2025年選手権3回戦 東洋大姫路vs西日本短大付(12日目第3試合)

2025年

大会12日目第3試合

東洋大姫路

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 2 0 0 0 0 3
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

西日本短大付

 

東洋大姫路   森→木下

西日本短大付  原→中野

選手権の優勝経験のあるチーム同士のハイレベルな攻防となった第3試合は、東洋大姫路が中盤に西短投手陣を攻略。リリーフした木下が反撃を抑え、僅差の勝負を制してベスト8進出を決めた。

試合

東洋大姫路は過去2戦先発したエース木下ではなく、右腕・を先発に指名。一方、西日本短大付は2回戦に続いて左腕・をマウンドに送った。

西日本短大付のは聖隷クリストファー戦で8回1失点の好投を見せたが、この日も抜群のコントロールを武器に、左の強打者の並ぶ東洋大姫路打線を抑えていく。2回戦の花巻東戦で同じような技巧派左腕・萬谷を姫路打線は攻略していたが、この日のはその上を行く制球力で各打者に手を出させない。コーナーいっぱいに決まるため、手を出しようにも出せないケースが続き、序盤3回を淡々と打ち取っていった。

これに対し、東洋大姫路の右腕・は角度のある速球を武器とする右腕。1,2回とヒットを許しながらも、捕手・桑原の盗塁阻止などでピンチを切り抜ける。しかし、経験豊富な西短野手陣は、早くも打者2巡目でとらえにかかった。

3回裏、先頭で9番がうまい流し打ちを見せ、レフトへのヒットで出塁。犠打で二進すると、2アウト後に3番斉藤が甘く入ったスライダーをセンターに綺麗にはじき返す。サードコーチャーがSTOPの指示を出し、2アウト1,3塁とするが、西短の怖い中軸打者が続く。前の試合で決勝打の4番佐藤は緩いボールをこれまたしっかり呼び込んでセンターへ返し、西短が先取点!ここで岡田監督は早くもをあきらめ、エース木下をマウンドへ送る。

姫路としては予想より早いタイミングの継投だったか。木下は慎重な配球で続くピンチを抑えようとするが、5番安田は変化球を巧みな流し打ちでレフト前へ打ち返す。レフトのバックホームも間に合わず、セカンドランナーの斉藤がホームをかけ抜け、2点目を奪取。選抜大会でランニングホームランも放っている勝負強い5番が、ここでも大きな仕事をやってのける。

2点のビハインドを背負った東洋大姫路。相手は好左腕のであり、苦しい展開である。しかし、ここからが強力打線の腕の見せ所でもあった。

直後の4回表、2番木本が珍しく中に入ってきたスライダーを逃さずライト前へ運ぶ。ここはもちろん犠打で二塁へ。4番白鳥は打ち取られて2アウトとなるも、5番高田木本と同じようなコースのスライダーをセンターに返し、1.3塁とチャンスを拡大する。ここで2回戦から打順を上げた6番見村は初球を積極的に打ちに行き、セカンドを強襲するタイムリー内野安打!この回からの制球がやや甘くなったところを逃さずとらえ、1点を返すことに成功する。

その裏、リリーフした木下には珍しく2つの四球を出す。ともに際どいコースを突いたゆえのものであり、制球を乱したわけではないが、強豪校同士の一戦でもう1点も与えられない緊張感が少し手元を狂わせたか。それでも後続の1番、2番井上をともに外野フライに打ち取り、得点は与えない。強打者のインコースを果敢に攻めていく姿勢が功を奏した。

すると、エースの作った流れに打線がさらに応える。先頭の8番鈴木がアウトコースの速球をセンターにはじき返すと、ここも犠打で2塁へ。続く1番主将の渡辺拓もストレートをセンターに打ち返し、1,3塁とチャンスを広げる。好投手を相手の徹底したセンター返し。名将・岡田監督の鍛え上げた打力が真価を発揮していく。2番木本はスクイズを試みるも、ここは好捕手・山下のかけるプレッシャーの前に決まらず、三振で2アウト。しかし、続く3番高畑がフルカウントからアウトコース高めの変化球を呼び込んで、レフトへタイムリーとし、ついに同点に追いつく。

この打席、山下は内外に慎重に配球し、もそれにこたえていたが、高畑のヘッドスピードがぎりぎりまでボールを引き付けられる速さがあったこと、そして、外角へ来ることを読んで目附ができていたことが、殊勲打につながった。ここまで大会でなかなか調子が上がらなかった3番打者にヒットが出たことは岡田監督にとっても嬉しい結果だっただろう。

