2025年選手権3回戦 日大三vs高川学園(11日目第1試合)

2025年

大会11日目第1試合

高川学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 3 0 0 0 0 0 0 4
5 2 0 0 0 0 2 0 × 9

日大三

 

高川学園   木下→松本

日大三    近藤

打線充実の両チームの対戦は、日大三打線が相手のミスにも付けこみ、序盤から大量点を奪う展開に。エース近藤が粘りの投球で高川学園の反撃を振り切り、ベスト8一番乗りを果たした。

試合

日大三は近藤、高川学園は木下と、ともに初戦と同じく右腕エースの先発となった。

1回表、日大三の近藤はいきなり1番若藤に内野安打を打たれると、2番矢渡はエンドランを敢行し、ランナーを2塁へ進める。立ち上がりから機動力を駆使してくる高川学園。続く3番衛藤が高めの変化球をとらえてレフトへのヒットとすると、1アウト1,3塁から4番遠矢も高めの抜け球をとらえてセンターへタイムリー!初回、ややボールが高く入るところを高川学園打線が逃さない。

その裏、高川学園の先発は2年生の右腕・木下。ストレートには非常に伸びがあるが、初戦はややボールが高く浮く傾向があった。その立ち上がり、いきなり1番松永にアウトコースのストレートをライト線にはじき返されると、俊足を飛ばして一気に3塁を奪う。2番本間はショートゴロに打ち取り、まずは1アウト。ところが、3番本間をピッチャーゴロに打ち取りながらも、飛び出した3塁ランナーを挟殺しきれず、野選で1アウト2,3塁と逆にピンチを広げることに。結果的に、これが日大三の強打を呼び起こすこととなった。

4番田中はショート深い位置へのゴロを放ち、まずは同点のランナーを3塁から迎え入れると、さらに2アウト3塁から5番蔦田がセンターへ勝ち越しのタイムリー!ここで終わらず、その後、6番竹中、7番安部がいずれも高めに浮いたボールをきっちり引っ張って、レフトオーバーの長打とし、4-1。さらに9番近藤にもタイムリーが飛び出したところで、高川学園サイドは早くも左腕・松本へのスイッチを余儀なくされる。ボールが高めに浮いた際の、全国区の強力打線の威力をまざまざと瀬つけられる結果となった。

2回に入っても、日大三の強打は収まる気配がない。2番手の左腕・松本はコントロールの安定している左腕だが、日大三の各打者が卓越した選球眼で低めをなかなか振ってくれない。2アウトランナーなしから4番田中が強烈なセンター返しで出塁すると、5番蔦田は第1打席に続いて初球打ちで、左中間へ2塁打を放つ。重厚な打線の日大三。続く6番竹中が右中間への2塁打を放って、2者を迎え入れ、7-1と大きくリードを広げる。2回までに8安打7得点。引っ張って良し、流して良しのポイントゲッターを6番に置けるのだから、強いわけである。

しかし、高川学園も攻撃力は決して引けを取らないチーム。この試合はややボールが高めに浮きがちな近藤から2番矢渡が詰まった当たりの内野安打を放つと、3番衛藤、4番遠矢が連続で初球打ち!江藤が変化球をとらえれば、遠矢は速球に的を絞って振りぬく。確かな読みと打撃技術で1点を返すと、さらに重盗を敢行!日大三守備陣に対して、完全に意表を突くと、5番山口の犠飛でさらに1点を返す。なおも2アウトから7番間地にタイムリーが飛び出し、この回計3得点。強豪を前にしても一歩も引かない姿勢を見せる。

差を縮めた高川学園だが、一度火のついた日大三打線を封じ込めるのは至難の業だ。リリーフしてから苦しい投球が続く松本は3回裏にも四死球にラッキーなポテンヒット、そしてお返しとばかりの日大三の重盗も決められ、満塁のピンチを招く。しかし、ここで日大三の打の象徴である4番田中を低めの変化球で空振り三振!これでようやく日大三打線のスコアボードに「0」をつけることに成功した。

序盤からの打撃戦が、一度落ち着くと「0」が続くのはよくあること。4回から日大三・近藤が低めの制球が定まり始めると、呼応するように高川学園の松本も日大三打線を抑え始める。4回裏には遠矢の好送球で盗塁を刺すなど、バックも堅守で松本を支えていく。緩急をつけながら、丁寧に丁寧にコースをついていき、根負けしない投球を見せた。7-4と日大三が3点リードで試合は後半戦へ。

高川学園は7回表に反撃のチャンス。先頭の1番若藤が内野安打で出塁すると、2アウト後に4番遠矢がインコース寄りのスライダーを素直にセンターに返す。遠矢はこの日も3打数3安打と長打力も確実性もある、素晴らしい打者だ。しかし、ここでも近藤の粘りは崩れず、5番山口はファーストゴロで無得点。エンドランのサインが出ており、ベンチからもなんとか日大三バッテリーを崩そうという意図が見えたが、本当に打たれ強いピッチングであった。

すると、7回裏、再び日大三打線が2アウトから繋がる。高川学園バッテリーが後半から軸に据えていた緩い変化球をとらえ始め、9番近藤・1番松永が連打。ランナーがたまったところで2番松岡が甘く入ったボールを逃さず、レフト線へ引っ張り、2者を迎え入れて大勢は決した。

近藤は10安打を浴びながらも、要所を締める投球で8回、9回はヒットは許さず。最後までエースが仁王立ちした日大三が快勝し、7年ぶりとなる8強進出を決めた。

まとめ

日大三は、相手のミスが出たところで畳みかけるように連打を浴びせ、9-4と日大三らしいスコアでの勝利を収めた。初戦は豊橋中央の好投手・高橋に4安打3点に封じられたが、やはりボールが甘くなると立て続けに長打にするあたり、打撃の三高たるゆえんを示してくれた。また、後半に入っても相手の決め球に狙いを絞って最後まで攻め抜く姿勢を見せ、改めてスキのないチームであることを示してくれた。

一方、エースの近藤は初戦と比べるとやや苦しい内容になったが、初戦と同様の粘り強さ・打たれ強さは示した。こちらも序盤はボールが高かったのだが、試合の中で修正し、傷口を最小限にとどめるところが強豪校のエースであることを証明していた。投打ががっちりかみ合っての8強進出。まだ、先ではあるものの、3度目の夏全国制覇への道が少しずつ開けてきたやもしれない。

一方、高川学園も序盤に日大三の猛打を浴びながら、機動力を絡めた野球で追い上げたところは、県予選を勝ち上がってきた強者であることを示すものであった。2番手の左腕・松本も中盤からはよく粘っていただけに、やはり惜しまれるのは初回の挟殺プレーか。たった一つのプレーから一気に流れを強奪される怖さを2年生エースの木下は身をもって体験したことだろう。同校初のベスト16と新しい歴史を作った夏。1番若藤、3番衛藤ら主力の残る来年はさらにその上を目指すこととなる。

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