2017年選手権1回戦 済美vs東筑(1日目第2試合)

2017年

大会1日目第2試合

 

東筑

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 3 1 0 0 0 0 4
1 0 1 0 4 2 0 2 × 10

済美

 

東筑   石田→升田

済美   八塚→影山

福岡大会を一人で投げぬいた2年生サイドハンド石田と済美の強力打線の対決。福岡で数々の強豪を撃破した東筑が今度は2004年選抜王者に挑んだ。

試合

試合は初回から雨が降る不安定なコンディション。ボールがなかなかしっくりこない状況で両先発投手とも苦労した。

1回表を八塚が何とかしのいだ一方で、東筑のサイド右腕石田は苦戦。いきなり1番渡辺を四球で出すと、渡辺が早速盗塁。簡単に送らない済美野球を早速実践する。2番宇都宮四球、3番亀岡ショート失策でいきなりノーアウト満塁の大ピンチ。ここで4番八塚を三振に切るも、5番吉岡の打席で暴投で失点。先制点を献上する。

コントロールが生命線の東筑・石田にとっては不運な状況。3回にはランナー2塁で4番八塚の打球をレフトが落球して追加点を献上。ここまで済美はノーヒット。だが、続く5番吉岡の打球をセンター阿部がスーパーキャッチ。流れを止める。

東筑の反撃はその直後だった。八塚の高めに甘く入ったストレートをたたいた5番盛田の打球はレフトスタンドへ飛び込む追撃のホームランとなってまず1点。さらに、強い雨のせいもあってか、真ん中に集まる八塚のボールを菊池安部北村の3連続長短打で逆転に成功する。この辺りのスキを逃さない攻撃が福岡を勝ち上がってきた要因か。一気に流れを手繰り寄せた。

そして、この後4回裏に試合は雨のため長時間中断へ。集中力を保つのが難しい状況。中止も考えられたが、晴れ間がのぞいてきて試合は再開となった。

5回表東筑は3番坂口が2塁打。4番水上のショート内野安打のあと、6番の菊池が追加点となるタイムリーとなってさらに1点を追加する。八塚の外角主体の投球をとらえた。守備型のチームと言われていた東筑だが、打撃でも力強さを見せる。

しかし、得点されたその裏済美打線の反撃が始まる。東筑・石田としては内外の揺さぶりで勝負したかったが、済美の打者はフルスイングを崩さない。詰まらされることを恐れず、体格の良い打者が振ってくることで石田に徐々に重圧がのしかかったか。

4番八塚が配球を読み切ってチェンジアップをライトオーバーで運ぶと、5番吉岡の痛烈な犠飛で1点差。続く6番白石の当たりをショートが良く止めるも一塁へ悪送球となる。すると、7番橋本がカウント0-2からストライクを取りに来たボールを芯でとらえた打球は会心の3ランホームラン。得意の長打で試合をひっくり返した。

東筑としては6回表に下位打線の作った1アウト2,3塁のチャンスを上位が活かせず。八塚が何とか踏ん張り、ここで試合の流れは決まった。6回裏には2アウトから四球のランナーを置いて、3番亀岡が右中間へ一発。右打者が流して、運んだ一打は済美打線の力強さを象徴していた。

その後、継投した左腕・影山がランナーを出しながらも踏ん張り、8回にはとどめの2点を追加。東筑のマウンドを一人で守り抜いてきた石田がマウンドを降り、試合はそのまま10-4で済美が2013年以来の勝利を手にした。

まとめ

済美の上位打線の破壊力は噂以上のものがあった。全員がポイントまで引き付けてフルスイングする様は2004年の強力打線をほうふつとさせる。八塚は雨の中苦しむも、試合をまとめ、リリーフの影山も好投。八塚の調子が上がってくれば、済美がいよいよ怖い存在になってくる、そんな印象を受けた一戦だった。

一方、東筑の石田にとっては苦しいマウンドになったが、それでも配球の工夫など随所にクレバーな投球を見せ、打線も2桁安打を記録。福岡大会の優勝が決してフロックではないことを証明した。石田はまだ2年生で、来年が楽しみな好投手だった。

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