すれば簡単には負けない大阪桐蔭の歴史は今も紡がれている。
大阪桐蔭vs花巻東 2012年選抜 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
大阪桐蔭vs九州学院 2012年選抜 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
藤浪晋太郎 大阪桐蔭 甲子園での奪三振集 – YouTube
溝田悠人(履正社)
2014年に準優勝を成し遂げた履正社の先発マウンドを守ったエース。前年の代は東野、阪本、東と3人の好投手を擁したのに対して、この年は2年生の溝田、永谷の2人で投手陣を形成しており、前評判はそこまで高くはなかった。しかし、溝田は初戦で21世紀枠の小山台を相手に9回まで無安打無得点の快投を演じ、チームに大きな勢いをもたらした。
その後もすべての試合で先発し、準々決勝の福知山成美戦でも前の試合で12得点を挙げた強力打線を終盤まで最少失点に抑えた。小柄な体ながらアウトコースぎりぎりに丁寧にストレートとスライダーを投じ、試合を作る能力に長けた好投手だった。
永谷暢章(履正社)
上述した溝田とは対照的に2014年の選抜ですべてリリーフ登板した本格派右腕。真っ向から投げ下ろすストレートは回転数が多く、抜群の伸びと球威を誇った。特に2回戦の駒大苫小牧戦は溝田が2回6失点で降板した後を受けてロングリリーフし、駒大苫小牧打線を完全に沈黙させた。試合は4点差を終盤にひっくり返して履正社が劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めたが、その流れをもたらしたのが永谷の投球だったことは誰の目にも明らかだった。
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