2021年選手権1回戦予想 北海vs神戸国際大付

2021年

2021年選手権1回戦

北海vs神戸国際大付

49% 51%

2017年夏、2021年選抜に続いて実に3度目の対戦となるカード。北海の好左腕・木村と神戸国際の強力打線の激突となる。

 

北海の木村は左腕から繰り出すMAX150キロのストレートで右打者のインサイドを果敢に攻め込む投球が持ち味。スライダー、チェンジアップの制球にも長けており、要所で三振を奪える投手だ。南北海道大会では疲れからやや失点がかさんでしまったが、スタミナ十分で迎える初戦に不安はない。終盤のミス絡みの失点で敗れた選抜の二の足を踏むことないよう、内外野陣の守備もきっちり鍛えられている。

対する神戸国際大付の打線は今年も強力。県大会では明石商投手陣や報徳の好左腕・久野を攻略してきており、全国レベルの投手も攻略可能だ。中軸を務める阪上、西川は一発を放つ力を十分備えており、特に西川は決勝戦も含めて3本のホームランをマークした。以前はやや攻撃の粗さが目立った神戸国際だが、年々したたかさを増しており、簡単に抑え込める打線ではなさそうだ。

 

一方、神戸国際の投手陣は肘の故障を抱えていたエース阪上が復活したことで不安材料が解消された。選抜で仙台育英の強力打線に成す術もなかった面影はもうどこにもない。2年生左腕の楠本は長身から投げ下ろすストレートに磨きをかけ、投手陣の柱に成長。右腕・中辻も含めて、質量ともに豊富な投手陣でを形成し、再度甲子園に乗り込む。

対する北海の攻撃陣は選抜でエース木村を援護しきれなかった反省を踏まえ、南北海道大会では力強く得点を重ねた。レギュラー全員が3割以上をマークしており、中でも4番宮下、5番杉林の2人は要所でタイムリーを放ってチーム最多の9打点をたたき出した。終盤の競り合いにも負けることなく打ち返せたことで、エース頼みだったチームからは完全に脱却したと言えるだろう。

 

選抜と比較すると、阪上が投手として復活した神戸国際が戦力アップした面でやや上回るか。北海としては打線が神戸国際の継投に惑わされずに、きっちり援護していきたい。北海の3度目の正直なるか、はたまた神戸国際の3連勝か、注目のリターンマッチが幕を開ける。

 

主なOB

北海…谷木恭平(中日)、若松勉(ヤクルト)、鍵谷陽平(巨人)、川越誠司(西武)、阪口晧亮(DeNA)

神戸国際大付…坂口智隆(ヤクルト)、小深田大翔(楽天)、石岡諒太(中日)、宗接唯人(ロッテ)、蔵本治孝(ヤクルト)

 

北海道 兵庫

春  4勝  11勝

夏  2勝  7勝

計  6勝  18勝

対戦成績は兵庫が春夏ともに北海道を圧倒。今選抜でも神戸国際大付が北海を下しており、相性の良さを誇る。

神戸国際大付は2005年の選抜でも当時全盛期の駒大苫小牧をエース大西(ソフトバンク)が1安打完封で下しており、対北海道勢は3連勝中だ。一方、北海道の勝利で記憶に新しいのは2006年夏。駒大苫小牧が準々決勝で東洋大姫路を相手に4点差をひっくり返す逆転劇を演じた。果たして、今回はどちらに軍配が上がるか…

 

思い出名勝負

2005年選抜2回戦

神戸国際大付

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 2 2 0 0 0 0 0 4
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

駒大苫小牧

 

神戸国際大付  大西

駒大苫小牧   松橋→吉岡→田中

 

昨秋の近畿王者の神戸国際大付と昨夏の甲子園で優勝した駒大苫小牧の一戦。強豪同士のがっぷり四つの戦いが期待された。

昨秋の試合で練習試合も含めて36連勝を記録して近畿王者に輝いた神戸国際大付はエース左腕・大西(ソフトバンク)と右腕・有元の2枚看板が確立。近畿大会では勝負強い打線の援護もあり、初優勝。好右腕・若竹(阪神)擁する育英を兵庫大会と合わせて3度破るなど確かな実力で優勝候補の一角に挙げられていた。

