この地区が無双した!夏の戦い振り返り(北信越編)

2014年

甲子園では各地区ごとに好不調が如実に表れるのが、見ているファンにとって興味を引くところだ。好調な地区では、一度勝ちだすと、地区内で「うちが一番先に負けられない」との意識が出てきて、簡単には負けなくなる相乗効果を生み出すことがある。そんな相乗効果で各地区ごとに無双状態になった大会は何年の大会だったが、振り返っていきたい。第6回は北信越地区。

第96回大会(2014年)

過去、長野県勢の飯田長姫の選抜優勝、松本商(現松商学園)の選手権優勝の2回はあるものの、それ以降はなかなか全国の頂点が遠かった北信越勢。福井商や星稜といった伝統校が、投手を軸にした手堅い守りの野球でともに甲子園決勝まで進んだことはあったが、あと一歩で優勝への行く手を阻まれてきた。

しかし、時代が21世紀に入ると石川・遊学館の台頭など勢力図に変化が現れ始める。特に打撃メインのチーム作りをするところが増え、2009年には日本文理が準優勝に輝くなど、全国上位に食い込むチームが増え始めていた。そして、2014年夏、北信越勢の強さが全国を席巻することとなる。

敦賀気比(福井代表)

1回戦     〇16-0  坂出商

2回戦   〇10-1  春日部共栄

3回戦   〇16-1  盛岡大付

準々決勝   〇7-2   八戸学院光星

準決勝      ●9-15  大阪桐蔭

1995年に内藤(ヤクルト)、1997年に三上(ヤクルト)とのちにプロ入りするエースを擁して選手権上位に進んだ敦賀気比。新興勢力として注目を集めたが、その後は伝統校の福井商や福井との激しい勢力争いの中で、全国の舞台から遠ざかる時期が続いていた。しかし、2008年~2010年と左腕エース・山田(オリックス)や主砲・吉田(レッドソックス)とスター選手を擁し、スケールの大きな野球で復活の流れを作りつつあった。

そして、2013年選抜では山田、喜多ら強打でエース岸本(中日)を支え、4強へ進出。沖縄尚学、京都翔英ら地区大会王者を下すなど、4勝を挙げての進撃は非常に力強い内容であった。この時の主力だった浅井、峯が残った2014年度のチームは、打力には非常に定評があったが、岸本の抜けた投手陣に不安を抱えていた。しかし、春以降、2年生エース平沼(西武)が成長して、投手陣の軸に成長すると、盤石の強さを見せ始める。福井大会決勝では春季大会で敗れていた福井工大福井をワンサイドゲームで圧倒。2009年以来5年ぶりの夏の代表切符を手にした。

迎えた甲子園初戦は伝統校・坂出商と対戦。左腕・金丸に対して、初回に4番岡田から5番峯のホームランを含む5連打を浴びせ、いきなり4点を先行。各打者が素晴らしいスイングでヒットを積み重ね、21安打16得点の猛打で相手を圧倒した。決して、大振りにならず、シャープなスイングを貫けるところが敦賀気比打線の強みであった。投げては、エース平沼が安定して制球力でストライク先行のピッチングを見せ、3安打完封勝利。大会初日の2試合目にしてV争いの有力候補に挙がる戦いぶりを見せた。

続く2回戦は開幕戦で選抜王者の龍谷大平安を下した春日部共栄と激突。平安の強力打線を1失点で完投した左腕・金子は2年生の春にも選抜優勝帰りの浦和学院打線を1失点に抑えた実力者だ。

しかし、この好左腕をもってしても敦賀気比打線は止められない。初回、アウトコース高めの、見送れば完全にボール球に対して、4番岡田がバット一閃。打球はセンターバックスクリーンへ飛び込む先制2ランとなり、試合を優位に進める。2回にも御簗、平沼、山本と下位打線の3連打から4点を奪い、上位から下位まで全く穴のない打線でこの試合も2桁得点を達成。平沼はこの試合も打たせて取る投球で悠々と完投し、10-1と大差で3回戦進出を決めた。

