榊原諒(中京→オリックス)
2年夏、3年春と中京(現中京学院大中京)を甲子園に導いたエース。切れ味抜群のスライダーを武器に、特に右打者から三振を量産した。2年夏は2戦目で広陵・中東に3ランを浴びるなど7失点で大敗したが、新チームでは押しも押されぬエースに成長。秋の神宮大会では荒波(横浜)、成瀬(ロッテ)らを擁した横浜に3-1と快勝し、その後もダルビッシュ擁する東北や九州王者の延岡学園を下して見事神宮王者に輝いた。
しかし、選抜では初戦で神宮決勝の再戦となった延岡学園を下すも、続く3回戦で近畿王者の平安の惜敗。序盤2点のリードを奪ったが、中盤のワンチャンスで逆転タイムリーを喫し、打線も平安・服部の巧みな投球の前に、2得点に終わった。城所(ソフトバンク)、中川(中日)ら好打者も擁しており、岐阜県勢として久々の大型チームだっただけに惜しまれる敗戦だった。
72元新人王 榊原諒・野球を諦めない男の生き様 – YouTube
尾藤竜平(岐阜城北→巨人)
1983年夏以来春夏ともに甲子園ベスト8から遠ざかっていた岐阜県勢。その復活の第一歩を記したのが、2006年の岐阜城北のエース左腕・尾藤(巨人)だった。右打者のひざ元、左打者の外へ逃げる伝家の宝刀・スライダーを武器に、初戦で1安打完投でサヨナラ勝ちをつかむと、2回戦はV候補の智辯和歌山と激突した。
橋本(阪神)、広井、松隈らパワーヒッターぞろいの強力打線を相手に3回に集中打で6点を失うも、直後に味方打線が奮起して同点に。4回には自ら勝ち越し2ランを放つなど、千両役者の活躍で強豪を撃破した。その後、準々決勝では神港学園を完封して4強まで進出。準決勝では疲れから優勝した横浜につかまったが、清峰・有迫と並ぶ、この大会屈指の実力派左腕であった。
岐阜城北vs智辯和歌山 2006年選抜 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
森田貴之(大垣日大)
希望枠ながら初出場で決勝まで進出した大垣日大の立役者。伸びのある真っすぐと必殺のスライダーを武器に、関西や帝京など強豪校をきりきり舞いさせた。箕浦との息の合ったコンビネーションは抜群であり、決勝では常葉菊川に敗れたものの、前年の選抜で4強入りした岐阜城北に続き、2年連続で岐阜県勢が上位進出。岐阜復活の流れを印象付けた。
投げるボールもさることながら、森田の長所はそのクレバーさ。前年秋の東海大会で常葉菊川と対戦し、試合中盤から打者が森田のスライダー対策として打席の立ち位置を後ろにしてスライダーを振らないことによって調子を狂わせた。迎えた選抜では打者をよく観察し、スライダーを振らないと見るやカウント球に変えるなど、しっかりと成長した姿を印象付けた。夏はストレートのMAXも146キロをマーク。準々決勝で三度常葉菊川に敗れたが、2007年を代表する好投手であった。
第89回全国高校野球選手権大会 2回戦 大垣日大 対 創価 2/2 – YouTube
山田智弘(県岐阜商)
県立岐阜商を久々の甲子園4強に導いたタフネス右腕。がっしりとした体格から140キロ台の速球とスライダーを投じる本格派であり、初戦の山梨学院大付戦は自らのホームランなどで大勝を飾ると、3回戦ではV候補のPL学園を相手にまたしても自らホームランを放つ活躍で3失点完投勝利を挙げた。
準々決勝ではこれまた優勝候補の帝京を相手に我慢強い投球で3失点完投勝ち。東西の優勝候補を相手に強気の投球を投球を続け、試合の流れの中で冷静に配球を変えていくクレバーさも光った。全国制覇4回の実績を誇る伝統校が高らかに復活を遂げた夏であった。
葛西侑也(大垣日大)
全国的にも珍しい左サイドハンドのエースとしてチームを2度の選抜に導いた葛西侑也。1年秋の神宮大会ではその独特の球筋で相手校を翻弄し、大垣日大の初の全国タイトルとなる優勝をもたらした。出所の見えにくいフォームから繰り出す切れのあるボールは見た目以上に強豪校の打者を苦しめた。
2年選抜では初戦で21世紀枠の川島に苦しみながらも3-2でサヨナラ勝ちを収めると、2回戦では2年前の夏の優勝校・大阪桐蔭と激突。西田(阪神)、山足(オリックス)、江村(ロッテ)らのちにプロ入りする強打者を擁する打線を終盤の2得点のみに抑え、完投勝利を挙げた。同大会で4強入りを果たすと、翌年も東海大会を制覇して選抜に出場。2010年~2011年の2年間、高校球界の中心にいた実力派左腕だった。
激戦ブロック 2011年選抜 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【甲子園 名選手】大垣日大 葛西侑也投手 選抜ピッチング集 – YouTube
藤田凌司(県岐阜商)
親子鷹として2013年の選抜に挑んだ県岐阜商の左腕エース。前年夏は新潟明訓に力負けしたが、2年秋の東海大会を制し、堂々V候補の一角として乗り込んできた。初戦となった2回戦の相手は関東準Vの花咲徳栄。秋の埼玉県大会決勝ではのちに選抜優勝を果たす浦和学院を8-2と圧倒しており、若月(オリックス)、楠本(DeNA)らを中心に強力打線を形成していた。
しかし、試合は序盤から県岐阜商ペースで進み、藤田は若月に一発を浴びるなど8安打を許したものの、要所をしめて3失点で完投勝ち。カーブの制球力が素晴らしく、カウント球にも勝負球にも使えるため、投球の幅がぐっと広がった。続く3回戦でも3季連続優勝を狙う王者・大阪桐蔭を相手に5-4と辛勝。試合中に打球を足に受けながらも、痛みに耐えて投げ切った姿は紛れもなくエースそのものであった。
藤田凌司 県岐阜商 甲子園での投球・奪三振 – YouTube
高橋純平(県岐阜商→ソフトバンク)
噂の150キロ右腕として2015年の選抜で最も注目を浴びた剛腕。その実力はやはり伊達ではなく、しなやかなフォームから繰り出す150キロの速球を前に、相手校の各打者はほとんど手が出なかった。松商学園には1失点完投、近江には完封勝利を挙げたが、うなりを上げて伸びてくる速球に対してバットがボールの下を通る場面が多く散見された。
また、勝てる投手に備わっているオンオフの切り替えも素晴らしく、1試合を通して投げ切るクレバーさも備えていた。準々決勝で終盤に浦和学院の強力打線につかまったが、好投手が多く顔をそろえた2015年の選抜でもひときわ輝く存在感を放っていた。
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