岡本克通(柳ヶ浦→ダイエー)
2年秋、3年夏と2度出場し、3年夏は開幕戦で勝利を飾った右腕。相手エースはのちに広島で新人王を取る新潟明訓の小林幹だったが、安定したコントロールで伸びのあるストレートを投げ込み、8-1と快勝を飾った。
続く2回戦では高木大(西武)、副島(ヤクルト)、高橋由(巨人)とのちにプロ入りする打者がずらりと並んだ桐蔭学園が相手。終盤まで1-1と同点で踏ん張っていたが、8回に集中打を浴びて力尽きた。しかし、好投手vs強打の対決は非常に見ごたえがあり、73回大会でも屈指の好試合だった。
⚾【平成3年】桐蔭学園 対 柳ヶ浦【高校野球】 – YouTube
野村秀樹(柳ヶ浦)
柳ヶ浦を全国初の4強に導いたエース。この年は前評判がそこまで高かったわけではない九州勢がベスト8に4校、ベスト4に3校残り、九州旋風を巻き起こしたが、その流れに柳ヶ浦も乗った。初戦から小山、近江、創価といずれも大差をつけて快勝。特に3回戦の創価高校戦ではリズムの良い投球でわずか5安打に抑え、完封勝利を収めた。準決勝では前の試合で腕に打球を受けた影響で本調子ではなく、樟南に2-10と敗れたが、大分県勢として久々の上位進出を果たした。
[プロ 野球 ハイライト]1994【熱闘】オープニング 柳ヶ浦vs小山 – YouTube
山口俊(柳ヶ浦→DeNA)
1年生時から甲子園のマウンドを経験した長身右腕が最終学年はエースとして君臨。力士を父譲りの下半身の柔らかさを武器に、重みのあるストレートを投げ込み、神宮大会では東海大相模、神戸国際大付、愛工大名電と錚々たる顔ぶれをいずれも大差で下した。しかし、選抜本戦では名門・天理に0-4と完敗。小技でかき回され、ストレートを相手の主軸の真井、田中に仕留められて、最後までリズムをつかめなかった。
甲子園の勝利には縁がなかったが、プロでは最多勝を獲得し、現在は海の向こうで活躍を続けている。
山口俊 柳ヶ浦 ストレート勝負も天理に初戦敗退 2005年高校野球 – YouTube
甲斐大樹(楊志館)
2007年に楊志館を初の甲子園に導いた怪腕。現在、ソフトバンクの正捕手を務める甲斐拓也の実兄である。伸びのある速球を武器に力で押す投球で道を切り開いた。甲子園初戦では前年秋の神宮大会を制した高知と対戦。実力校を相手に序盤に打線が奪ったリードを力強い投球で守り切り、6-4で勝利。続く3回戦でも打線が集中打で奪ったリードを死守し、2試合連続で被安打は2桁を数えながらも粘り強く投げ抜いた、打たれ強い投手でもあった。
第89回全国高校野球選手権大会 2回戦 楊志館 対 高知 1/5 – YouTube
今宮健太(明豊→ソフトバンク)
ショートが定位置ながら、1年生時から投手としても台頭していた今宮健太。2年時の選抜では変化球主体の器用な投手という印象だったが、1年経って迎えた3年時の選抜ではイメージが一変。150キロに迫るストレートを武器にするパワーピッチングに変貌を遂げており、下半身の力強さがまるで違った。最後の夏はベスト8で花巻東に敗れたが、9回のリリーフ登板で150キロを連発した投球は今でも語り草となっている。
激戦ブロック 2009年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
2009 花巻東 対 明豊【高校野球】 熱闘甲子園 – YouTube
野口昴平(明豊)
2009年の明豊で、右のエースが今宮なら左のエースは野口だった。2009年夏の初戦の興南戦では無失点リリーフにサヨナラ打とまさに千両役者の活躍を見せると、2回戦は強豪・西条と対戦。エースで4番の「伊予ゴジラ」こと秋山を中心に徳山、司馬ら強打者の揃う打線に8安打を浴びながらも要所を締めて、見事完封勝利を飾った。コーナーの投げ分けのできるコントロールに緩急もあり、実に打ちにくい投手だった。
2009年夏 全国高校野球選手権大会 興南×明豊 – YouTube
田中太一(大分工→巨人)
第92回大会屈指の好右腕として注目された大分工のエース田中太一。県大会決勝では昨夏代表の明豊の好投手・山野(広島)と投げ合い、3-2と接戦を制して、久々の代表切符をつかみ取った。迎えた甲子園初戦は延岡学園との九州対決に。打線が先手を取るも、終盤に追いつかれて4-4の同点で延長戦に。最後はランナー3塁からスクイズを警戒して外したボールが暴投となり、涙を飲んだ。初戦で消えるのは惜しい好投手だった。
若杉晟太(明豊)
2019年の選抜で2年生ながら主戦格としてチームを初の4強に導いた若杉。豊富な投手陣を擁した明豊にあって安定感のある投球が評価されて、4試合中3試合で先発に起用された。しなやかな腕の振りから繰り出す切れのあるストレートと低めに制球されたスライダーを武器にゲームメイクの能力はピカ一。今後の成長が期待される左腕だ。
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