大会10日目第1試合
東海大相模
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
天理
東海大相模 石田
天理 仲川→南沢
1992年選抜準決勝の再戦となった試合は両チームの先発が踏ん張り、初回の1点以降流れが膠着した展開に。最終回に貴重な追加点を挙げた東海大相模がエース石田の3安打完封の好投で天理を下し、2011年以来10年ぶりの決勝進出を決めた。
試合
天理の先発はエース達ではなく、左腕の仲川。脇腹を痛めたとの情報もあり、故障を考慮しての起用になったが、初回から相模打線につかまる。スライダーの制球がばらつく中で、2番綛田が巧打で出塁すると、レフト瀬の守備の乱れを突いて2塁へ。2アウト後に4番柴田がインコースのストレートを引っ張って三塁横を破り、1点を先制する。
対する相模はエース石田が2試合連続の先発。立ち上がり、2番木下にセンター前ヒットを許したものの、3番内藤・4番瀬を高めのストレートで連続三振に切って取る。2回にもランナーを出しながらも後続をストレート主体の投球で打ち取り、盤石の内容を見せる。
一方、天理・仲川も2回以降はスライダー、チェンジアップを低めに集める投球でペースをつかむ。1番門馬、5番百瀬にはヒットを浴びるが、後続をきっちり打ち取ってピンチをしのいでいく。エースの代役登板ながらきっちりとその役割を果たす。
石田の前に5回までヒット2本の天理打線は6回裏に、この大会当たっている9番政所がセンターオーバーの2塁打で出塁。暴投もあってランナーは3塁まで進むが、1,2,3番がすべて三振に切って取られる。石田はストレートもさることながら、打者が狙ってきそうなタイミングで投じるチェンジアップが絶妙。捕手・小嶋の好リードもあって天理打線に付け入るスキを与えない。
仲川も直後の7回表に名手・杉下のショートゴロエラーと四球でランナーを背負うが、ここまでともにヒットを許している1番門馬、2番綛田を強気のインコース攻めで打ち取って0でしのぐ。試合前は打ち込まれる可能性もあるかと思われたが、気持ちの強さで出た素晴らしい投球である。結局、8回を投げて東海大相模打線を1失点に抑え込んだ。
天理は9回から2番手で右腕・南沢が登板。達は投球練習は一度行ったが、やはり万全の状態でなかったのだろう。東海大相模は先頭の7番佐藤のヒットを足掛かりに1アウト2塁とすると、内野ゴロで三進。1番門馬の打順で痛恨の暴投が飛び出し、東海大相模が貴重な追加点を挙げる。天理にとっては捕手・政所が体を張ってボールを止め続けてきたが、さすがにあのボールを止めるのは厳しかったか。
2点を追う天理は最終回は1番からの好打順だったが、石田は危なげない投球で1番内山、2番木下を打ち取る。最後まで冷静さを失うことなく、最後は代打・長野を三振に切って取り、ゲームセット。4試合で失点1という盤石のディフェンスで接戦を制し、決勝への切符をつかみ取った。
まとめ
東海大相模はエース石田が2試合連続の完封。序盤からストレートが走っており、天理の各打者がまともにとらえることができない。チェンジアップとの緩急もよく効いており、これだけの投球をされては致し方ないという投球であった。守備陣も再三の好守でエースを支え、守りでも攻める相模の野球を体現した。
攻撃陣は初回と9回の2点のみだったが、上位打線を中心に当たりは出ており、心配はない。2番ショートの主将・大塚を代役の2番綛田とショート深谷がカバーする層の厚さも東海大相模の強さを表している。2度の全国制覇の経験を持つ門馬監督の元、3度目のVへ視界良好だ。
対する天理は試合前にエース達が脇腹の痛みで投げられないという非常状態だったが、そんな中で左腕の仲川を中心に堅い守りで接戦に持ちこんだのは見事だった。試合前はあるいは大差の展開もあるのではないかと思われたが、大会を通してナインが成長したことがよくわかる試合だった。関東王者・健大高崎、東北王者・仙台育英と強豪を連破した自信を胸に、ライバル智辯学園が待ち受ける夏の奈良大会へとのぞむ。
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