大会7日目第3試合
東大阪大柏原
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | × | 3 |
尽誠学園
東大阪大柏原 川崎→古川→内畑谷
尽誠学園 広瀬

両先発の好投で投手戦となった試合は、尽誠学園のエースで4番の広瀬が自らタイムリーを放ち、試合をリード。投打の中心がきっちり仕事を果たした尽誠学園が8強入りした2002年以来、実に23年ぶりの甲子園1勝を手にした。
試合
尽誠学園は投打の中心のエース広瀬が先発。一方、東大阪大柏原は多彩な投手陣を擁する中で、こちらもエースナンバーを背負う川崎をマウンドに送った。ただ、柏原は予選で4番捕手だった竹本が練習中のアクシデントで打球を手に受けて負傷しており、この試合は8番で先発。攻守の要の状態が不安視された。
尽誠学園のエース広瀬は県大会で高松商の強力打線を完封した実力者。1回表、1番山下に二遊間深い位置へ鋭くはじき返されるが、セカンド奥が好ポジショニングで打球を処理。この回の打球はすべて奥のところに飛び、粘っこい柏原の攻撃を3人で退ける。広瀬はボールに非常に力があり、コントロールも安定した立ち上がりを見せた。
これに対し、柏原の右腕・川崎もやや変則的な腕の振り出しから手元で微妙に動くキレのあるボールで打たせて取っていく。注目の1番金丸、2番木下を内野ゴロに打ち取り、まずは2アウト。しかし、3番生田に死球を与えると、4番広瀬には高めに浮いたボールをとらえられ、ライト後方への大飛球を打たれる。が、ここは甲子園特有の浜風に助けられてライトフライ。こちらも無失点でスタートを切る。
立ち上がりを順調にスタートした広瀬は、2回以降も快調なピッチングを展開。130キロ台ながら球威のある速球を前に、大坂桐蔭の速球派右腕を攻略した柏原打線が沈黙する。縦に割れるカーブでタイミングを外し、3回まで一人のランナーも許さないパーフェクトピッチングを展開。試合を支配していく。
一方、柏原の川崎も持ち味を発揮し、2回には5番鎌田、7番広橋にヒットを浴びるも、負傷した竹本の気迫の守備もあり、後続を内野ゴロで打たせて取って無失点。捉えたと思ったあたりでも微妙に芯を外しており、尽誠の各打者がどこかとらえきれていない思いで打席を後にしている感があった。
0-0のまま試合は中盤戦へ。ところが、手を負傷している竹本が5回に入ってついに痛みで捕球が不可能となる。大阪大会を勝ち上がる原動力となった攻守の軸が離脱。チームにとっては、二重三重の痛手であった。
すると、5回裏、尽誠学園が一気に柏原に襲い掛かる。相手が弱みを見せたところで襲い掛かるのは勝負の鉄則。しかも、2アウトランナーなしからであった。9番奥がアウトコースに来たスライダーを狙い打ち。打球はセンター深い位置への打球になると、奥は好走塁で一気に2塁を奪う。これが功を奏し、好打者の1番金丸は申告敬遠に。ランナーをためたところで、2番木下は真ん中高めのボールを詰まりながらもレフトに落とし、尽誠学園が貴重な先制点を手にする。
ここで柏原の土井監督は思い切ってファーストを守っていた古川をマウンドへ。最速140キロ近い速球で押す本格派だ。しかし、3番生田には四球を与えて満塁となり、打席には最もチャンスで迎えたくなかった4番広瀬。古川は低めを丹念についていくが、やや真ん中寄りに入ってしまったボールをこれも流し打ちでレフト前へのタイムリーとし、この回計3点を上げる。尽誠学園の各打者は柏原投手陣の力のあるボールに対し、力任せに引っ張らずに流す打撃が光った。
一方、攻守の軸の竹本が抜けたタイミングで3点を失ってしまった柏原。4回に初ヒットが飛び出したものの、5回を終わってわずか2安打と広瀬の投球に苦しむ。130キロ台ながら球威十分の速球、切れ味十分のスライダー、タイミングを外すカーブといずれもカウント球にも決め球にも使えるため、的を絞り切れない。6回表にも先頭の9番上田が内野安打で出塁し、盗塁で2塁へ進むが、広瀬の抜群のコントロールの前に対応できず、得点を上げることができない。
それでも、ビハインドの状況でディフェンスでは必死に耐えた。竹本に代わって出た武田が奮闘し、同じく2番手で出た古川も6回、7回と無失点で踏ん張る。その古川の踏ん張りに応え、8回表には7番広浜がストレートを巧みな流し打ちでレフトへ運ぶと、1アウトからエンドランを敢行。9番上田が広瀬のグラブをはじく内野安打を放ち、チャンスを拡大する。打順の巡りを見ても、ここで1点でも返したい場面。しかし、1番山下、代打・大峠とともに広瀬の球威に封じ込められ、得点はならず。中軸まで繋ぐことはできなかった。
結局、広瀬は柏原打線を6安打無四死球と理想的な投球で完封。最終回も先頭の3番藤原にヒットは許したものの、ライト金丸のスーパーキャッチも飛び出し、上位打線を封じ込めることに成功した。椎江監督時代に黄金時代を築いていた時期の2002年夏以来となる甲子園1勝をエースの投打にわたる活躍で手にし、3回戦進出を決めた。
まとめ
尽誠学園はエースで4番で主将とチームの要である広瀬が千両役者の活躍を見せ、初戦を突破。広瀬はスピードこそ130キロ台だったが、相手打者のバットを詰まらせる球威があり、カーブ、スライダーの制球も抜群。140キロ台の速球や手元で動く変化球が全盛の時代に、どこか昭和を思い起こさせるようなオールドスタイルの投球で最高の結果を残した。
また、打っても唯一の得点となった5回に貴重な2点タイムリー。多彩な投手陣を擁する柏原を相手に、試合運びをぐっと楽にする一打を放った。投げて打って、二刀流の活躍を見せた尽誠のエース。今大会の主役になれるか。
一方、柏原としては大阪大会を全員の力を結集して勝ち抜いてきただけに、攻守の要の竹本を欠いてしまったことは、非常に痛かった。打線は広瀬の前になかなか粘っていったが、長打はなしでの6安打のみ。四死球も失策もなかったため、本当につけ入るスキがなかった。守ろは3失点だけだたっため、十分合格点だったが、やはり全国の舞台では好投手を打てないと勝てないということだろう。
大阪勢の春夏通じての未勝利は実に45年ぶりの出来事だったが、この夏の貴重な経験を活かして柏原がグレードアップすれば、大坂桐蔭と履正社の2強構成だった大阪に新たな風が吹くやもしれない。
【高校野球 甲子園】 尽誠学園vs東大阪大柏原 主将・エースで4番!攻守の要が魅せた! 【全国高等学校野球選手権大会 2回戦 全打席ハイライト】 2025甲子園 8.12


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