2024年選抜1回戦予想 明豊vs敦賀気比

2024年

2024年選抜1回戦

明豊vs敦賀気比

51% 49%

ここ数年甲子園を沸かせてきた常連校同士の好カード。1回戦から熾烈なつぶし合いが始まる。

 

敦賀気比のマウンドを守るのは、これで3度目の出場となる左腕・竹下。しなやかなフォームから多彩な変化球を繰り出す左腕は、決して本格派というわけではないが、キレのあるボールを操り、完成度が非常に高い。むしろつけ入るスキが非常に少ない投手と言えるだろう。後ろには野手兼任の速球派右腕・丹尾も控え、終盤には継投策であいてをかわすこともできる。丹尾には2021年出場時の右腕・本田のような役割が期待される。

対する明豊打線は、今年も破壊力抜群。九州大会の準々決勝まで毎試合5点以上をたたき出し、とにかく上位から下位までスキがない。昨夏の経験者の高木を2番におき、トップの木村とのコンビで試合開始から相手バッテリーの集中力をかき乱す攻撃が出来るのが強みだ。石田、的場、舩見の中軸はいずれも長打力と勝負強さを兼ね備えており、得点力はあるいは、準優勝した2021年を上回るかもしれない。智辯和歌山方式で川崎監督が鍛えた強力打線がこの春も火を噴くか。

 

一方、明豊のエースは昨夏の北海戦でサヨナラ負けの瞬間にマウンドに上がっていた右腕・野田。伸びのある速球は負けはしたものの、当時から光っており、変化球を活かすことのできる「真っすぐの質」がある。明豊らしく、後ろの投手陣も充実しており、長身右腕の一ノ瀬や左腕の寺本・大堀とみな自分の特徴を心得た投手で、持ち味を発揮する。伝統の堅守も健在であり、そう多くの失点はしないだろう。

対する敦賀気比打線は、2番に打率5割を超える西口を置き、初回から複数得点を狙う攻撃が可能。甲子園経験者の3番野道を経て、主砲・濱谷、打撃もいい5番竹下とシャープな振りの打者が続く。濱谷は秋こそ打率が伸びなかったものの、長打力を秘めた好打者であり、本番での覚醒が期待される。秋は、北信越の決勝で星稜に完封負けするなど、もう一つ押し切れない試合が続いたが、毎年、一冬超えてぐんと打力の伸びる同校だけに、今年も破壊力を見せつけていきたい。

ともに甲子園を知り尽くしたもの同士だけに序盤から激しい主導権争いが予想される。ともに守りもいいだけに引き締まった試合展開になりそうだ。打力を鑑みてわずかに明豊有利としたが、ほとんど差はないだろう。

 

主なOB

明豊…城島健司(ダイエー)、今宮健太(ソフトバンク)、山野恭介(広島)、濱田太貴(ヤクルト)、京本眞(巨人)

敦賀気比…東出輝裕(広島)、内海哲也(巨人)、吉田正尚(レッドソックス)、平沼翔太(西武)、山崎颯一郎(オリックス)

 

大分  福井

春  0勝  0勝

夏  2勝  0勝

計  2勝    0勝

対戦成績は大分勢が2勝0敗とリード。選抜では初対戦となる。

大分勢の3連勝か、福井勢の初勝利か。

思い出名勝負

2017年夏2回戦

坂井

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 1 3 0 2 0 6
0 0 1 0 3 0 0 3 × 7

明豊

 

坂井  吉川

明豊  佐藤→橋詰→溝上

広陵・中村奨(広島)の活躍や花咲徳栄の埼玉勢初優勝に沸いた2017年の選手権大会。好試合が非常に多かったが、そんな中でも2回戦で実現した坂井の好左腕・吉川と明豊の強力打線の激突は見ごたえがあった。

 

坂井の左腕・吉川は切れのある速球と低めの変化球の制球に優れ、県大会で準決勝・決勝と連続完封の好投手。立ち上がりランナーこそ出すものの要所を締めて得点を許さない。

一方、明豊の先発は背番号10の右腕・佐藤楓。こちらもストレートとスライダーを子気味よく投げ分けて、坂井打線を序盤0点に封じていく。

試合が動いたのは3回裏、1アウトランナー2塁で打席に3番濱田。坂井・吉川のストレート攻めに対して、見切ったようにインサイドのボールをフルスイングした打球はあわやスタンドに入るのかといった痛烈な打球でレフトフェンスを直撃。とても2年生とは思えないヘッドスピードでチームに先制点をもたらす。

5回表に坂井が3番帰山のセンターへのタイムリーで追いつくも、再び5回裏に濱田が試合を動かす。1アウト2塁と同じ局面で今度は外角のボールをしっかりとらえて打球が右中間を破るタイムリー2塁打。フォロースルーの大きな打撃で打球の伸びが一人だけ違うと感じさせられた。その後、6番本多、7番吉村にもタイムリーが飛びだし、4-1と序盤は明豊ペースで試合が進む。吉川の直球・変化球ともしっかりためて逆らわずにはじき返す打撃が光った。

5回までで被安打12と絶対エース吉川が打ち込まれて嫌な展開の坂井だったが、打線が2番手で登板した明豊のアンダーハンド橋詰をとらえだす。県大会決勝で緩いボールを武器に完封勝利を挙げた橋詰だったが、この日は制球に苦しんでコースが甘くなる。6回表には8番石川が甘く入ったスライダーを完璧にとらえてレフトオーバーの2塁打を放つなど、3連打で同点。

8回表には2アウト2,3塁のチャンスを作って9番山内の3塁ゴロが失策を誘って2点勝ち越し。山内は2打席連続で2点をたたき出すラッキーボーイぶりだった。明豊バッテリーとしては少し配球が外角一辺倒になってしまったことが悔やまれた。

だが、この試合のハイライトはここからだった。8回裏、1アウト2塁のチャンスで1番主将の好打者・三村がアウトコースのボールをしっかり叩いた打球はレフトオーバーのタイムリー2塁打。1点差に迫り、疲れの見える吉川に襲い掛かる。さらに2アウトとなったところで、打席には怖い3番濱田。カウント1-1から中に入った速球を見逃さずたたいた打球はレフトスタンドへ届く逆転2ラン。会心の一発で逆転した明豊が9回を3番手・溝上が締め、見事な逆転勝利を飾った。

 

明豊は3番濱田が3長打4打点の大活躍。技術もさることながら、ここで打てたらという場面できっちり結果を残すスター性が素晴らしかった。4番の杉園がノーヒットと苦しんだ中でも濱田を中心に15安打と打ちまくった打線はさすが打力の明豊といったところだった。

一方、敗れた坂井高校はエース吉川が苦戦する中で、打線が一度はひっくり返した戦いぶりは見事。明豊のアンダーハンド橋詰をしっかり呼び込んでたたく打撃で見事に攻略した。人格者の川村監督率いるチームが統合などで苦しんだ時期もあったが、無事立て直して甲子園へ帰還。好ゲームで聖地のファンを魅了してくれた。

【高校野球】明豊(大分) VS 坂井(福井) 激闘!8回表裏の攻防 2017夏の甲子園 第99回全国高校野球選手権大会 (youtube.com)

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