2026年選抜2回戦 山梨学院vs大垣日大(8日目第1試合)

2026年

大会8日目第1試合

大垣日大

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
0 0 0 0 0 1 2 0 × 3

山梨学院

 

大垣日大  谷之口→太田→中村

山梨学院  渡部→木田

常連校同士の対戦となった第1試合は、両先発左腕の好投でロースコアのまま終盤戦へ。主力を欠く中、全員一丸となった山梨学院が、前年の成績を上回る8強入りを果たした。

試合

山梨学院は初戦に続き、2年生左腕・渡部が先発。一方、大垣日大は1回戦で188球を投げたエース竹岡に代わり、もう一人の左腕・谷之口をマウンドに送った。

1回表、いきなり先制パンチを浴びせたのは大垣日大。初戦は先制点が遠かったが(10回表に決勝の2点)、この日はいきなり得点を挙げる。1番大橋、2番山崎と倒れるも、3番竹島がカウント2-2から渡部が決めに行ったスライダーが甘く入るところを逃さない。打球は痛烈な当たりでライトポールを直撃し、先制のホームラン!2年生左腕の強烈な一発をお見舞いし、まずは1点のリードを奪う。

これに対し、大垣日大の左腕・谷之口も1回裏、1,2番を内野ゴロに打ち取って2アウトを奪うも、3番金子に8球目のストレートを左中間に流し打たれる。さらに、4番藤田の痛烈なサードゴロを松井一がしっかり抑えるも、送球が浮いてしまい、アウトかと思ったところ、一転して2アウト1,3塁のピンチとなる。しかし、ここは5番古川をインサイドの速球で詰まらせ、今度は松井一がきっちりさばいて3アウト。谷之口は無失点で立ち上がることに成功する。

初回はややバタバタした渡部谷之口。しかし、2回以降は完ぺきな投球を展開する。ともに似たようなテークバックの左腕だが、二人ともストレートにはキレがあり、渡部はスライダー、谷之口はカーブと決め球もある。特に、谷之口は甲子園は初登板なのだが、1年秋から主戦を担ってきた男の経験値かプライドなのか、主砲・菰田がいないとはいえ、関東王者の山梨学院打線を翻弄する。やはり、いつの時代も左打者のカーブは魅力的な球種である。

試合がやや動きかけたのは5回。大垣日大は1アウトから6番石田が素晴らしい粘りを見せ、8球目で四球を選ぶと、7番松井一は死球となって1,2塁とこの試合初めて得点圏にランナーを置いて打者を迎える(初回はホームランだったので)。しかし、この場面でも渡部の向かっていく姿勢は崩れず。先ほど死球を与えたにも関わらず、続く右打者の8番高田は内角攻めでレフトフライに。さらに9番もショートフライに打ち取り、5回までをホームランの1点でしのぐ。

2年生が頑張っている間になんとか追いつきたい山梨学院。しかし、主砲・菰田が不在であることが焦りとなったのか、4回裏はけん制タッチアウト、5回裏は盗塁失敗とランナー出しながらも刺されてしまう。このあたりは、やや悪循環に陥っており、吉田監督もはがゆそうであったが、渡部が好投したことでなんとか1点差で粘って後半戦へつないだ。

すると、6回に入って再び試合が動き始める。山梨学院の渡部は表の攻撃をまたも3者凡退。しかも、ホームランを打たれた3番竹島も含めた上位打線を相手にだ。スライダーのキレはもちろん定評があったが、ここにきてストレートで差し込む場面も目立ってくる。大会前にはほとんだ名前も挙がっていなかった投手が、これだけの好投を見せるのだから、高校野球は面白い。最後は竹島をスライダーで空振り三振に取り、後半戦、最高のスタートを切る。

この下級生の持ってきた、守りからの流れ。6回裏、ついに打線が応える。先頭の1番石井が四球で出塁すると、2番杉村には強攻策を指示。この作戦に見事に応え、フルカウントから谷之口のカーブが高めに浮いたところを逃さず、1,2塁間へ引っ張る。打球はライトへのヒットとなり、無死1,3塁。絶好の同点機を迎える。すると、続く3番金子の打席で1塁ランナーがスタート!しかし、これは捕手・高田の好送球でアウトになる。この日の山梨学院は仕掛けが悉くはまらない。

