明徳義塾 大原悠平
大会4日目第4試合
2003年夏1回戦
横浜商大
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | × | 4 |
明徳義塾
横浜商大 給前
明徳義塾 湯浅→鶴川
試合前予想
2002年夏に主将・森岡(ヤクルト)を中心に悲願の全国制覇を達成した明徳義塾。名将・馬淵監督を中心に毎年のように全国の舞台へ進んでいた常連校は、最盛期を迎えていた。翌2003年度のチームは、一つ上の代からメンバーは大きく入れ替わったが、チーム力は相変わらず全国トップクラスを維持。夏春連覇を狙った選抜では横浜との延長12回の死闘に敗れたが、夏は高知商などライバル校のマークをものともせず、安定感ある野球で6年連続の選手権出場を決めた。
2年生エース鶴川、サイド右腕・湯浅の2枚看板を擁する投手力は安定感があり、打線は主将・沖田、主砲・山口という前年の優勝を知る主軸の周りを、同じく1年生で優勝を経験した3番梅田をはじめとして、松原、田辺、久保田といった才能豊かな2年生が固める。特に、選抜の横浜戦で怪我のため出場できなかった沖田は、並々ならぬ思いで最後の夏へ向かっていた。
その明徳義塾の初戦の相手は、奇しくも選抜で敗れた横浜を神奈川大会決勝で倒した横浜商大であった。成瀬(ロッテ)、涌井(西武)と全国屈指の左右2枚看板を擁する横綱に対し、4番エースの給前が大活躍。自ら先制打と勝ち越しタイムリーを放ち、強力打線を2点に抑える活躍で、10年ぶりの出場を果たした。当時の横浜は小倉コーチのもとで相手選手の傾向を徹底的に分析して試合に挑んでいたが、そんなマークを力でねじ伏せた給前のプレーぶりは、当時の横浜の強さを知るものであれば、容易に想像がつくだろう。夏連覇を狙う明徳にとって、いきなり難敵が待ち受けることとなった。
展開
試合は、明徳・湯浅、横浜商大・給前の両先発の好投で、両チーム無得点のまま前半戦を終了。だが、湯浅が2回から毎回ヒットを浴びていたのに対し、給前は四死球のランナーこそ出したものの、5回まで明徳打線にヒットを許さない完ぺきな投球を展開する。特に、3回から5回までは一人のランナーも許さず、横浜商大が押し気味の状況となる。前年王者の明徳に横浜商大が挑むという構図は、完全に覆されていた。
しかし、グランド整備を終えて迎えて後半戦、6回裏に明徳はついに3番梅田の初ヒットが飛び出し、上位打線で1アウト満塁のチャンスを築く。一打先制の場面を迎えるが、ここで給前にさらにスイッチが入る。5番伊藤をアウトコース低めの速球で見逃し三振に切って取ると、6番久保田もインコース低めいっぱいの速球で2者連続の見逃し三振に!エースが完ぺきな投球でピンチを切り抜けると、直後の7回表、6番菊地の3塁打と7番武田の犠飛でついに先取点を奪う。
初戦の連勝記録を続けてきた明徳がついに止められてしまうのか。そんな期待と不安が入り混じる中、7回裏の攻防へ突入した。
そして、代打へ
この回、先頭で打席に入ったのは7番田辺真。昨年の優勝投手の田辺佑の弟にあたり、投手陣をリードする捕手として奮闘してきた。終盤に入り、疲れが見えてきた給前のボールをとらえると、打球は右中間を深々と破る3塁打に。持ち味の長打力を発揮し、ビッグチャンスを迎える。
ここで、馬淵監督は先発・湯浅に代えて代打・大原を起用する。試合前、横浜商大バッテリーは、明徳打線を徹底的に研究。選抜大会をはじめとして露出の多かった明徳野手陣の特徴をつかんで試合に臨んでいた。しかし、さすがに代打で出てくるメンバーの特徴までつかむのは難しい。大原が高めに浮いた速球をとらえた打球は、レフトへ弾むタイムリーとなり、同点!なかなか崩せなかった給前の牙城を途中出場の選手がついに崩したのだった。
その後、明徳義塾は3番梅田のタイムリーでさらに2点を勝ち越し、8回裏には田辺真が追加点となるホームランを放って4得点。選抜で敗れた神奈川県勢に見事にリベンジを果たした。この年は、続く2回戦で平安との接戦に敗れ、夏連覇はならなかったが、1回戦で見せた戦いぶりは、前年王者としての強さを十二分に証明するものであった。

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