そして、3回戦で敦賀気比打線は高校球史に残る偉業を成し遂げる。相手は前年の選抜でも対戦した盛岡大付。エース松本(ソフトバンク)はプロ注目の本格派右腕であったが、大会前からひじの故障を抱えており、初戦でV候補の東海大相模を下した時も、変化球主体のだましだましの投球であった。手負いの状態で敦賀気比打線を封じ込めるのは、さすがに厳しいものがあった。1-1の同点で迎えた3回表に、主将・浅井の勝ち越しホームランを皮切りに6安打を集中して8点を勝ち越し。その後も、ヒットを連ね、この試合も2桁の16得点で、大勝を収めた。

これで、和歌山中以来実に93年ぶりの「3試合連続2桁得点」を達成。記録づくめの猛打であり、大会前はそこまで下馬評にあがっていなかった敦賀気比に対する注目度は否応なしに高まっていった。準々決勝では八戸学院光星の2年生投手陣の継投策にも惑わされることなく、峯の先制3ランなどで7-2と完勝。4試合連続の2桁得点こそならなかったものの、この強力打線を一体どこのチームが止められるのかという雰囲気になっていた。

いよいよ全国制覇も狙えるかと迎えた準決勝。相手は高校球界の王者・大阪桐蔭であった。この試合も敦賀気比打線は初回から好調を維持。2番下村から5番峯まで4連打で1点を先制すると、続く6番御簗は大阪桐蔭のエース・福島泰の高めのボールをしっかりとらえ、なんとグランドスラムを叩き込む。いきなりの5点の先制パンチにさすがの大阪桐蔭を面食らったのは間違いない。

しかし、これで沈まないのが大阪桐蔭であった。西谷監督は猛打の陰に隠された敦賀気比の快進撃の土台、2年生エース平沼に目をつけていた。このエースの安定した投球を打ち崩すことが打倒・敦賀気比のカギであった。桐蔭の控えメンバーが徹底して平沼を研究。グラブの角度などから球種を読み解き、主将・中村の先頭打者弾、2番峯本の同点弾などで、平沼から5回までに10得点を奪った。敦賀気比も御簗の2打席連続弾などで応酬したが、9-15と及ばず。破竹の快進撃は準決勝で幕を閉じた。

ただ、この経験を活かした平沼は翌年の選抜でエースとしてチームを牽引。準決勝では前年夏に敗れた大阪桐蔭を6番松本の2打席連続満塁弾などで11-0と圧倒し、見事にリベンジを果たした。北信越勢全体が力をつけてきた流れに乗り、敦賀気比はこの大会で福井県として初めての甲子園優勝を成し遂げることとなる。

大坂桐蔭vs敦賀気比 2014年夏 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【好投手列伝】福井県篇記憶に残る平成の名投手 3/3 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

日本文理(新潟代表)

1回戦     〇5-2     大分

2回戦     〇3-2     東邦

3回戦     〇6-5     富山商

準々決勝   〇5-1     聖光学院

準決勝    ●1-2    日本文理

1997年の初出場を皮切りに、21世紀になって着実に出場を積み重ねていた日本文理。2006年の選抜で新潟県勢としての初勝利を挙げると、同大会で8強まで進出して一躍注目を集めた。そして、2009年夏には切手、武石、高橋義ら好打者をずらりと並べた打線で次々と勝利を挙げていき、決勝では中京大中京をあと一歩まで追い詰める激闘を演じて、見事準優勝に輝く。練習時間の7割を打撃練習に充てるという、大井監督の攻撃型のチーム作りがようやく実を結び始めていた。

そして、2014年度のチームは前年からエース格だった飯塚(DeNA)を中心に北信越では負けなしの強さを見せる。秋季大会を圧倒的な戦いで制すると、続く神宮大会でも龍谷大平安、今治西と強豪を撃破。決勝では沖縄尚学に8点差をひっくり返されるまさかの逆転負けを喫したが、1試合5ホームランんお猛打で観客の度肝を抜いて見せた。小太刀、池田の中軸を中心にポテンシャルは、全国準Vの2009年度を上回るのではないかと思われるほどの長打力を持ち、5年前に成しえなかった全国制覇への期待は高まっていった。