甲子園初戦は甲府工と対戦。2年連続出場となる伝統校の前に苦しみ、昨春の甲子園からマウンド経験豊富なエース三森の前に終盤まで無得点。7回にはエース大西が甲府工の1番小野に先制タイムリー2塁打を浴びた。しかし、8回に打線が勝負強さを発揮。1アウト2塁から3番を打つ2年生井内が同点タイムリーを放つと、続くチャンスに主将・堂本が勝ち越し2点タイムリー。大西は甲府工打線を4安打1点に抑えて、見事初勝利を挙げた。

一方の駒大苫小牧は昨夏見事に甲子園初優勝。昨夏横浜・涌井(楽天)からサイクル安打を放った林が1番主将となりチームを牽引。投手陣は速球派・松橋、技巧派・吉岡に加えて、捕手も務める1年生の田中将大(楽天)もおり、厚い投手陣を形成していた。

初戦はいきなり開幕戦に登場。1番林が3塁打・2塁打と2打席連続で長打を放つ活躍で序盤に挙げた2点を2年生右腕・田中がスライダーを有効に使った投球で守り切り、2-1と勝利。選抜での初勝利を飾った。

 

さて、神戸国際大付の荒れ球の左腕・大西を駒大苫小牧打線がいかに打てるかに注目が集まった。1回裏、いきなり1番の林に死球。大西らしいといえばらしい立ち上がりも続く送りバントを見事封殺。さらに、四球も出してピンチを広げるも得点は許さずに課題の立ち上がりを0点に抑える。

その後も4回まで毎回死球を出す荒れ具合だったが、速い投球テンポで投げ込む大西の前に駒大苫小牧はランナーを出しながらもペースを握られる展開。なかなか自分たちの間合いで打席に立てず、凡退を繰り返す。

すると、3回神戸国際大付打線は速球一本やりの駒大苫小牧の右腕・松橋をとらえて4番正木が右中間への2点タイムリー2塁打で先制。4回には代わった技巧派右腕・吉岡もとらえ、満塁のチャンスで再び、4番正木が2点タイムリー。正木はこの日4打点の大活躍。神国の得点源の上位打線がきっちり仕事を果たす。

これで、大西は完全に波に乗った。荒れ球で踏み込みづらい中、速いテンポでストレートとカーブを投げて追い込む大西の前に駒大苫小牧打線が手も足も出ない。終盤になってもヒットが出ず、球場は徐々にざわつきだす。

一方、駒大苫小牧の3番手で上がった田中将大も素晴らしい投球。140キロ近い速球とスライダーをコースに決め、神国打線を中盤以降沈黙させる。試合は両チームヒットが出ず、完全に落ち着いた展開となる。

そして、9回裏に―ヒットノーランの期待がかかる中、先頭の2番辻がレフト前ヒット。前年Vメンバーが意地を見せる。しかし、このヒットも得点にはつながらず結局4-0で神戸国際大付が勝利。大西は1安打完封と会心の内容だった。

 

神戸国際大付属はその後準々決勝でも慶応の好左腕・中林を打って15-1と大勝。兵庫県勢は2002年から報徳学園、東洋大姫路、社に続いてこれで4年連続の4強入り。選抜で無類の強さを誇った。力がありながらもろさも目立つチームカラーの神国だが、この年はその実力をしっかり発揮して同校最高成績となるベスト4入りを果たした。

一方、まさかの完敗を喫した駒大苫小牧だったが、この敗戦をばねにさらに成長。夏は投手陣もそれぞれ実力を挙げて好投。鳴門工戦の逆転勝利、大阪桐蔭との延長での勝利などを経て見事57年ぶりの夏2連覇を達成した。

2021年選手権1回戦 神戸国際大付vs北海(3日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

神戸国際大付 2005春 – YouTube

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