【好投手列伝】青森県篇記憶に残る平成の名投手 1/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【好投手列伝】青森県篇記憶に残る平成の名投手 2/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
城間竜兵(光星学院)
2012年の甲子園で前年夏から3季連続準優勝を達成した光星学院。セカンド兼先発投手として屋台骨を支えたのが城間竜兵であった。絶対的な球威はないが、キレのあるボールをコントロールよく内外に配し、終わってみれば試合をきっちり作っている印象だった。
甲子園では選抜の北照戦、選手権の遊学館戦とともに初戦で完封勝利を達成。チームを勢いづける勝利をもたらした。また、選抜の近江戦ではホームランも放つなど、投攻守すべてにおいてセンスあふれる選手であった。
金沢湧紀(光星学院)
2012年の光星学院にあって城間と右の2枚看板を形成した本格派右腕。野手兼任の城間とは異なり、投手専任の金沢は投手としてのタイプも城間とは違って、球威で抑える投球が持ち味であった。真っ向投げ下ろしのフォームから角度と威力のあるストレートでカウントを取り、縦に落ちる変化球で三振を取ることができた。
金沢の真骨頂が出た試合といえば、夏の準々決勝の桐光学園戦だろう。相手はそこまで3試合で実に53三振を奪っていた2年生左腕・松井裕樹(楽天)。失点が許されない試合で金沢は低めに丹念にボールを集めて一歩も引かない投手戦を展開する。終盤に田村(ロッテ)、北條(阪神)の中軸が先制点をもたらすと、最後まで自らの投球を崩さすに3安打で完封勝ち。決勝進出へ向け、最大の関門を突破した。
迎えた大阪桐蔭との決勝戦は満を持して先発のマウンドへ。白水のホームランと失策による失点で計3点を失ったが、丁寧な投球で引き締まった試合にした。打線が相手エース藤浪(阪神)に完全に抑えられてしまっただけに、金沢の好投がなければ一方的な試合になってしまっていただろう。エースとして意地の投球を見せ、最後の夏を終えた。
[プロ 野球 ハイライト] <2012 | 第84回 春> 光星学院-愛工大名電 – YouTube
小野憲生(弘前学院聖愛)
光星学院、青森山田の2強が21世紀に入ってから、2010年の八戸工大一を除いて、代表の座を独占していた青森の高校野球。そこに風穴を開けたのが2013年の弘前学院聖愛であった。2000年代後半に入ってから着実に力をつけてきた聖愛は同年に八戸学院光星(この年から校名変更、元光星学院)、青森山田の2校を自力で下して初出場を達成。青森出身の選手たちだけでつかんだ甲子園とあって、県全体のレベルアップを感じさせた。
そのチームのエースを務めたのが長身の右サイドハンド・小野であった。内外、高低を正確に投げ分けるコントロールが持ち味で、初戦の玉野光南戦は4安打で完封勝ち。岡山大会決勝で神宮大会の準V左腕・児山(ヤクルト)を攻略した強力打線を寄せ付けず、特にキーマンである3番藤本はインハイのボールをうまく使って全く仕事をさせなかった。
その後、2回戦でも前年秋の九州王者の沖縄尚学打線を3失点で完投。スコアこそ4-3の勝利だったが、ヒット数は聖愛が倍以上放ち、内容は圧倒しての勝利であった。3回戦で延岡学園に大敗は喫したが、青森の高校野球が新たな、そして大きな一歩を記した大会となった。
弘前学院聖愛のエース、小野憲生投手のピッチング 2013年夏の甲子園 – YouTube
中川優(八戸学院光星)
2014年春から2015年春まで3季連続で甲子園のマウンドを踏んだ技巧派右腕。7種の変化球を自在に操るコントロールが持ち味であり、2年春の選抜では浅間、高浜(ともに日本ハム)を擁する優勝候補・横浜の強力打線ををリリーバーとしてきっちり封じ込めた。この名門校から奪った勝利は2011年から2012年にかけて3季連続で甲子園準優勝を果たした仲井監督に新たな自信をもたらすものであった。
その後、2年夏・3年春はともにエースとして甲子園で躍動。2年夏は星稜のエース岩下(ロッテ)にも投げ勝ち、選抜で成しえなかった8強入りを果たした。目立った球種・スピードがあったわけではないがは、コントロールとキレ、そして配球と投手としての総合力できっちり抑え込む、お手本のような投球が光った。
【センバツ・高校野球】 八戸学院光星vs横浜 ハイライト – YouTube
桜井一樹(八戸学院光星)
2016年の春夏連続出場時のエース右腕。どうしてもあの東邦戦の逆転サヨナラ負けが取り上げられることが多いが、その実力はこの年の東北地区でも1,2を争うものであった。選抜では初戦の開星戦を2失点完投でものにすると、2回戦は初戦で15安打7得点の龍谷大平安打線を再び2失点で完投。平安のうまい攻めで失点こそしたものの、試合全体を通してみると、桜井が対平安打線には勝利した印象であった。
ただ、夏にかけては調子が上がりきらなかった部分もあり、甲子園でも初戦の市立尼崎戦は3点のリードを守り切れず、延長の末、薄氷を踏む勝利となった。そして、あの伝説となった東邦との試合。2人の控え投手が試合を作り、一時は7点のリードを奪ってエース桜井にバトンタッチ。しかし、本調子でない桜井のボールはストライクゾーン甘めに吸い込まれていき、奇跡の逆転サヨナラ負けを許した。
球場の雰囲気が取りざたされることも多いが、やはり桜井が本来の調子で東邦打線を相対する姿を見たかったのが高校野球ファンとしての本音であった。
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