しかし、V候補で迎えた選抜初戦では好投手・田中空を擁する豊川と延長13回の激闘を演じた末に逆転サヨナラ負けを喫する。豊川はそのまま、沖縄尚学を破るなど4強まで勝ち進んだこともあり、相手が悪かったとも言えるが、悔しい結果であった。この敗戦が尾を引いたか、春先以降は苦しい戦いが続いたが、夏の本大会でベンチ入りメンバーからの「喝」が入ったこともあり、チームは徐々に本来の姿を取り戻す。決勝の関根学園戦では3番小太刀の逆転サヨナラ3ランが飛び出し、劇的な勝利で2年連続の代表切符をつかみ取った。

選抜の悔しさを晴らすべく、リベンジに燃える初戦の相手は好投手・佐野(オリックス)を擁する大分が相手。再び本格派右腕が日本文理の前に立ちはだかったが、日本文理打線は終盤のチャンスをきっちりものにした。下位打線ながら中軸並みの破壊力を持つ8番鎌倉・9番飯塚の長短打で1点を勝ち越すと、さらに続く2年生のトップバッター星が佐野の内角速球をとらえて、ライトスタンドへの2ランを放って勝負あり。終盤にかけて佐野の決め球のスライダーを見極め、速球主体になったところをとらえた打撃はさすがの一言であった。

この勝利で勢いに乗った日本文理は破竹の快進撃を見せる。2回戦では「吠える1年生右腕」として注目された、東邦の藤嶋(中日)を中盤で攻略して逆転勝ちを収めると、3回戦では富山商の本格派左腕・森田も攻略。中盤に飯塚が捕まって逆転を許すが、4-5と1点差で迎えた最終回に7番新井が今大会2本目となる逆転サヨナラ2ランを放ってベスト8へ駿出。「打線のつながり」という点では、2009年の方が上だったかもしれないが、「勝負所での狙いすました一発長打」は2014年度が確実に上回っていた。

準々決勝では聖光学院を5-1と危なげなく下し、4強へ進出。しかし、準決勝で東海の雄・三重が待ち構えていた。選抜以降、力感を抜いたフォームを身に着けたタフネス左腕・今井の前に日本文理の各打者がどうしても差し込まれる打撃となってしまう。さすがに疲れの見え始めた飯塚も好打者・長野にタイムリーを許すなど5点を失い、最後は0-5と完敗で快進撃はストップした。

しかし、無印の快進撃を見せた2009年と違い、大会前からマークを受けながらも力強く勝ち進んだこの年の戦いで、日本文理というチームがまた1つステップを駆け上がったのは間違いないだろう。大井監督も自信を持つ、日本文理史上でも最も充実したチームであった。

【好投手列伝】新潟県篇記憶に残る平成の名投手 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

星稜(石川代表)

1回戦   〇5-4     静岡

2回戦     〇4-1     鹿屋中央

3回戦     ●1-5     八戸学院光星

大会前からこれほど全国の注目を集めたチームもかつてなかったのではないだろうか。前年夏からエースだった右腕・岩下(ロッテ)を擁し、優勝候補の筆頭として臨んだ石川大会。ところが、決勝は小松大谷のエース左腕・山下(ソフトバンク)の前に打線が沈黙し、9回表を終わってスコアはなんと0-8。常識的に考えても、ひっくり返すのは困難なスコアである。

この状況下で、しかし、星稜の選手たちの顔には笑顔が見られていた。「常笑野球」を掲げ、常に豊かな表情で野球をやる選手たちの姿に、かつて「強制」が多かった時代とは隔世の感があったことは否めない。だが、この笑顔で打席に入る星稜の選手たちに尾小松大谷の選手たちはプレッシャーを感じていた。エース山下が足を吊るアクシデントもあり、星稜の選手たちの猛打が小松大谷を飲み込んでいった。岩下の2ランなどでどんどん差が縮まっていき、終わってみれば9-8と奇跡の逆転サヨナラ勝ちを達成。海を越えて、アメリカでも話題になるほどの勝利で2年連続の代表切符をつかんだ。

