独断と偏見で選ぶ、2013年夏にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2013年

弘前学院聖愛(青森)

1 小野 10 松井
2 和島 11 外川
3 一戸 12 一町田
4 藤元 13 山崎
5 森山 14 木村
6 石沢 15 佐々木
7 宇庭 16 北畠
8 成田 17 嘉瀬
9 板垣 18 佐藤

全国に実力知らしめた「リンゴっ子」たち

1999年の青森山田の8強入りを機に、仙台育英のみが奮闘していた平成初期の東北高校球界の流れは変わり始めた。2000年、2001年には光星学院が4強・8強入りし、3年連続で青森勢はベスト8へ進出。青森山田・光星学院の2校が結果を残したことで、一気に強豪県の仲間入りを果たした。

しかし、両校ともに県外生がチームの中心であったこともまた事実だ。野球留学には賛否があるのは、高校球界の常だが、その県のレベルが本当にアップしたのは、県内生中心の第3勢力のチームが勝ち上がってきた時なのかもしれない。そして、2013年に青森からそんな待望のチームが現れた。弘前学院聖愛である。

36歳の原田監督は、練習量で勝てない分、人間力を高める指導でチームを強化。若き指揮官に率いられたチームは、青森大会で青森山田・光星学院の2強を撃破し、堂々甲子園へ乗り込んできた。ベンチ入りは全員が青森出身であったが、右サイドのエース小野、主砲・一戸と投打の軸を擁したこの年の弘前学院聖愛は全国的に見ても全く引けを取らないチームであった。

1回戦

弘前学院聖愛

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 1 0 2 1 0 1 6
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

玉野光南

弘前学院聖愛 一戸選手のホームランとレフト前のタイムリー 対玉野光南 – YouTube

初戦はかつて何度も甲子園を沸かせた岡山・玉野光南と対戦。岡山大会決勝では明治神宮大会の準優勝左腕・児山(ヤクルト)を集中打で打ち崩しており、3番藤本を中心に打力に自信を持つチームであった。

しかし、この強力打線を相手にエース小野が見事な投球を見せる。130キロ台ながらストレートは伸びがあり、高めに浮きあがるようなボールで藤本をはじめとした玉野光南打線を翻弄。9回を投げ切ってわずか4安打しか許さなかった。また、打線も玉野光南の技巧派右腕・星から着々と加点。一戸のホームランなどで10安打6得点を奪い、投打で玉野光南を圧倒して見せた。青森からのNEW WAVEの勝利は、高校球界にまた新たな歴史を刻んだ。

 

2回戦

沖縄尚学

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 1 1 0 3
1 0 0 3 0 0 0 0 × 4

弘前学院聖愛

聖愛、沖縄尚学を破り3回戦へ(第95回選手権大会) – YouTube

聖愛の勢いはこれだけではとどまらない。続く2回戦は秋の九州王者・沖縄尚学が相手だったが、聖愛打線のシャープなスイングが沖縄尚学の左腕・比嘉を早々と攻略。6番外川のタイムリーなどで序盤で3点のリードを築いた。小野が沖縄尚学打線を粘りの投球で3点に封じ、最終的に4-3と接戦で逃げ切ったが、ヒット数は沖縄尚学の5本に対して、聖愛は13本。出したランナー、作ったチャンスの数を考えても内容的には聖愛が圧倒した試合であった。

 

3回戦

弘前学院聖愛

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 1 0 4 4 0 1 × 10

延岡学園

第95回全国高校野球選手権大会 第11日 延岡学園ー弘前学院聖愛 田中選手 – YouTube

西の強豪2校を力強く退けた聖愛。夏の連戦の影響を考慮した3回戦ではエース小野の先発を回避し、延岡学園に0-10と思わぬ大差で敗れてしまった。しかし、「青森っ子」だけで全国大会の3回戦まで勝ち進んだことは、これまでの私学の強豪が勝ち進んだこととはまた違った意味合いがあった。聖愛は2021年にも甲子園に出場しており、こうしたチームが次々台頭してきた東北地区は、他地域と比較しても全く引けを取らない強豪地区になったと言えるだろう。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました