2019年選手権1回戦 仙台育英vs飯山(4日目第2試合)

2019年

大会4日目第2試合

飯山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
0 0 4 3 10 1 2 0 × 20

仙台育英

 

飯山   岡田→田原→常田

仙台育英 笹倉→大栄→伊藤→鈴木

初出場校vs常連校の対照的な組み合わせとなった試合は中盤から仙台育英打線が爆発!24安打20得点の猛攻で2年ぶりの初戦突破を成し遂げた。

試合

飯山は春夏通じて初めての甲子園出場。岡田田原常田と3人の計算の立つ投手を中心として守り勝つ野球で長野大会を勝ち抜いた。3人とも先発もリリーフも可能な布陣であり、連戦にも耐えうる陣容だ。打線は長打力のある1番大川を中心に機動力を絡めた積極的な野球でペースを握る。29歳と若い吉池監督の采配にも注目が集まる。ノーシードから勝ち上がった勢いをそのまま甲子園に持ち込みたい。

 

一方、仙台育英は昨年は浦和学院に0-9と大敗したが、今年は力強い陣容で帰ってきた。須江監督の指導も徐々に浸透してきており、従来のパワー野球に加えて抜け目のなさも備わってきた。投手陣は1年生の笹倉伊藤とともに140キロ台をマークし、鈴木千大栄とともに強力な4本柱を形成する。打線は2年生の3番入江を中心にパワーヒッターぞろい。中里水岡と俊足の打者がかき回し、中軸が返すパターンだ。2年ぶりの上位進出に向けて腕を撫す。

 

序盤は飯山のエース岡田、仙台育英の1年生左腕・笹倉の好投で静かな立ち上がりとなった。笹倉は1年生らしからぬ球威とスピードを武器に飯山打線を翻弄。岡田はゆったりしたフォームから繰り出す切れのあるボールで、ランナーを背負いながらもホームに返さない。

 

打力で上回る仙台育英に対して先手を取りたい飯山は3回表にチャンスを迎える。先頭の7番村松が四球で出塁すると、送ってランナー2塁とする。2アウト後、頼りの1番・大川がアウトコースのスライダーをライト線に入るタイムリー2塁打とし、飯山が記念すべき甲子園初得点をマーク。3塁側応援団は大歓声に包まれる。

 

しかし、この得点が仙台育英打線の呼び水となったか。1番中里のラッキーな当たりのセンター前ヒットと3番入江の死球でランナーをためると、2アウト1,3塁から5番千葉のタイムリー2塁打で2者が生還。1塁ランナーとランナーコーチが外野の返球を見て、好判断でホームを陥れた。さらに6番大栄、7番笹倉が連続長打で続き、この回一挙4得点で試合をひっくり返した。飯山の岡田の投球に対して、打者2巡目できっちり対応し、この回で岡田はマウンドを降りた。

 

この流れを保持したい仙台育英は4回からエース大栄が登板。こちらも140キロ台の速球を武器とする本格派だが、1年生の笹倉と比較してまとまりのある投球を展開する。昨年すでに甲子園のマウンドを経験しており、球威のある速球にカットボール、スライダーを織り交ぜて飯山打線を抑え込んでいく。

 

完全に流れをものにした東北の雄は4回以降猛攻を重ねる。飯山の2番手の田原に対して、上位打線が単打を連ねて3点を追加。右の技巧派に対して振り回さずに、コンパクトな打撃で攻略した。ハイライトは5回裏。3番手の常田に対して、鋭いスイングで打者一巡の猛攻を見せ、飯山の守備の乱れにも乗じてこの回だけで10得点を挙げ、大勢を決した。

 

反撃したい飯山だったが、仙台育英の分厚い投手層の前に4回以降は1安打のみ。後半にも仙台育英に追加点を許し、20-1とほろ苦い甲子園デビューとなったが、初めての聖地の土を全員がしっかりと踏みしめた。

まとめ

仙台育英は昨年の雪辱を晴らす大勝で2年ぶりの初戦突破。投打ともに分厚い選手層で、試合の流れを相手に渡さなかった。特に20得点を挙げた打線の破壊力は今大会でも屈指。3番入江、4番小濃を中心にどこからでも得点を挙げられる打力は脅威だ。投手陣は1年生も積極的に起用できる層の厚さが光る。これもエース大栄という安心できる投手がいるからこそだろう。須江監督に代わって、2年目の「新生・仙台育英」の今後に注目だ。

 

一方、飯山にとっては甲子園の洗礼を浴びる結果とはなったが、投打にはつらつとしたプレーで学校の歴史を刻み付けた。3回には1番大川のタイムリーで甲子園初得点を挙げ、序盤は仙台育英を慌てさせる場面もあった。雪国でグラウンドも使えない時期がある中で、工夫した練習をして出てきた成果を見せた。指揮を取る吉池監督もまだ若く、この経験を後輩たちが引き継ぎ、再び甲子園に戻ってくる日を待ちたい。

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