大会11日目第4試合
関東一
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
創成館
関東一 石田→坂本
創成館 森下→今村

夕暮れ時の中でスタートした第4試合は関東一がそつのない試合運びで創成館をリード。エース坂本への継投も成功し、主導権を渡さなかった昨夏準優勝校が、2年連続でのベスト8進出を決めた。
試合
関東一は、米澤監督がこの日はエース左腕の坂本ではなく、右腕・石田を先発に起用。一方、創成館の稙田監督は、開幕戦以来、エース森下を先発に持ってきて、真っ向勝負に出た。
森下は140キロ台の伸びのある真っすぐとスライダーが武器。九州屈指の好右腕は、立ち上がりから関東一打線を相手に快調なピッチングを展開する。小柄ながらボールには非常に力があり、上位陣がボールに当てるのに精いっぱいという状況。三者凡退で軽やかにスタートする。
これに対し、関東一の先発はエース左腕の坂本ではなく、右腕の石田。180㎝の上背から投げ下ろす速球は角度があり、とらえたと思ったボールもファウルになる。創成館にとってみれば、2回戦で2桁安打を浴びせた神村学園の早瀬と似たようなタイプなのだが、ベース上で押し込む球威はおそらく早瀬以上なのか、こちらも上位3人が簡単に打ち取られてしまう。
試合巧者の両チームだけに、先制点を早く取りたいのはお互い様。2回表に関東一は先頭の4番越後が2塁打を放ち、犠打で1アウト3塁となるが、6番磯野のサードゴロで挟まれて無得点。一方、創成館もその裏、同じように4番山下のヒットと、ショート越後の失策で2アウト1,3塁と詰め寄るが、セカンド藤江のファインプレーに阻まれる。両投手とも低めに変化球を集め、打たせて取る投球で、先制点を与えない展開が続く。
しかし、思わぬところからほころびが。
3回表、先ほどファインプレーの8番藤江が甘く入ったスライダーをきれいにセンターに返して出塁。続く9番中浜が犠打で送れずに、結果的にファウルフライとなり、流れが切れかける。ここで、1番大沢のセーフティも小飛球となるのだが、これをダッシュしてきたサードが落球。結果的に相手のミスを自分たちのミスでカバーしてしまう格好で、1,2塁とピンチが広がる。
これを試合巧者の関東一が逃すはずがなく、2番入山が2球目のスライダーをセンターへヒットして、満塁とすると、3番坂本は初球の速球をとらえて先制の2点タイムリー!各打者が勝負所で狙い球を絞り、早い仕掛けで結果を残した。
リードをもらった石田は快調なピッチングを展開。145キロをマークした角度のある速球に縦に落ちるスライダーを織り交ぜ、創成館打線を封じる。ロースコアで逃げ切る展開の創成館にとてはやりづらい流れだ。
それでも、苦しい時にはこの男がいる。5回裏、1アウトから8番野田が四球で出ると、犠打で二塁へ。ここでキーマンの1番峯が石田の苦しめられていた高め速球を痛打すると、打球はレフト線に弾むタイムリーに!クッションボールを誤る間に一気に3塁を陥れる。なおも同点のチャンスは、石田が3番下川を詰まらせて打ち取ったが、1点差となったことで、米澤監督はこの回で坂本への継投を決断する。
追い上げムードの創成館だったが、この試合は坂本が立ち上がりから素晴らしい出来。6回裏には先頭打者にヒットを許すものの、続く打者の犠打を併殺に取ると、そこから乗っていく。カーブは切れ味があり、ストレートも低めに決まるといった内容で、序盤に不安定だった中越戦と違い、創成館打線を6回、7回と3人で片付ける。
一方、創成館の森下は毎回のように関東一打線に出塁を許し、再三足でも揺さぶられながら、本当によく粘った。速球にスライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球を投じ、的を絞らせずに打ち取っていく。3回にミスはあったものの、野手陣も好プレーを連発。特に1年生のショート野田は打球に対する一歩目が出色であり、今後が楽しみな逸材だ。
すると、8回裏、創成館打線が残りイニングも少ない中で絶好の好機を得る。1アウトから2番島田が四球で出ると、3番下川の犠打は2塁封殺されるものの、4番山下が挽回。坂本の投球の軸となっているカーブを右方向へはじき返すと、打球は右中間に落ちる2塁打となって、一打逆転のチャンスを迎える。ここで打席には5番桜井。しかし、続けて狙っていった坂本のカーブを打ち上げてしまい、ショートへのフライに終わって得点を上げることはできない。この後、下位打線に向かうことを考えると、どうしても活かしたいチャンスだったが、実らなかった。
これで勢いを得た関東一は最終回、先頭の5番小林が高めの速球をとらえて2塁打を放つと、送って1アウト3塁から7番阿部が見事スクイズ成功!前進守備のプレッシャーをものともせず、プッシュバントで切り裂く見事な攻撃であった。さらに、この日乗っている8番藤江がバスターによるヒットで繋ぐと、ここでついに森下が降板。屈指の好投手をじわじわと攻め、陥落させた。その後、代わった右腕・今村から9番中浜がタイムリー内野安打を放ち、決定的な4点目。これもセカンドランナーの好走塁が活きたもので、非常に抜け目のない得点であった。
リードを広げてもらった坂本は、9回裏、余裕を持った投球で創成館打線を封じ、ヒット1本は許したものの、得点は与えず。投打にしぶとさを見せた関東一が準優勝した昨年に続き、2年連続の8強進出を決めた試合だった。
まとめ
関東一は投手力の高い創成館に対し、相手のちょっとしたスキを逃さない走塁と勝負強い打撃で、計4点をもぎ取った。3回の2点は相手の乱れが出たところで、畳みかけるように若いカウントから打って出たもの。
また、最終回の2点は小技と機動力を活かして上げたものであった。投げては石田→坂本のリレーで創成館打線を5安打1失点で完投。坂本以外の投手にめどが立ったのは、今後を見据えると非常に大きいと言えるだろう。昨年あと一歩で逃した優勝を掴むべく、江戸っ子の進撃はまだ止まらない。
一方、創成館は1,2戦目と守り勝ってきただけに、その守りが乱れるとどうしても勝ちパターンから逸脱してしまった。決して、守備が悪いわけではなく、やはり関東一のような機動力を駆使する抜け目のないチームからの圧力に屈してしまったということなのだろう。エース森下は辛抱強く投げ、九州屈指の実力者たるゆえんを見せたが、打線も関東一の投手リレーの前に及ばなかった。
ただ、それでも同校初の選手権2勝を上げたこの夏の収穫は非常に大きいと言える。愚直なまでに守り勝つ創成館の野球を今後も貫き通してくれることを楽しみにしている。
【高校野球 甲子園】 関東一 vs 創成館 8強をかけた熱戦!魂の熱投! 【全国高等学校野球選手権大会 3回戦 全打席ハイライト】 2025甲子園 8.16


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