2025年選手権準々決勝予想 横浜vs県岐阜商

2025年

2025年選手権準々決勝

横浜vs県岐阜商

52%   48%

〇5-0  敦賀気比   〇6-3  日大山形

〇5-1  綾羽     〇4-3  東海大熊本星翔

〇5-0  津田学園   〇3-1  明豊

1978年の選手権3回戦以来となる両校の激突。県内No.1とも言える伝統と歴史をもつチーム同士がベスト4をかけてぶつかる。

 

県岐阜商は3回戦は理想的な試合運びで明豊を退けることに成功。エース柴田を温存し、左腕投手二人で繋ぎながら、打線が先制点を奪って優位に試合を進めた。疲労のたまっていたという柴田は短いイニングだったため、後半は角度も伸びもある速球がよみがえったような感覚があった。本調子ならば、横浜打線相手でも通用する実力はもっていると見る。すべての球種を使いながら、要所を抑える投球で1試合5点を取ってきている横浜打線を3点以内に抑えられればBESTだろう。

対する横浜打線は、キーマンの阿部が3回戦で3安打と復調したのが大きい。持ち味の広角に打ち分ける打撃ができており、ここから大会後半にかけて波に乗っていきたいところだ。1,2回戦は複数の投手リレーの前に攻撃を分断されることがあったが、3回戦は津田学園・桑山を先制・中押し・ダメ押しと理想的な攻め方で攻略した。やはり、野球脳が高いだけあって、この打線は後半になるほど勝負強い。3回戦に続き、準々決勝でも東海屈指の好投手が相手になるが、これまで通り5点以上を取る攻撃を目指していきたい。

 

一方、横浜投手陣も2年生エース織田が2完封と結果を残しているが、少し織田頼みになってきている感は否めない。その織田が150キロ台をマークする速球と落ちる変化球で安定感がぐんぐん増しているため、なかなか村田監督も他の投手の起用に二の足を踏んでしまうのかもしれない。ただ、ここから日程が詰まっていく中で残り3試合をすべて織田というわけにもいかない。やはり最後にカギを握るのは春までエース格だった左腕・奥村頼の出来か。ストレートの質では織田以上のものを持っており、最後にエースが輝くという最高の結末を迎えるためにも、この試合での起用はあるかもしれない。

対する県岐阜商打線は、3回戦こそ3得点に終わったものの、上位から下位まで非常に振れており、打線は好調だ。2番稲熊、3番内山の上位陣、コンタクトのうまい7番横山のいる下位陣と打線の中で2つの山を作れているのが強みだろう。特に横山は左手のハンデで有名になってはいるが、そんなことを度外視しても相手にとって7番にいるのが怖い実力者だろう。1,2回戦を見た限り、相手の緩い変化球を攻略するのがうまく、試合の中での対応力が高い。織田が先発した場合、スプリットやチェンジアップの狙いを定めて打っていくのも面白いかもしれない。いずれにせよチャンスの数はそう多くはないので、来たものはすべてものにするくらいの覚悟でいきたいところだ。

 

思えば、県岐阜商がベスト8入りした2009年も準々決勝で東の横綱と言われた帝京を倒して4強入りを掴んでいる。この試合でもその再現がなるか。横浜としては、前回対戦のリベンジを果たし、また一歩春夏連覇に近づいていきたいところだ。

主なOB

横浜…松坂大輔(西武)、成瀬善久(ロッテ)、涌井秀章(中日)、筒香嘉智(横浜)、近藤健介(ソフトバンク)

県岐阜商…石原慶幸(広島)、三上朋也(DeNA)、高橋純平(ソフトバンク)、高木翔斗(広島)、佐々木泰(広島)

 

神奈川  岐阜

春  4勝  0勝

夏  3勝  2勝

対戦成績は春夏ともに神奈川勢がリードしている。

2006年の選抜準決勝では横浜と岐阜城北が対戦。岐阜城北の左腕・尾藤(巨人)は、ここまで3試合で8失点ながら失点したイニングは僅か3つしかなく、左打者のアウトコース、右打者のインコースへ決まるスライダーはなかなかバットが止まらないボールであった。しかし、この決め球を強打の横浜打線は徹底的に見極める。そして、甘く入ってきたカウント球は積極的に痛打し、尾藤を中盤でKOし、12-4と大勝。後にスタメンのうち4人がプロ入り(高浜、福田、佐藤、下水流)した打線は、長打力だけでなく、選球眼もまた素晴らしかった。この大会で3度目の選抜制覇を飾っている。

一方、1978年夏は3回戦で今回の対戦カードである横浜vs県岐阜商が実現。当時まだ1年生だった1番打者の安西と左腕・愛甲(ロッテ)を擁する横浜は若いチームだった。しかし、相手の県岐阜商は2回戦で木暮・阿久沢と投打の両輪を擁し、優勝候補筆頭だった桐生に競り勝ったチーム。老獪さで一枚上であり、好投手・野村の2試合連続の完封勝利で3-0と県岐阜商に軍配が上がった。この2年後に主将・安西、エース愛甲の活躍で、横浜は選手権初優勝を果たすこととなる。

今回も神奈川勢の強さが勝るか、それとも岐阜勢が食らいつくか、注目の準々決勝第3戦、待ったなし。

思い出名勝負

2019年夏3回戦

中京学院大中京

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 0 0 0 7 0 1 9
0 0 1 0 0 2 1 0 0 4

東海大相模

 

