【好投手列伝】岩手県篇記憶に残る平成の名投手 1/2

平成の名投手

【好投手列伝】岩手県篇記憶に残る平成の名投手 2/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

宇部秀人(久慈商)

久慈商業を初めて全国の舞台に導いた小さな大エース。岩手大会では6試合を一人で投げ切るタフネスさを見せ、抜群のコントロールとキレで試合を作る能力の高い投手であった。

一昨年の専大北上、昨年の一関商工と岩手県勢は2年連続で初戦を突破中。3年連続の初戦突破を目指した久慈商の相手は川上憲伸(中日)擁する四国の名門・徳島商であった。宇部は序盤からキレのあるボールをコーナーに配して、徳島商打線を完全に封じ込めると、打線も川上から先制・中押し・ダメ押しで7点を奪い、試合は完全に久慈商ペースで進んでいた。

このまま初出場校が全国制覇の経験もある名門を大差で破るのかと思われたが、8回裏、宇部に悪夢が待っていた。開き直って積極的なスイングをかける徳島商打線のスイングと、雨の中で疲労もあってキレを失った宇部のボールの軌道があってしまい、怒涛の6連打を含む猛攻で一気に7点差を追いつかれてしまう。味方野手陣のミスも絡んでの気の毒な同点劇であったが、甲子園の魔物に飲み込まれる結果となってしまった。

その後、最終回には野手陣もピンチの場面で宇部に声をかける余裕もなくなり、最後は左中間にサヨナラ2塁打を浴びて終戦。甲子園の怖さを味わう結果となったが、7回までの宇部のピッチングはその実力の高さを十分に証明するものであった。

【好投手列伝】徳島県篇記憶に残る平成の名投手 1/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【川上憲伸】1993年夏2回戦 久慈商 対 徳島商 – YouTube

畠山雅徳(専大北上)

2年夏、3年夏と2年連続で甲子園に出場した専大北上のアンダーハンドエース。ヤクルトで打点王を獲得した畠山和洋の実兄でもあり、3年夏は弟とともに聖地の舞台を踏んだ。会心の投球を見せたのは2年夏。当時初出場だった履正社と対し、小技のうまい愛いて打線を抜群のコーナーワークで封じ込めた。最終回には1点差に迫られるが、相手のホームスチールを封じて1点差で逃げ切り勝ち。強豪ひしめく大阪の代表校から会心の白星をもぎ取った。

第79回選手権 専大北上vs履正社 – YouTube

梶本勇介(専大北上→ヤクルト)

4番・畠山(ヤクルト)を中心に打力に自信を持って登場した2000年の専大北上。しかし、チームの屋台骨を支えていたのは2年生エースの梶本であった。流麗なフォームから繰り出す快速球を武器に岩手大会を勝ち上がると、甲子園初戦では6季連続出場中の常連校・明徳義塾を相手に快投を見せる。2回に先制ホームランを許すが、その後はランナーを出しながらも猛者ぞろいの打線を犠飛による2点のみに抑え込んだ。

残念ながら自慢の打線が明徳のエース三木田にわずか2安打に封じ込まれて敗退したが、梶本のストレートの質の良さは畠山目当てで訪れたスカウト陣の目をくぎ付けにした。明徳をはじめとする強豪ぞろいの死のブロックに入ったがために早期敗退したが、組み合わせが良ければ上位まで進んでもなんら不思議でない投手であった。

【好投手列伝】高知県篇記憶に残る平成の名投手 2/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

[Baseball Highlights] 2000【YS畠山】明徳義塾vs専大北上 – YouTube

山下徹(盛岡大付)

当時まだ甲子園で勝利のなかった盛岡大付。澤田監督のもとでなんとか初勝利をと全国の舞台に挑んでいた時代に、チームを春夏連続の出場に導いたのがエース山下であった。スタメンの大半を2年生が占める若いチームを引っ張り、右スリークオーターから丁寧な投球で守備のリズムを作った。

結果的に選抜では成瀬(ロッテ)率いる横浜、夏は伝統校・福井商にそれぞれ敗れたが、夏の福井商戦は一時5点のビハインドを背負うも、打線が奮起して追いつき、延長戦にまで持ち込んだ。それまでエースにおんぶにだっこだったチームが大きく成長したところを見せた一戦であった。

【好投手列伝】神奈川県篇記憶に残る平成の名投手 3/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2003年春の選抜・甲子園大会前予想 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2003年春2回戦 横浜vs盛岡大付 2/18 – YouTube

菊池雄星(花巻東→西武)

2009年の高校球界は間違いなくこの男を中心に回っていただろう。2009年の選抜に登場した快速左腕は神宮4強で自信を持って乗り込んだ鵡川のししゃも打線を9回1アウトまで無安打投球に抑える快投を見せ、一躍その名を全国にとどろかせる。2回戦では明豊の強打者・今宮(ソフトバンク)も封じ込めて8強入り。2戦連続で強力打線を封じ込めて評価を確固たるものとし、勢いそのままに決勝まで待ちあがった。

コントロールはややアバウトでもストライクゾーン内で勝負できる球威とキレがあり、また相手打者を圧倒する気迫も併せ持つ好投手であった。決勝で清峰・今村(広島)との投げ合いに0-1で惜敗したが、与えたインパクトは今村以上のものがあった。

その後はストレスやスライダーの多投によるフォームの崩れなどで苦しい時期も過ごしたが、最後の夏は再び大舞台に戻ってきた。初戦の長崎日大戦は3ホームランを浴びるも完投勝利をマーク。2,3回戦は本来の調子を取り戻し、3回戦では高校生左腕最速の154キロをマーク。メジャーの球団も注目するほどの実力を誇示するとともに、それまで弱小県と言われた岩手県のイメージをこの1年で一気に塗り替えることに成功した。

2009年夏の甲子園大会前予想 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

菊池雄星vs今宮健太 花巻東×明豊 2009年 春のセンバツ 高校野球 – YouTube

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