【好投手列伝】秋田県篇記憶に残る平成の名投手 2/2

平成の名投手

【好投手列伝】秋田県篇記憶に残る平成の名投手 1/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

佐藤洋(秋田商)

2年夏、3年春と2度聖地の舞台を踏んだ秋田商のエース右腕。長身を折りたたむようにして投げるアンダーハンド投法から緩急自在のピッチングを展開し、伝統校を牽引した。甲子園ではなかなか思うような投球ができず、初戦突破した3年選抜の試合でも5回まで大量8失点を喫する苦しい展開だった。

しかし、汚名返上で臨んだ2回戦の今治北戦はコーナーを丹念に突く投球で8回まで無失点の好投。1回戦でビッグイニングを2度形成した強力打線を9回の3失点のみに抑え、延長12回サヨナラ勝ちを呼び込んだ。準々決勝はPL学園の前田健太(ツインズ)にあの有名な「ホームスチール」を許したが、各イニングを最少失点に抑える投球で4失点と踏ん張った。技巧派らしい粘りの投球が光る右腕だった。

マエケン伝説のホームスチール!PL学園×秋田商 2006年 春のセンバツ 高校野球 – YouTube

二木健(明桜)

小柄な体格からキレのあるボールを繰り出した東北屈指の左腕。大会前からその実力は高く評価されており、伸びあがるようなキレのある速球と低めに集まる変化球の組み合わせはなかなかとらえるのは難しかった。

実際、初戦の日本航空石川戦では、序盤は相手打線を完全に翻弄していた。しかし、2点リードで迎えた中盤に変化球に全くタイミングの合っていない打者に真っすぐ勝負を挑んで痛打を浴び、同点に追いつかれてしまう。その後はなんとか踏ん張っていたが、最後は捕手の悪送球でサヨナラ負け。何とも惜しい形で甲子園を後にした。

明桜 2009夏 – YouTube

保坂祐樹(能代商)

2011年夏に秋田勢の連敗を13で止めた能代商の軟投派左腕。前年夏に鹿児島実と対戦し、0-15と惨敗を喫し、練習場にその試合のスコアを貼って悔しさを忘れないようにして鍛錬を重ねた。

1997年の秋田商の初戦突破以降、負の連鎖が止まらなかった秋田勢だったが、対戦相手に恵まれない面もあった。1998年から2010年まで明徳義塾(4強)、樟南(4強)、育英(4強)、如水館、尽誠学園(8強)、天理、済美(準優勝)、遊学館、天理、大垣日大(8強)、鳴門工、日本航空石川、鹿児島実とほとんどが名門校やその大会の上位進出校であった。

なんとか連敗を止めたい能代商。初戦で引いたくじは奇しくも前年と同じ鹿児島勢の神村学園であった。序盤は神村学園の攻勢を受けて1-3とリードを許す展開に。しかし、同じ鹿児島勢へのリベンジに燃えているとの情報を受けて硬さがあったのは神村学園の方であった。6回に相手守備陣のミスにも付け込んで一挙4点を挙げると、保坂も後半は立ち直って5-3と逆転勝ち。長い長い夏の連敗を止めることに成功した。

その後も本格派左腕・松本(巨人)擁する英明に完封勝ちするなどベスト16に進出。決して球威のあるタイプではなかったが、短いテークバックからコントロールよく内外角に投げ分け、強力打線を封じた。3回戦の如水館戦で延長サヨナラ負けで力尽きたが、この大会で最も印象に残る投手の一人であった。

2011選手権ダイジェスト 如水館-能代商 – YouTube

成田翔(秋田商→ロッテ)

秋田商を80年ぶりの夏の甲子園ベスト8に導いた本格派左腕。小柄な体格であったが最速140キロ台中盤を計測したストレートの球威は抜群であり、スライダーとのコンビネーションで三振を奪えるのが強みであった。初戦の2回戦で龍谷打線を1失点完投して快調なスタートを切ると、続く3回戦はV候補の健大高崎が対戦相手になった。

「機動破壊」の標語を掲げる機動力に加えて、柴引・柘植(西武)ら中軸の長打力も光る厄介な打線であったが、成田は我慢の投球でしのぎ続ける。相手の4機動力に神経をすり減らし、終盤に2点差を追いつかれる嫌な展開となるも、最後は延長10回に味方打線が決勝打を放って勝利。強豪相手に立ち向かった小柄なイケメン左腕に観衆は魅了された。

2015年夏の甲子園振り返りまとめ – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

秋田商 /  成田 翔 – YouTube

吉田輝星(金足農→日本ハム)

2018年の夏の甲子園を最も沸かせたのが金足農のエース吉田輝星(日本ハム)の投球であった。秋田県大会決勝でライバル明桜を完封して、代表権をつかむとうなりを上げる速球を武器に鹿児島実、大垣日大と強豪を連破。3回戦の横浜戦では自らホームランを放つと、粘りのピッチングで逆転勝利を呼び込んだ。

回転数が非常に多く、回転軸も真縦に近いため、ホームベース付近でボールがホップし、対戦した打者のバットがことごとくボールの下を通った。劇的な逆転サヨナラ2ランスクイズで勝利した近江戦、強力打線の日大三戦と大会が終盤に進んでも、ボールの質は変わらず、理にかなったフォームで投げ続けた。

KANANO旋風の中心にいた男は今、プロの舞台で活躍に向けて腕を磨いている。

2018夏甲子園 金足農業 吉田輝星3年 全62奪三振 – YouTube

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