中京学院大中京  不後→村田→元→不後→赤塚

東海大相模    石田→諸隈→紫藤→野口→遠藤

2019年のベスト8入り2校目を決める試合は、ともに複数の投手と強力打線を擁する似たようなチーム同士の激突となった。

中京学院大中京は初戦で北照のエース桃枝は7回裏の集中打で一気に攻略。得点の入ったイニングはこの回だけだったが、1イニングで勝負を決めて見せた。また、投げてはエース左腕の不後から赤塚、元と速球派右腕への継投で北照の反撃を断ち切り、1点差での勝利。好捕手・藤田(阪神)を中心にディフェンス面の堅さも見せ、3回戦へ進んできた。

対する東海大相模は初戦で機動力を絡めて近江の好左腕・林から6安打6得点。近江守備陣に6失策が飛び出したが、東海大相模の走塁にプレッシャーが誘発したものと言えた。投げては遠藤(阪神)が巧打者の揃う近江打線を7回まで無失点に抑える好投を披露。その後も継投で相手の反撃をしのいだ。この試合も持ち味の強打で奪ったリードを継投で守り切りたいところだ。

 

中京はエース不後を、相模は1年生左腕の石田をマウンドに送る。異なるスタイルではあるが、それぞれ攻撃力に自信を持つチーム同士であり、先発がどこまで最少失点で踏ん張っていけるかがカギであった。

先手を取ったのは中京。2回表、4番藤田(阪神)がセンターへのヒットで出塁すると、続く1年生の5番小田には強攻策で左中間へ2塁打を放つ。立ち上がりから双方とも犠打を使わずに強気の攻めを見せ合う。6番不後は死球で満塁となると、2アウト後に9番二村のタイムリーで1点を先制する。

一方、東海屈指の左腕・不後を相手に相模がどう攻め崩していくか注目されたが、3回裏に相模が同点に追いつく。死球の鵜沼を内野ゴロで2塁へ進めると、3番井上が甘く入ったスライダーをきっちりレフトへ運び、試合はタイスコアに。序盤は両者一歩も引かない展開となる。

その後は両投手がピンチを招きながらも踏ん張る。特に石田はいつ崩れてもおかしくない印象の投球だったが、中京のまずい走塁にも助けられて5回まで1失点で先発の役割を果たす。2011年の選抜でも感じたが、東海大相模は注目度は高くなくても、確実に試合を作れる左腕を擁してくる。

東海大相模は6回表に2番手の左腕・諸隈が満塁のピンチを招きながらも無失点で踏ん張ると、その裏に女房役が援護点をもたらす。先頭の3番井上が不後の甘いスライダーを再びとらえると、今度は左中間スタンドへ飛び込むホームランとなって1点を勝ち越し。さらにヒットのランナーを2塁において、7番西川のセカンドゴロが悪送球を誘い、この回2点のリードを奪う。

投手陣が踏ん張って試合を作り、走塁も絡めたプレッシャーで相手のミスを誘発して得点を重ねる。ここまでは確かにいつもの相模のペースだったのだが…

7回表、中京が得意の終盤に猛攻をしかける。9番二村がアウトコースのボールをしっかり引き付けてレフトへ流し打つと、1番高畠も流し打ちで続いてレフトへの2塁打を放つ。ここにきて各打者がしっかり自分のポイントまで引き付け始める。続く2番申原はさきほどの悪送球の汚名返上とばかりにこれまたレフトへ流し打ち。左打者が3者連続の逆方向への打撃で活路を見出し、1点を返す。

相模は中軸に右打者が続く場面ですかさず右サイドの紫藤を送る。3番元は打ち取られるが、続く4番主将の藤田がアウトコース高めのスライダーにうまく合わせて中京が同点に追いつく。ファウルで粘って粘ってもぎ取った会心の一打であった。勢いに乗る中京は続く5番小田がライトへタイムリーを放ってついに逆転する。

さらに相模は左腕・野口を3番手に送るが、送球ミスで1点を追加されると、6番不後、7番井上の連打で作ったチャンスに9番二村がこのイニング2本目のタイムリーを放ち、この回だけで一気に7点を奪取する。豊富な投手陣を擁する東海大相模だったが、繰り出す投手をことごとく攻略されてしまった。中京の打撃をほめるしかないという印象のイニングだった。

ビハインドを負った相模はその裏、3番手の元から2四球を選ぶと、3番井上にこの日3本目のヒットとなるタイムリーと放って1点を返す。しかし、さらに満塁の場面で続く5番金城の当たりは風に乗り切らずにレフトフライ。あと一本を許すことなく、不後が踏ん張った。

中京は9回にも赤塚のタイムリーで1点を追加すると、終盤2イニングをその赤塚がストレート主体の投球で抑えきって、9-4と快勝。中京らしさ全開の野球で格上と目された東海大相模を大差で退け、44年ぶりの8強進出を果たした。

 

中京学院大中京としてはミスは出たものの、V候補相手に終盤勝負に持ち込んでの逆転劇はまさに狙い通りだっただろう。7回は相模が目まぐるしく投手を変えたが、センターから逆方向への打撃で一気に攻略して見せた。守っても東海大相模の強打と足技にさらされながらも、捕手・藤田を中心に落ち着いてしのぎ切った。

姉妹校の中京大中京と比較すると、甲子園でなかなか勝ち上がり切れない年が続いたが、その呪縛を吹き払う痛快な勝利であった。

 

一方、東海大相模としては相手の狙っていたビッグイニングを許してしまったことがなんとも痛かった。継投でなんとかかわそうという意図は垣間見えたが、下級生主体のチームであり、どこかバタバタしてしまった印象はぬぐえなかった。こういう場面で絶対的エースや守りの支柱となる存在がいればまた違ったのかもしれないが…。攻撃陣も10安打で4得点したが、中京の継投の前にもう一つ攻めきれなかったか。

攻撃型のチームにありがちなもろさが見られての逆転負けに、東海大相模というチームの課題も見えた試合となった。

≪選手権≫甲子園(2019) 3回戦 東海大相模-中京学院大中京

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