だが、この失敗を金子が救った。またも谷之口のカーブがやや高めに来たところをきっちり逆方向へはじき返すと、打球はセンターに抜けるタイムリー! ついに試合を振り出しに戻すとともに、この回制球が甘かったとはいえ、相手投手の決め球をとらえたことに大きな価値があった。ただ、直後の山梨学院の攻撃は、4番藤田を初球でショートゴロに打ち取り、6-4-3の併殺で3アウト。谷之口もなんとか同点で踏ん張る。

同点に追いつかれた大垣日大は、直後の7回表、先頭の4番竹岡がライトへはじき返して出塁。初回の竹島のホームラン以来のヒットであり、ここから再び攻撃態勢を取ろうかというところだったが、続く5番松家はインコースのスライダーを打たせて、5-4-3と送られ、こちらも併殺でチャンスを広げきれない。この場面、渡部はけん制を繰り返し、しかも、速度の違う牽制を見せることで1塁ランナーをくぎ付けにしていた。あるいは、それがなくとも併殺だった可能性はあるが、細部にわたるまで徹底したこういうプレーができるのは、投手としての総合力の高さを表している。

この流れに乗った山梨学院は、7回裏、いよいよ谷之口の攻略にかかる。1アウトから6番住友、7番菅原といずれもストレートをとらえて連打。カーブに慣れ始めた山梨学院打線の裏をかこうと速球がやや多くなってきたところを下位打線がしっかり打ち返した。さらに、8番光永がカウント2-1と追い込まれながら粘って四球を選び、ランナー満塁に。ここで、高橋監督はついに谷之口をあきらめ、右腕・太田を送る。

やや短いテークバックでスリークオーター気味にアウトコース低めへ集める右腕。大垣日大としては、やはり初戦で多くの球数を投じた竹岡は使いにくいのだろう。太田は、9番島田に低めのスライダーをうまく振らせて空振り三振。危機脱出まで後一人と迫ったが、ここで山梨学院打線が逃してくれなかった。1番石井が外にしっかり目付をし、アウトコースを狙ったスライダーがバットの軌道が届く範囲に来たところを打ち返す。打球は、センターへ抜けるヒットとなり、2者が生還。序盤から追う展開が続いていた山梨学院がとうとう試合をひっくり返すことに成功した。

リードをもらった渡部は9回1アウトから2番山崎に2塁打を浴びるまで力投。結局、9回途中までで打たれたヒットはわずか3本と完ぺきな投球を展開した。大垣日大は、スコアリングポジションにランナーを置いて、3番竹島・4番竹岡という最も頼れるコンビを迎えたが、山梨学院の2番手・木田から一本を奪うことはできず。渡部とはまたタイプの違う左腕投手を攻略するには、あとアウト2つでゲームセットの状況では時間が足りなさ過ぎた。

故障者を出し、本来の戦力とはいかない山梨学院が、一致団結したチーム力の高さで大垣日大を退け、2年ぶりの準々決勝進出を決めることとなった。

まとめ

山梨学院の勝因は、一にも二にも2年生左腕・渡部の好投に尽きるだろう。1回戦の先発マウンドに立った時は、代役投手の印象があったが、この2戦を経て頼れるエース格に上り詰めたと言える。決して、球種は多くないが、ストレート・スライダーともにキレがあり、内外の出し入れもうまいため、そう簡単に打ち崩すことはできない投手だ。打線は中盤に走塁がうまくいかずに追い上げきれなかったが、それでも慌てることがなかったのは、渡部の投球が安定していたからであった。

投打の柱の菰田、昨夏のエース格だった左腕・檜垣を欠き、いわば飛車角落ちの状態だった山梨学院。そんな中、残ったナインが力を結集してつかみ取ったこの2勝目はチームにとって非常に大きいのは間違いない。この大会だけでなく、次の夏へ向けても無限の伸びしろを感じさせた、関東王者の勝利だった。

一方、大垣日大ももう一人のエース左腕・谷之口が好投し、中盤まで互角の投げ合いを見せた。初戦で延長10回を完封した竹岡と合わせ、この左腕2枚看板の威力は、全国でもトップクラスだろう。ただ、打線に関しては、この日ホームランを放った3番竹島と4番竹岡への依存度が大きかった印象。いずれも相手が好投手だったためだが、全国で勝ち抜くためには打線の層の厚さを増す必要があるのは間違いない。今後へ向けて、課題と収穫をしっかり持ち帰ることができた、2026年の選抜大会となった。

【高校野球 甲子園】 大垣日大(岐阜)vs山梨学院(山梨) 【第98回選抜高校野球 2回戦 全打席ハイライト】 2026.3.26 センバツ 

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