独断と偏見で選ぶ、2012年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2012年

九州学院(熊本)

1 大塚 10 伊藤
2 浅川 11 浜口
3 岡山 12 村岡
4 山下 13 田中
5 太田 14 園田
6 溝脇 15 林田
7 米井 16 堤内
8 萩原 17 増田
9 島田 18 隈倉

王者と渡り合った熊本のタレント軍団

2010年の選手権大会で熊本・九州学院は快進撃を見せた。開幕戦で松本工の好投手・柿田(DeNA)を打ち込んで久々の勝利を挙げると、その後も、山形中央・横山(阪神)や鹿児島実・野田(西武)といった好左腕を攻略。そのチームにあって1年生ながらスタメンを張った溝脇(中日)、萩原、そして控え投手ながら準々決勝の舞台を経験した左腕・大塚(楽天)が中心となり、熊本はここから九州学院の時代に突入する。

彼らが主力となったチームは前年の選抜にも出場し、国学院久我山にサヨナラ勝ちして1勝をマーク。そして、最終学年を迎える頃には充実の戦力を有して全国でも屈指の実力校となっていた。大塚は体格がよくなったことでスピードが増し、もともとキレの合った速球が威力倍増。さらに打線は、新2年生の4番太田を主砲に据え、周りを萩原・岡山と前年からの経験者で固める充実の布陣となっていた。下位にも俊足の島田海(阪神)がおり、どこからでも切り崩し可能な強力打線であった。

秋の九州大会では決勝で大塚が神村学園打線の集中打を浴びて敗れたが、本大会では優勝候補の一角に堂々名を連ねていた。

1回戦

九州学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9
4 1 0 0 0 1 0 0 0 6
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

女満別

九州学院vs女満別 ダイジェスト(第84回選抜・1回戦) – YouTube

初戦は21世紀枠ながら速球派右腕・二階堂を擁する実力校の女満別と対戦。しかし、九州学院は電光石火の速攻でこの本格派右腕を攻略する。1回表、1番溝脇の四球や3番萩原のヒットなどで満塁のチャンスを作ると、勝負強い6番米井がタイムリーを放って2点を先制。さらに7番浅川も2者連続となる2点タイムリーを放ち、この回4点を挙げる。二階堂の速い真っすぐに対して、各打者がしっかりと見極めてミートし、攻略して見せた。

投げては、エース大塚が女満別打線を相手に貫禄の投球を展開。前年まではキレとコントロールはありながらもややスピードが不足している感もあったが、1年の時を経て最速は140キロを超すまでに成長していた。強気に内角を攻める姿勢も光り、無四球6安打の完封勝利で順調なスタートを切った。

 

2回戦

大阪桐蔭

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 3 1 0 1 5
0 0 0 2 0 0 1 0 0 3

九州学院

大阪桐蔭vs九州学院 2012年選抜 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【甲子園名勝負】大阪桐蔭 vs 九州学院 ハイライト[第84回選抜] – YouTube

 

そして、2回戦は藤浪(アスレチックス)-森(オリックス)のバッテリーを擁する大阪桐蔭と対戦。優勝候補同士のガチンコ対決となった。ともに強力打線が相手エースをどう攻略するかが注目された。

先制点は九州学院だった。4回裏、失策と四球でランナーをためると、初戦で先制タイムリーを放った6番米井が藤浪の速球をとらえる。打球はセンター白水の頭上を超す3塁打となり、走者2人が次々ホームを駆け抜ける。九州学院らしいスピーディーな攻撃である。

しかし、大阪桐蔭もただでは引き下がらない。6回表、四球と3番水本のヒットでランナー2人をためる。ここで打席には初戦で花巻東のエース大谷から逆転打を放った5番笠松。九州学院バッテリーは強気のインサイド攻めを見せるも、際どいコースはボールの判定。次のボールはまたしても、インサイドを突いたが、これがやや甘く入った。笠松が振り抜いた打球はレフトスタンドへ飛び込む逆転3ランとなり、大阪桐蔭が試合をひっくり返した。

その後、九州学院もエース大塚自らのタイムリーで追い上げるが、大阪桐蔭も藤浪がホームランとタイムリーを放ち、エース同士が打ち合う展開に。最後まで白熱の攻防となった好試合は、大阪桐蔭が5-3で制し、ベスト8へとコマを進めた。その後、大阪桐蔭は選抜初優勝を果たすこととなるが、その桐蔭と互角に渡り合った九州学院もまた、優勝できる力を十分持ったチームであることは明らかであった。

 

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