前年夏は鳴門の強力打線の前に沈んだ星稜。リベンジに燃える甲子園の初戦の相手は同じく伝統校の静岡高校であった。2年生ながら内山、堀内(楽天)、安本と力のあるバッターが並ぶ伸び盛りのチームを相手に、序盤は岩下が捕まり、先行を許す。しかし、静岡としても当然石川大会決勝の出来事はしっているだけに追われる展開はやはりプレッシャーがあっただろう。2点差で迎えた7回に失策も絡んで星稜が同点に追いつくと、8回裏には岩下が自ら決勝打を放って勝負あり。終盤の競り合いに絶対的な強さを持つ「星稜」がまず前年挙げられなかった甲子園1勝を手にした。

続く2回戦は鹿屋中央と激突。初出場校ではあるが、好左腕・七島とスラッガー木原と投打の柱を擁し、初戦では市立和歌山に延長サヨナラ勝ちを収めて、乗っているチームであった。この実力校に対し、逆転の星稜が、この試合では盤石の内容で試合を進めていく。初回に1点ずつを取り合うと、3回表に、星稜の機動力を警戒した七島がリズムを乱したところを逃さず、岩下・今村の連続タイムリーで2点を勝ち越す。岩下は低めへ安定した制球力で、球威十分の直球を投げ込み、6回まで1失点の好投。後続を3人の投手でつなぎ、4-1と危なげなく3回戦へコマを進めた。

3回戦は八戸学院光星との常連校対決に。1点のリードを岩下が守って終盤を迎えたが、8回表に相手の4番深江のこの試合初の失投をレフトスタンドへ叩き込まれ同点に追いつかれる。この夏、初めて終盤に追いつかれる展開を経験した星稜ナインは、延長10回表に守備の乱れもあって4点の勝ち越しを許し、万事休した。しかし、劇的なサヨナラ勝ちを収め、全国の舞台でも結果を残したこの夏の戦いは、林監督と星稜というチームに大きな手ごたえを残した。21世紀に入って、遊学館など新興勢力に押され気味だったが、ここから見事に盛り返し、2019年夏に2度目の準優勝を果たすこととなる。

【好投手列伝】石川県篇記憶に残る平成の名投手 2/2 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

富山商(富山代表)

1回戦   〇2-0    日大鶴ケ丘

2回戦     〇3-1    関西

3回戦   ●5-6    日本文理

投手を中心とした守りの野球に定評のあるチームが多い富山勢。しかし、打力優位の傾向が強くなっていった夏の甲子園において、2012年の段階で1大会2勝を挙げた大会は1973年までさかのぼることとなっていた。スラッガー二瀬を擁した2004年の富山商など打力の高いチームもあったのだが、最終的には攻撃力不足に泣く展開が多かった。

だが、そんな流れを2013年夏に初出場の富山第一が本格派右腕・宮本を擁して8強入りを果たし、富山勢として40年ぶりの8強入りを果たすと流れが変わり始める。宮本の好投だけでなく、打線も3試合で17得点を挙げ、投打で安定したチーム力を見せた。そして、2014年夏、伝統校・富山商が本格派左腕・森田を中心に安定したディフェンス力を見せ、8年ぶりに甲子園切符をつかんだ。打線も高岡商との伝統校対決となった決勝で9得点を挙げるなど、充実した投打を見せる富山商に期待は高まっていた。

甲子園初戦は大会初日の第3試合。相手は西東京代表の日大鶴ケ丘であった。粘り強さが売りのチームであったが、左腕・森田が本領を発揮した。制球にやや課題を残した県予選からフォームを修正し、体の開きを遅くしたことで速球が走り、スライダーも切れ味を増した。再三、走者を背負っても、決定打を許す雰囲気はなく、9回を投げ切って6安打で完封。打線も2得点ではあったが、勝負所できっちりタイムリーが飛び出し、2-0と快勝で富山勢として2年連続の初戦突破を果たした。

