明徳義塾 座覇政也

大会4日目第3試合
2010年夏1回戦
本庄一
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 2 | 0 | 6 |
明徳義塾
本庄一 田村和→斎藤→設楽→斎藤
明徳義塾 前田→岩元
試合前予想
1990年代後半から2000年代前半にかけて黄金期を築いた明徳義塾。2002年夏には悲願の全国制覇を達成したが、2005年夏にエース松下(西武)を擁して、高知大会を優勝しながら、不祥事による出場辞退の憂き目にあう。ここで一旦連続出場が途絶えると、その後は若き指揮官・島田監督が率いる高知の台頭もあり、甲子園から遠ざかることに。選抜では2008年に出場があったが、夏はこの2010年大会が実に4年ぶりの出場であった。
連続出場中は主に近畿から来た選手を中心に大型チームを形成していたが、この年はやや小型化した印象。スカウトの変遷もあったのだろう。それでも、馬淵監督の指揮下でもともと細かい野球はできるチームであり、高知大会の準決勝では岡豊とのしびれる投手戦を前田→岩元の継投でしのいで1-0と勝利した。2年生4番北川(楽天)、1年生捕手・杉原など下級生が元気なチームであり、久々に「明徳」の文字が夏の聖地に帰ってきた。
その初戦の相手は、2年ぶり2度目の出場となる本庄一。2年前は記念大会で埼玉代表が2枠になる恩恵も得ての出場だったが、今回は堂々単独出場の枠をつかみ取った。2年前の甲子園を経験した田村和が最上級生でエースとなり、チームを牽引。決勝では、前の試合で川越東の好左腕・高梨(巨人)を攻略した花咲徳栄の強力打線と対峙したが、高打率の打者がずらりと並ぶ選抜出場校を相手にエースが奮闘する。最後は、サヨナラのチャンスを見事にものにし、名将・須永監督のもと、2度目の甲子園へと乗り込んできた。
展開
試合は、明徳・前田が球威のある速球で押していけば、本庄一・田村和は丁寧にコーナーを突き、打たせて取る投球で、互いに得点を与えない。攻撃力ではやや明徳に分がある中、この展開は本庄一にとって狙い通りと言えた。
迎えた6回表、本庄一は前田の速球に狙いを絞る。先頭の8番田村海が内野安打で出塁すると、犠打で送って1アウト2塁に。1番塗木もヒットでつなぐと、ここで明徳バッテリーにまさかの捕逸が飛び出し、本庄一が先制点を奪う。さらに犠打で送って2アウト2塁とすると、チームの軸である3番田村和はインサイド寄りのボールを力強く引っ張り、ライトへのタイムリーで2点目。少ないチャンスを確実に生かす理想的な攻めで、後半戦の主導権を奪った。
そして、代打へ
追う状況となった明徳義塾。連続出場中だった頃なら、なんてことはない展開だったかもしれないが、4年ぶりの夏の甲子園であり、全員が初めての聖地だ。6回裏も先頭打者が打ち取られ、1アウトとなったところで馬淵監督は打席に代打の切り札・座覇を送った。この日が誕生日という巨漢スラッガーは2球で簡単に追い込まれるが、頭の中では冷静に狙い球を絞っていた。2-1からの4球目、高めに浮いた速球を豪快に振りぬいた打球は、打った瞬間にそれとわかる打球でレフトスタンドへ着弾!明徳が一振りで1点差に迫り、試合の流れは一気に傾いていった。
その後、7回裏・8回裏の2イニングで5点を奪取。本庄一・田村和に体調不良があったとはいえ、見事な集中打であった。ただ、その攻略の糸口をつかむきっかけとなったのが、座覇の一撃だったことは、衆目が一致するところだっただろう。この年から再び明徳義塾が黄金期を迎えることとなる。


コメント