【好投手列伝】沖縄県篇記憶に残る平成の名投手 2/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
神谷善治(沖縄水産)
平成2年に沖縄水産を沖縄勢初の決勝に導いたエース。右サイドから繰り出すシュートで右の強打者たちのインサイドをえぐり、強打の横浜商や勢いに乗る山陽を相手に完投勝利を飾った。決勝や天理・南(日本ハム)との投手戦で敗れたが、優勝した天理の大型打線をわずか1点に抑え、大会を通しても防御率は1.02と安定感抜群であった。
熱闘甲子園 1990年 準決勝 沖縄水産vs山陽 – YouTube
大野倫(沖縄水産→巨人)
沖縄水産を2年連続の決勝に導いたエースで4番。しかし、大会前から右ひじを疲労骨折しており、もともとは速球派だったが、最後の夏は変化球主体のだましだましの投球であった。それでも強打のチームを相手に投げ抜いてしまうところが、彼の非凡さであり、打線が序盤に奪ったリードをうまく使いながら宇部商、鹿児島実など強打のチームに競り勝った。打撃でも6割近い打率を残すなど非凡なセンスの持ち主だった。
伊佐真琴(那覇商)
1994年に那覇商を春夏連続の甲子園に導いたエース。選抜は高知商に初戦で敗れたが、夏は優勝候補の横浜を4-2と撃破。紀田彰一(横浜)、斎藤宜之(巨人)、多村仁志(ソフトバンク)とのちにプロ入りする強打者がずらりと並んだ打線を相手に変化球主体の投球でわずか5安打2失点に抑え込んだ。春から夏にかけて投球フォームを変え、横手投げに変身したことも横浜打線を惑わす大きな要因となった。優勝候補が次々と序盤で敗れる中で、大会を席巻した九州勢を象徴する存在であった。
[プロ 野球 ハイライト] 1994熱闘甲子園 那覇商vs横浜 – YouTube
上間豊(浦添商)
浦添商を全国初の4強に押し上げた左腕エース。選抜では守りの破綻から育英に接戦の末に敗れたが、夏は打線の援護と控え投手の奮起もあってチームは岩倉、春日部共栄、市立船橋と関東の強豪をなぎ倒してベスト4まで勝ち上がった。
迎えた準決勝はこの大会で当時のチーム打率最高記録をたたき出した智辯和歌山が相手だった。切れ目のない強力打線を相手に強気の投球で無失点のまま延長戦へ。最後はサヨナラ犠飛を打たれて屈したが、この大会で智辯和歌山打線を抑え込んだのは上間だけであった。
最強智弁和歌山を振るえあがらせた浦添商業の野球(浦商ナイン感謝の言葉と智弁和歌山へのエール) – YouTube
新垣渚(沖縄水産→ダイエー)
横浜・松坂(西武)と並ぶ東西を代表する150キロ右腕として甲子園を沸かせた新垣渚。プロ注目の琉球エクスプレスはとにかくストレートの急速にこだわり、自慢の速球で相手打者に立ち向かったが、選抜は浦和学院、夏は埼玉栄とともに埼玉県勢に屈した。特に夏は埼玉栄の2年生スラッガー大島(西武)に高めのストレートを見事にとらえられて逆転2ランを被弾し、初戦敗退となった。甲子園での勝利に縁はなかったが、実力は間違いなく大会トップクラスであった。
⚾【平成10年】1998.熱闘第24話 沖縄水産 vs 埼玉栄【高校野球】 – YouTube
比嘉公哉(沖縄尚学)
沖縄尚学に初の優勝旗をもたらした左腕エース。ストレートのスピードや球威に目を見張るものがあったわけではないが、我慢強くコーナーを突く投球で好投手・村西(横浜)を擁する比叡山、昨夏8強の浜田に完投勝利を飾った。そして、準決勝では王者・PLと対戦。終盤に3点差を追いつかれたが、延長12回で212球を投げ抜いて完投勝利をおさめ、最大の難敵を退けた。
その後、監督としてもエース東浜(ソフトバンク)を擁して2度目の選抜制覇を達成。指導者としても一時代を築いている。
照屋正悟(沖縄尚学)
沖縄尚学に初の選抜栄冠をもたらした右のエース。準々決勝で関東王者・市川(横浜の公式戦連勝記録を止めたチーム)を相手に2失点完投で下すと、決勝では前日に212球を投げ抜いた比嘉公に代わって先発。好調の水戸商打線に2点を先行されるが、6回以降は無安打に抑えて2失点完投。低めを丁寧について打たせて取り、安定感のある投球が光った。
1999年春の選抜 沖縄尚学が沖縄県勢初の全国制覇 ! – YouTube
比嘉裕(宜野座)
21世紀枠初年度にベスト4進出を果たした宜野座。その原動力となったのが、宜野座カーブを操るエース比嘉裕だった。親指でスピンをかけて円盤投げの要領で投じるカーブは縦に大きく割れ、各校の強打者たちを苦しめた。初戦で東海王者の岐阜第一を2失点完投で下すと、3回戦ではスラッガー石井を中心に大会随一の強力打線を誇った桐光学園も3失点にまとめて投げ抜いた。準々決勝では浪速との延長戦も制し、初出場で堂々4強入り。間違いなくこの大会の主役であった。
広岡聖司(沖縄尚学)
兵庫から越境留学で琉球の地に降り立ったエースが沖縄尚学を4年ぶりの聖地に導いた。ストレートとキレのあるスライダーを武器に県大会決勝では14奪三振の好投でチームを勝利に導くと、甲子園初戦では市立岐阜商を5安打無四球に抑えて完封勝利。内外のコーナーを突く制球力が抜群で、毎回奪三振も記録した。3回戦で打線が江の川・木野下に完封されて敗れたが、この試合も失った得点は1点のみ。ほとんど打たれることなく甲子園を後にした。
[プロ 野球 – ハイライト動画] 【熱闘甲子園】2003江の川VS沖縄尚学 – YouTube
前嵩雄基(沖縄尚学)
沖縄尚学を2005年に春夏連続出場に導いた技巧派右腕。すり足気味のフォームが特徴的で、安定してボールを低めに集めることができ、変化球を打たせて取る投球で内野ゴロの山を築いた。
特に選抜初戦の青森山田戦は前年の甲子園メンバーがスタメンだけで8人残る強力打線が相手だったが、前嵩は自分のペースを崩すことなく投げ抜き、打線もプロ注目左腕・柳田(ロッテ)を打ち込んで、終わってみれば16-3と大差で勝利を手にした。球威のあるタイプではなかったため、一発長打を浴びることもあったが、試合全体を通しての投球の安定感は非常に際立った投手であった。
コメント
[…] […]
[…] […]
[…] […]