剛腕・辻内(巨人)やのちのメジャーリーガーの田中将大(ヤンキース)などハイレベルな投手が顔をそろえた2005年の夏。しかし、個人的に大会No.1投手に推したいのは宇部商の好永貴雄である。複数投手性が叫ばれる現代の高校野球界においては珍しく、県大会の予選からすべての試合を一人で投げ抜いたタフネスさ、際立った球威・球速はなくとも、内外角を丁寧について打ち取るクレバーさは投手の醍醐味を感じさせてくれた。
過去には田上(1985年)、木村真(1988年)、金藤(1991年)、藤田(1998年)など数多くの好左腕を送り出してきた宇部商にあっても、屈指の好投手に上がるのは間違いない。2回戦の静清工戦では三振ゼロで完封勝利を飾り、軟投派投手としての真骨頂を見せた。最後は準決勝の京都外大西戦で自らの送球エラーに泣いたが、大会を彩った好左腕であった。
コメント