ここで西短は、先発・をあきらめ、エース中野をマウンドへ。タイプとしては右スリークオーター気味の中野は左打者に相性があまりよくはなさそうだったが、展開からみてそうも言っていられない。個々は迷わず投入して流れを変えに行った。しかし、続く打者は最も当たっている4番白鳥。カウント0-1からやや甘く入った変化球を逃さずセンターへ打ち返すと、これをセンターが少しはじいてしまう。2塁ランナーが迷わずホームを突き、姫路がついに逆転!中盤で試合をひっくり返した。

この試合初めてリードをした東洋大姫路。直後の守りの大事さをエース木下は最もわかっていた。中軸の3人に回る5回裏、圧巻の投球を見せる。3番斉藤は粘られながら145キロの高め速球で空振り三振に取ると、4番佐藤はアウトローいっぱいの速球で空振り三振。相手4番に対し、意地を見せつけるようなピッチングで球場を沸かせる。さらに、5番安田はカウント2-1と追い込むと、最後は低めの変化球を振らせ、なんと3者連続三振!西短の打の象徴である3人をすべて三振に切って取り、相手の追撃ムードを起こさせないような素晴らしいピッチングを見せた。

ただ、勝ち越した東洋大姫路ではあったが、6回以降やや攻撃がちぐはぐになる。6回は攻撃の肝である犠打を失敗し、併殺。7回はランナー1塁で3番高畑に打たせるが、これも併殺となかなか繋がっていかない。西短のエース中野も我慢強い投球でランナーを出しながらもしのぎ、味方の反撃をじっと待っていく。

すると、7回裏、西短に最大のchanceが訪れる。

1アウトから2番井上がサードを強襲するあたり(記録は失策)で出塁すると、3番斉藤は低めの速球をうまくすくいあげ、ライトへのヒットで繋ぐ。1塁ランナーはあるいは3塁を狙うかとも思われたが、ここは自重。頼みの4番佐藤、5番安田に繋ぐ。しかし、ここでも木下の生命線であるコントロールが強打者を凌駕していく。まず4番佐藤に対し、緩急を駆使し、インサイドも打たせながら、最後は低めのナックルカーブで空振り三振。さらに5番安田に対してはインコースの速球を2球連続で続け、見送り三振と2者連続三振でピンチを脱して見せた。まさにエースの魂のこもった投球であった。

試合は終盤8回、9回へ。西短の中野も8回表には6番見村にあわやホームランかというフェンス直撃の2塁打を浴び、暴投で3塁まで進まれるが、後続を打ち取り、土俵際で得点を与えない。シャープに振ってくる姫路打線に対し、この日はインサイドもうまく使いながら打たせて取っていった。

ただ、この日の後半戦の主役はやはり木下だった。6回3分の1を投げ、8三振を奪う熱投。うち5つを西短のクリーンアップから奪い、相手の「軸」を沈黙させることに成功した。最終回も一人ランナーは出したものの、最後は3番斉藤をインローの真っすぐでフライに打ち取って試合終了!強豪校同士の熱戦を制した東洋大姫路が、前回出場時に続いてベスト8進出をきめたのだった。

まとめ

東洋大姫路としては、先発のに少しでも長いイニングを投げてほしかったが、やはり西短の強力打線がそれを許さなかった。その流れの中で、岡田監督木下への継投を躊躇しなかったことが、傷口を最小限にとどめた要因だろう。その木下は低めいっぱいに突き刺さる速球がこの日も健在。最終回を迎えても143キロを計測し、余力を持って最後まで抑えきった。この先を見据えても、今日の投手起用は収穫と言えるだろう。

また、打線は打者一巡目は完ぺきに封じられたものの、二巡目でを攻略。ボールが少し甘くなったところを逃さず畳みかけた打棒は、さすが姫路と思わせるものだった。不調だった3番高畑にも貴重なタイムリーが飛び出し、役者がそろってきた感のある東洋大姫路。次戦は、再び九州勢の沖縄尚学が相手である。2008年選抜準決勝のリベンジマッチへ、ナインはまた一丸となって向かっていきそうだ。

一方、西日本短大付も、中野という左右の両輪に強力打線、そして屈指の好捕手・山下と優勝を狙う力があっただけに、惜しまれる3回戦敗退であった。守備は無失策で有り、攻撃でも目立ったミスはなかったが、最後は相手エースの抜群のコントロールとバッテリーの揺さぶりの前に、自慢の中軸が抑え込まれてしまった。そういう意味では完敗なのかもしれないが、総合力では決して劣っていなかったのは誰の目にも明らかだろう。3季連続で甲子園2勝を上げ、力強い戦いを見せたナインに球場から温かい拍手が贈られたのだった。

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