智辯和歌山の前に立ちはだかった好投手列伝 2/4

コラム

智辯和歌山の前に立ちはだかった好投手列伝 1/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

智辯和歌山の前に立ちはだかった好投手列伝 3/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

智辯和歌山の前に立ちはだかった好投手列伝 4/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

大会通算100安打、大会通算11ホームラン、大会最高打率を残した2000年夏をはじめとして数々の強打のチームで甲子園を沸かせてきた智辯和歌山。

しかし、強打のチームが好投手との対戦を引き寄せるのか、はたまたその逆か、これまで強打・智辯の前にあまたの好投手たちが立ちはだかり、打倒・智辯和歌山を果たしてきた。今回は、その好投手を順にご紹介したい。

 

2002年夏 決勝 明徳義塾 7-2 智辯和歌山

智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 1 0 0 0 1 2
0 0 1 2 0 0 4 0 × 7

明徳義塾

田辺佑介(明徳義塾)

明徳義塾に悲願の初優勝をもたらしたエース田辺佑介。主砲・森岡(ヤクルト)、4番捕手の(オリックス)とともにチームの「核」として臨んだ最後の大会は3回戦の常総学院戦以外は完勝に次ぐ完勝であった。迎えた決勝の相手はあの智辯和歌山、実に1994年からの9年間で6度目となる決勝進出であり、初めての決勝となる明徳義塾にとっては嫌な相手だったのは間違いないだろう。しかし、田辺は磨き上げたアウトローへの制球力で智辯打線を封じ込めると、1アウト2,3塁のピンチの場面では相手のスクイズもとっさに見破って外す機転を発揮。その後は自らホームランも放つなど、最後まで相手を寄せ付けず、無冠の帝王だった明徳義塾と馬淵監督に真紅の大優勝旗を持たらしたのだった。

2002年選手権決勝 智弁和歌山対明徳義塾 – YouTube

【好投手列伝】高知県篇記憶に残る平成の名投手 2/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

2003年選抜 準々決勝 徳島商 13-0 智辯和歌山

智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 2 0 4 2 0 5 × 13

徳島商

平岡政樹(徳島商→巨人)

四国屈指の剛腕として大会に登場した平岡政樹。初戦の柳川戦で147キロを計測するなど、ストレートのスピードは大会最速をマークし、一躍注目の的となった。そして、準々決勝では智辯和歌山と1993年以来の再戦に。3回戦で浦和学院のエース須永(日本ハム)をサヨナラホームランで沈めた強打線を相手に、平岡はスピードを捨てて丁寧な投球で対応する。中盤に相手守備陣の乱れで点差が広がると、平岡の快調なピッチングの前に上野堂浦嶋田本田ら強打者たちも突破口を見出せなくなる。終わってみれば、智辯和歌山にとっては甲子園52試合目で初となる完封負けに。歴史に名を刻む偉業を成し遂げた平岡をはじめとする徳島商ナインが、四国野球の強さを見せつけた試合となった。

【好投手列伝】徳島県篇記憶に残る平成の名投手 1/2 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

2005年夏 1回戦 青森山田 7-5 智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 2 0 0 0 0 2 5
0 1 0 0 3 0 2 1 × 7

柳田将利(青森山田→ロッテ)

過去2度の甲子園で天理、沖縄尚学と西の強豪の前に屈していた青森山田のエース柳田将利。スタメンのほとんどが3季連続の甲子園出場であり、東北で最強を誇っていたチームが、満を持して迎えた最後の夏に初戦で当たったのが強打・智辯和歌山であった。またしても西の強豪との対戦となった試合は、序盤から1番前田にタイムリー3塁打を浴びるなど、智辯和歌山のフルスイングの前に柳田のボールがとらえられてしまう。しかし、中盤に女房役・加守田の逆転ホームランで試合をひっくり返すと、柳田も我慢の投球で応える。15安打で7点を挙げた打線の援護もあって、柳田は3度目の甲子園で見事甲子園初勝利を達成した。