続く2回戦も実力校の関西が相手。一昨年秋の神宮準優勝の立役者となった逢沢、小郷(楽天)の2人がチームを引っ張り、久々の夏代表切符をつかんでいた。しかし、この試合でも森田の左腕がうなる。初回に関西の左腕・逢沢の立ち上がりをせめて、富山商が1点を先行。同点を狙う関西だったが、森田の左打者の外へ逃げるスライダーの前に、関西の上位打線が完全に沈黙する。下級生時から全国上位で戦ってきた逢沢や小郷をもってしても攻略困難なボールであり、最終回に1点を返すのがやっとであった。3-1というスコア以上の差を感じさせる内容で、富山商が久々の16強進出を決めた。

そして、劇的な試合となった3回戦は日本文理との北信越対決であった。この試合は日本文理の強力打線の前にさすがの森田も失点を許したが、それでもランナーを出しながら最少失点の1点ずつの計3失点に抑えていた。すると、7回表に富山商打線が日本文理・飯塚をとらえて一挙4点の猛攻で試合をひっくり返す。センター中心の逆方向への打撃で大会注目の右腕をとらえた攻撃は見事であった。最後は2番手の左腕・岩城が逆転サヨナラ2ランを被弾して敗れたが、投打ともに高い実力を発揮し、富山勢の強さを見せつけた大会となった。

【好投手列伝】富山県篇記憶に残る平成の名投手 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

佐久長聖(長野代表)

1回戦   〇3-1   東海大甲府

2回戦   ●2-4   聖光学院

1994年夏に初出場で4強進出と快進撃を見せた佐久長聖(この年は佐久高校として甲子園出場)。その後、2002年夏まではコンスタントに出場を続けていたが、その年を最後にしばらく出場から遠ざかっていた。しかし、PL学園出身の藤原監督が就任すると、再び復活の気配を見せ始めていた。守備力の高いチームが多い長野県にあって、攻撃型の野球を見せる藤原監督の野球が県内のカンフル剤になっていたのは間違いないだろう。10年ぶりの出場となった2012年夏には初戦敗退こそしたものの、強豪・作新学院を相手に見事な先制攻撃で3点を奪い、鮮烈な印象を残した。

そして、2014年夏は佐久長聖らしいチームで2年ぶりに出場。というのも、初出場で4強入りした1994年は右腕・松崎、左腕・柳沢、ベスト16入りした2002年も左腕・野村、右腕・日野と左右の長身エースを擁する年に佐久長聖というチームは結果を残していたのだ。そして、この2014年も左腕・寺沢、右腕・両角という左右のエースを擁し、2年ぶりの甲子園出場を果たしたのだ。

初戦は東海大甲府とのお隣さん対決に。先発・寺沢が角度のあるボールで東海大甲府打線を5回の1失点に抑え込むと、打っては5番竹内が先制ホームランと勝ち越しタイムリーで2打点の大活躍を見せる。スコアの動きこそ少なかったものの、互いに激しく攻めあう、アグレッシブな好ゲームであった。8回裏には押し出しで3点目を追加し、藤原監督就任後、初めての甲子園勝利を手にした。

しかし、続く2回戦は聖光学院のエース船迫の右サイドからの技巧的な投球を前に打線が沈黙。初回に3安打を集めて、先制したものの、試合が進むにつれて船迫のテンポのいい投球を捕まえきれなくなった。聖光学院のうまい攻撃の前に寺沢が中盤につかまり、4-2と惜敗。惜しくも3回戦進出はならなかった。だが、監督交代後初めてとなる甲子園1勝を手にした2014年の佐久長聖は、チームの歴史として新たな一歩を踏み出しのは間違いなく、その後もコンスタントに出場を重ねている。

 

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