独断と偏見で選ぶ、2011年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2011年

静清(静岡)

1 野村 10 望月
2 加藤 11 鈴木
3 石走 12 荻野
4 浅賀 13 河野
5 松田 14 小池
6 柘植 15 新井
7 佐々木 16 栗田
8 熊谷 17 益田
9 七条呂 18 石川

好バッテリー擁した実力者

2005年に夏の出場経験のあった静清。しかし、選抜大会の出場はこの年が初めてであった。この大会は神宮王者の日大三、同準優勝の鹿児島実、前年の神宮優勝メンバーが多く残った大垣日大などがV候補にあげられていた。

そんな中、ひそかに地力を高く評価されていたのが初出場の静清である。長身右腕の野村は188センチの長身から繰り出す角度のある速球が光る。テークバックも短いため、初見で攻略するのはなかなか困難な投手だ。ボールを受ける加藤は、好リードとリーダーシップでチームを牽引。3番打者としてもチャンスに強い打撃を見せ、光岡監督の信頼の厚い女房役であった。

東海大会決勝では大垣日大二6-11と打ち負けたが、前年度の神宮優勝投手・葛西を打ち込み、打線の力もあるところを見せていた。大会前に東日本大震災があり、開催も危ぶまれたが、何とか無事に行われることに。好バッテリーを中心に、侮れない力を擁して、静清が甲子園へとやってきた。

1回戦

京都成章

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 1 0 0 1 3
0 4 2 0 0 0 3 0 × 9

静清

2011春の高校野球 静清7回裏3ランホームラン – YouTube

初戦の相手は京都成章。あの松坂大輔の横浜と夏の決勝を戦ったチームが、その年以来の甲子園へと戻ってきた。好右腕・西野を中心とする守りのチームであり、静清・野村との投手戦が予想された。

しかし、試合が始めると静清の下位打線が威力を発揮する。京都成章の失策でランナーを出すと、6番柘植からの4連打で4点を先行。8番石走、9番浅賀が連続2塁打を放つなど、圧倒的な打力を見せる。3回裏にも2本の長打で2点を追加すると、とどめは7回裏に飛び出した2番益田の3ラン。11安打中7本が長打という威力を見せつけ、野村-加藤のバッテリーを強力に援護した。野村は序盤のリードを背にスイスイ投げ抜き、9-3と大差で静清が選抜初勝利を飾った。

 

2回戦

静清

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
0 0 0 2 0 0 0 1 × 3

日大三

 

そして、2回戦の相手が神宮王者の日大三であった。本格派右腕・吉永を高山(阪神)、畔上、横尾(楽天)を中心とした強力打線が支える、優勝候補ど真ん中のチームである。静清が東の横綱にどう挑むか、注目された。

試合は、初回、静清が好調の2番益田のヒットと暴投でチャンスを迎える。ここで、要の3番加藤が吉永の速球をとらえ、レフト前へのタイムリーで1点を先制する。しかし、2回以降、吉永の決め球シンカーの前に静清打線が封じられる。静清打線もコンパクトなスイングで対応しようとしたが、初戦の明徳戦の不調から立ち直った吉永の投球は見事だった。

一方、野村は変化球がなかなか低めに決まらない中、自慢の速球で押していったが、4回には金子、8回には清水と苦手な左打者にいずれもタイムリーを許し、3失点。強力打線相手に十分合格点の投球だったが、惜しくも1-3で敗れることとなった。ここで日大三と当たらなければ、もっと上までいっていたかもしれない、そう思わせる好チームであった。

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