2021年選手権1回戦
明桜vs帯広農
55% 45%
今大会屈指の剛腕である明桜・風間と帯広農打線の対決。ベールを脱いでみないとわからないところはあるが、風間のポテンシャルの高さを考えると明桜がやや有利と言えそうだ。
明桜のエース風間はMAX157キロをマークする今大会屈指の本格派右腕。多彩な変化球も自在に操ることができ、真っすぐでも変化球でも勝負ができる完成された右腕だ。ただストレートが速いだけの投手ではないことは県大会の投球で実証済み。2018年に旋風を巻き起こした金足農・吉田(日本ハム)の活躍の再現なるか、注目だ。
対する帯広農はチーム打率4割2分5厘と打線が看板のチーム。昨年の交流試合では関東王者の健大高崎を下し、当時2年生でメンバー入りした面々は大きく自信をつけた。同試合で3安打を放った1番佐伯や中軸の西川、村中、谷口ら経験者だけでなく、下位の清水、佐藤大も打率5割を超しており、穴のない打線を形成している。まずは風間のストレートに力負けせずに打ち返せるかが見どころだ。
一方、帯広農のエースは右腕・佐藤大。風間とは対照的にストレートの最速は120キロ台だが、丁寧に変化球を投げ分け、コーナーワークと緩急で打たせて取るのがパターンだ。決勝では2桁安打を許しながらも2点で踏ん張ったように、最少失点でしのぐ打たれ強さがある。甲子園でも同様のピッチングができるか。
対する明桜打線はチーム打率こそ高くないものの、少ないチャンスを確実にものにする集中力がある。特に主将も務めるトップバッター中井と小技のうまい2番土居の2人は、簡単にアウトにならない巧打者であり、きっちりチャンスを作って好調な3番石田一、4番真柴の中軸につないでいく。風間の失点が計算できることを考えると、きっちり得点圏に走者を進める攻撃をしていきたい。
帯広農としては風間と相対するうえで、まずは自軍の失点を最小限に抑えたいところ。なかなか大量点を奪うのは難しいだけに3~4点の勝負にできれば、チャンスは広がってきそうだ。
主なOB
明桜…松本豊(横浜)、中川申也(阪神)、小野仁(巨人)、摂津正(ソフトバンク)、山口航輝(ロッテ)
帯広農…山田博一(大洋)
北海道 秋田
春 1勝 0勝
夏 0勝 0勝
計 1勝 0勝
対戦は2010年の選抜の1度のみ。北照がエース又野の好投で秋田商を2-0と完封で下し、10年ぶりの全国1勝を勝ち取った。再びの雪国対決を制するのはどちらになるか…
思い出名勝負
2010年選抜1回戦
秋田商
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 2 |
北照
秋田商 須田→片岡
北照 又野
2010年選抜は初戦で北照と秋田商という雪国対決が実現した。
北照は長身右腕のエース又野(ヤクルト)と捕手・西田(ヤクルト)のバッテリーが打っても中軸を務め、チームの中心的存在。名将・河上監督の集大成とも言えるチームであった。ただ、前年秋は神宮大会で帝京に3-6と力負け。キーマンの2人以外の選手の働きが重要になると考えられていた。
対する秋田商は前年秋の東北大会を3試合連続で1-0で制するという守りのチーム。好左腕・須田を鉄壁の野手陣が支える形で勝ち抜いてきた。ただ。立ち上がりの守りがいつも落ち着かない傾向があり、本番できっちり守り切れるかが少し危惧されていた。
試合は北照のエース又野が立ち上がりを3者凡退でしのぐ上々のスタート。これに対して、秋田商は試合前の心配が現実となる。
北照は2年生の核弾頭・大野がセンター前ヒットで出塁。さらに2番木村が四球でつなぎ、いきなりチャンスを迎える。秋田商バッテリーは続く3番西田を併殺に切って取るが、4番又野の打席でパスボールが出て、1点を献上する。動揺が隠し切れない中で又野には高めに浮いたボールをレフトスタンドへ運ばれ、初回に2点の先制を許す。
ただ、2回以降秋田商の左腕・須田は立ち直りを見せる。軟投派らしくコーナーに変化球を投げ分け、2回から6回までは無安打ピッチングを展開する。守りのチームらしい、落ち着いた守備を見せた。
一方、北照の又野も前評判に違わぬ投球で秋田商打線を封じ込める。4回には3番鈴木文に3塁打を許すも、ギアチェンジして後続を連続三振に切って取る。長身からの角度とスピードのあるボールを前に秋田商打線もなかなか決定打が出ない。8回まで散発の3安打無失点で秋田商打線を封じ込める。
なんとか意地を見せたい秋田商打線は最終回に1番麻生、2番門馬が短長打を放ち、無死2,3塁のビッグチャンスを迎える。一打同点の場面となったが、ここでも北照バッテリーと内野陣は落ち着きを失わない。クリーンナップを3者連続の内野ゴロに打ち取り、ゲームセット。
又野は5安打完封で試合を締めくくり、北照が2000年選抜以来となる甲子園での勝利をつかみ取った。また、これが北海道勢で春夏通算100勝目となる記念すべき勝利でもあった。
北照は続く2回戦の自由ヶ丘戦ではエース又野が負傷交代するアクシデントが発生。しかし、2番手左腕の千葉が好投し、チーム全体で盛り立てて5-4と接戦を制し、8強進出を果たした。3試合で7安打を放った野舘をはじめとして、又野、西田以外の選手が活躍を見せ、チーム力の向上を示した大会となった。
これに対して秋田商は試合前に危惧していた立ち上がりの守備が現実となってしまった。試合前のシートノックでバッテリーに硬さが見られたとのコメントもあり、大舞台で自分たちの力を出し切る難しさを改めて感じさせた。しかし、2回以降は須田を中心に落ち着いた守りで0を刻み続けたのはさすが東北王者と思わせる戦いぶりであった。
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