熱闘甲子園 2005 第87回 青森山田VS智弁和歌山 ハイライト – YouTube

【好投手列伝】青森県篇記憶に残る平成の名投手 2/3 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

2006年選抜 2回戦 岐阜城北 10-7 智辯和歌山

智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 6 0 0 0 1 0 0 7
1 0 5 2 1 0 1 0 × 10

岐阜城北

尾藤竜平(岐阜城北→巨人)

今や全国でも有数の激戦区となっている岐阜県だが、この時代は長い低迷期を迎えていた。2005年までで岐阜県が最後に8強入りしたのは夏は1983年の岐阜第一、選抜は1977年の県立岐阜商までさかのぼらなければならなかった。県を挙げて高校野球復活に取り組んだ岐阜県にとって自信を持って送り出せたのがこの年の岐阜城北。エース尾藤竜平はキレのあるスライダーを武器にする全国屈指の好左腕であり、前年秋に東海大会を制覇していた。

甲子園初戦は一関学院をわずか2安打1失点に抑え、2回戦で智辯和歌山とのV候補対決に。3回に集中打を浴びて6点を失うも、その裏に味方がすぐに追いつくと、4回裏には自ら勝ち越し2ランを放つ。自慢のスライダーを武器に廣井橋本(阪神)、亀田松隈ら強打者の居並ぶ智辯打線を封じ込め、会心の逆転勝利。この大会で4強入りを果たすと、翌年は大額日大が希望枠での出場ながら決勝へ進出。岐阜県勢の風向きが一気に変わった大会となった。

2006年選抜 智弁和歌山対岐阜城北 – YouTube

岐阜城北vs智辯和歌山 2006年選抜 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【好投手列伝】岐阜県篇記憶に残る平成の名投手  – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

 

2006年夏 準決勝 駒大苫小牧 7-4 智辯和歌山

智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 2 0 1 0 0 0 0 0 4
4 0 1 0 2 0 0 0 × 7

駒大苫小牧

田中将大(駒大苫小牧→楽天)

今や泣く子も黙るヤンキースのエースとなった田中将大。不祥事による選抜出場辞退やウイルス性胃腸炎による体調不良など、度重なる不運にあった最終学年だったが、最も輝きを放ったのが準決勝の智辯和歌山戦だった。準々決勝の帝京戦で奇跡的な逆転勝ちを飾った智辯和歌山ナインは、前年秋から目標にしていた田中との対戦に闘志満々。しかし、田中は1点差に迫られた場面でいきなりけん制でアウトを奪うと、ストレート狙いの智辯打線に対して必殺のスライダーで凡打を量産。2000年夏を超えるとも言われた長打力を誇る智辯打線を相手に、長打はおろかヒットすらほとんど許さない投球で試合を支配していった。気合と冷静さの同居した、「世代No.1投手」の凄みを見せつける投球であった。

⚾【平成18年】駒大苫小牧 vs.智弁和歌山【高校野球】 – YouTube

駒大苫小牧vs東洋大姫路 2006年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2006年夏の甲子園大会前予想 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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2007年夏 1回戦 仙台育英 4-2 智辯和歌山

智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
2 0 0 0 0 0 0 2 × 4

仙台育英

佐藤由規(仙台育英→ヤクルト)

V候補だった前年夏から2年生主体のチームに若返りを見せた智辯和歌山。それでも和歌山大会をしぶとく勝ち上がって迎えた初戦の相手は、「ミサイルストレート」を武器とする仙台育英の剛腕・佐藤由規だった。その剛腕ぶりたるやすさまじく、150キロ台のストレートを連発。1球や2球ならない話ではないが、なんと30球以上で150キロ以上をマークした。いくらストレートに強い智辯打線と言えども、これだけの球速とキレがあってはなかなか対応できない。中盤に2年生の4番坂口(巨人)の一発で追いついたが、このホームランが逆に佐藤のピッチングに喝を入れたか、8回には154キロのストレートで坂口を見逃し三振に。8回に1番橋本(巨人)のタイムリーで勝ち越すと、5安打2失点という数字以上に圧倒した内容で、智辯和歌山打線に完勝した。

2007年 高校野球選手権 仙台育英 VS 智弁和歌山 – YouTube

【好投手列伝】宮城県篇記憶に残る平成の名投手 3/4 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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