2021年選手権1回戦 近江vs日大東北(7日目第1試合)

2021年

大会7日目第1試合

近江

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 2 0 0 1 0 3 1 0 8
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2

日大東北

 

近江    山田→岩佐

日大東北  吉田→星→堀米涼→馬場

降雨ノーゲームから一夜明けた再試合は序盤から近江打線が日大東北投手陣を攻略。日大東北サイドの不運なアクシデントもあったが、近江が投打で相手を圧倒し、2回戦進出を決めた。

試合

近江・山田、日大東北・吉田と昨日と同じ先発を立てた両チーム。しかし、1回表にいきなり日大東北の思惑が崩れてしまう。

1回表、昨日の試合でホームランを放った1番井口が痛烈なピッチャーライナーを放つと、打球は吉田の足元を直撃。吉田は打者一人で降板となり、いきなり投手2本柱の一角がマウンドを降りることとなる。2番手のがマウンドに上がるが、近江は2アウトから3番津田が死球で出塁すると、けん制悪送球と送球エラーが絡んでいきなり1点を失ってしまう。

先発・吉田の降板からわずかな間に喫した失点。さらに、2回表には5番新野を四球で出すと、6番島滝が高めのストレートをたたいてセンターバックスクリーンに悠々飛び込む2ランホームランを放ち、差を3点に広げる。粘って接戦に持ち込みたかった日大東北にとっては何とも痛い失点。序盤投手起用が落ち着かない間にリードを許してしまった。

この3点で余裕の出た近江の2年生エース・山田は快調なピッチングを展開する。140キロ台の重い速球と低めに鋭く落ちるスライダーを武器にランナーを背負いながらも得点を与えず。ホームランを放った島滝のリードも冴え、日大東北打線を封じ込めていく。

嫌な流れとなった日大東北だったが、3番手で登板した1年生左腕・堀米涼が好投を見せる。左腕から繰り出す切れのあるスライダーを武器に近江の強力打線に立ち向かい、2回途中からマウンドに上がって序盤を5回の1点のみに抑える。思えば、1997年の甲子園でも1年生投手の伊藤が甲子園で躍動した日大東北。1年生が輝く伝統があるのかもしれない。

すると、4回まで鳴りを潜めていた日大東北打線が5回裏に突如目を覚ます。5番馬場央が高めのストレートをしっかり叩いて右中間に運ぶ3塁打とすると、続く6番那須も高めのストレートをたたいてセンターの頭を超す3塁打として1点を返す。この回ストレート主体になった山田の投球をとらえ、さらに7番柳沼のセカンドゴロの間にもう1点を返す。

これで試合はわからなくなったと思われたが、近江は6回から継投した2番手の右腕・岩佐が6回裏の日大東北の攻撃を3者連続三振に切って取る。山田以上にキレを感じさせる高めのスピードボールを武器に、日大東北打線の反撃の機運を完全に断つような投球を見せる。

守りからいいリズムを作った近江。7回表に打順3周り目となって、ついに1年生左腕・堀米涼を捕まえる。疲れから高めに入ったスライダーを狙い打たれ、3番津田の四球のあとに4番山田、5番新野、6番島滝の3連打などで3点を追加。各打者がセンターから逆方向を意識し、体が開くことなくボールをとらえていった。1年生左腕・堀米涼は大健闘したが、常連校・近江の前に力尽きた。

岩佐は終盤4イニングを投げて被安打わずか1で三進7つを奪う完ぺきなリリーフ。強力2枚看板が想定通りのリレーを見せた近江が、日大東北を投打で圧倒し、8-2で初戦突破を果たした。

まとめ

近江は先発・山田、リリーフ岩佐ともにスピードもキレも十分のストレートとスライダーで相手打線を翻弄。5回に一度つかまりかけたが、捕手・島滝の機転と継投で相手の反撃を断ち切った。打撃でも島滝が4打点を挙げるなど攻守でチームを牽引。4番から6番で7安打を放つ暴れっぷりで打線も9安打8得点と効率よく得点を重ねた。

次戦はV候補筆頭の大阪桐蔭との対戦。投打に好調を維持しており、智辯和歌山を下した2018年夏のジャイアントキリング再現なるか注目である。

対する日大東北は前の試合で好投していたエース吉田が初回で降板するというあまりにも痛いアクシデントで流れを失ってしまった。投手起用が後手後手になる中で、1年生の堀米涼がよく踏ん張っていたが、7回は限界だっただろう。打線も近江投手陣のスライダーをとらえきれなかった。

しかし、聖光学院が一時代を築く前は福島を引っ張っていた、日大東北・宗像監督の最後の夏に久々の全国大会出場を達成。聖光学院1強だった風向きが来年以降どうなるか注目したい。

2021年選手権1回戦予想 近江vs日大東北 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

8月20日 【日大東北 vs 近江 】ハイライトvsホームラン | 第103回全国高等学校野球選手権大会 – YouTube

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