大会7日目第1試合
京都成章
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1× | 3 |
神村学園
京都成章 北山
神村学園 青柳→中里
京都大会をほぼ一人で投げぬいたエース北山に対して、九州王者・神村学園がどう崩しに行くのかが注目された一戦。予想にたがわぬ好ゲームが演じられた。
試合
京都成章のエース北山は京都大会で60個の三振を奪ったように、高めの真っすぐに力があり、ボールの威力で抑え込める。回転数が多いためボールがよく伸び、打者がボールの下を振るケースが目についた。
一方、神村学園の左腕・青柳も低めにチェンジアップを丁寧に集めるピッチング。3回に3四死球に不運な3塁内野安打が絡んで1点は失うものの、要所を締める投球でその後は0行進を続けていた。鹿児島大会終盤の投球と同様に粘りが光る好投手である。
京都成章としては北山が踏ん張っている間に追加点を取りたかったところだが、青柳のチェンジアップにどうしてもタイミングが合わない。再三スコアリングポジションに走者を送りながらも中押し点が奪えなかった。
5回まで北山の前に2安打8三振の神村学園打線だが、6回裏に反撃開始。3番田中玲が死球、4番前畑がうまくセンター前に拾って落とすヒットでランナー1,3塁。ここで6番に座る勝負強い田中祐が北山得意の高めのストレートをとらえた打球はライトオーバーの逆転2点タイムリー3塁打。一気に試合をひっくり返した。京都成章バッテリーとしてはカウント2-0と追い込んでいただけにもったいない投球だった。
その後、終盤も両チームともせめぎ合い、特に京都成章は8回表下位打線が2四球に北山のヒットで満塁のビッグチャンスを作る。ここで神村学園の代わった2番手中里から代打・岸田がとらえて打球は投手ライナー。惜しいチャンスを逃がし、京都成章もここまでかと思われた。
しかし、9回表ドラマは2アウトから待っていた。この回も1,2番が倒れ2アウトとなったところで、打席は3番茂木。京都大会で最も打点を挙げてきた男が中里の高めに浮いた真っすぐをフルスイングした打球は右中間スタンド最深部に飛び込む同点ホームラン!あと一人の土俵際から試合を振り出しに戻す。
生き返った京都成章は9回裏。先頭で先ほど逆転打を浴びた6番田中祐を迎える。ファーストへのゴロに打ち取るも、投手・北山のベースカバーが遅れて先頭打者が出塁。さらに続く7番赤崎の犠打が野選となり、ノーアウト1,2塁。犠打で送って1アウト2、3塁となったところで打席には9番中里。スクイズも考えられる場面だったが、神村学園サイドは強攻策。中里の放った3塁へのゴロはホーム送球が走者に当たる結果となり、投手戦は神村学園に凱歌が上がった。
まとめ
神村学園は序盤、北山の投球に苦戦したが、中盤以降しっかりアジャストしていったあたりはさすがの試合巧者ぶり。左打者が多く並び、スピーディーな攻めのできる打線は相手の脅威になりそうだ。エース左腕の青柳も絶対的なボールこそないものの、打者のタイミングを外すうまさがあり、京都成章打線をかわし続けた。典型的な負けにくいチームが次は初の8強をかけて同じ九州の明豊とぶつかる。
一方、京都成章のエース北山もうわさにたがわぬ好投手だった。ための効いたフォームから繰り出す伸びがあって重みもある速球に、縦割れのカーブとチェンジアップで序盤は神村学園を圧倒した。非力と思われた打線も9回2アウトから同点ホームランが飛び出す見事な粘り腰。初戦で敗れはしたものの、1998年の準優勝時に劣らないインパクトを与えた大会だった。
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