2021年選抜1回戦
明豊vs東播磨
60% 40%
3年連続で甲子園の舞台を踏む常連校・明豊と名将・福村監督が率いる初出場の東播磨。対照的なチームの顔合わせとなった。
明豊は強打のチームのことが多かったが、今年は投手陣が安定している。188㎝の長身からの角度のあるストレートが武器の京本と左腕からキレのあるストレートを投じる太田の2枚看板は出場校中でも屈指の陣容だ。長身からサイドで投じる財原も控えており、4強入りした2019年に匹敵するほどの投手陣と言えそうだ。
対する東播磨打線は過去に加古川北を2度の甲子園に導いた知将・福村監督に鍛えられ、持ち味の機動力は相手チームを混乱に陥れる。特に、1番原、5番島津を中心とした上位打線は打力も走力もある面々が揃っており、思い切った走塁で得点を挙げてきそうだ。盗塁、エンドラン、ゴロゴーなど、どんな攻めが飛び出すか、見ものだ。
一方、東播磨はエース鈴木の投球に命運を託す。回転数の多いストレートを軸とした投球で、昨秋は神戸国際大付・市立和歌山と今大会でもV候補に食い込むチームをそれぞれ2点に抑え込んだ。投手のレベルの高い兵庫県でもまれた実力を発揮できるか。また、右スリークオーターの中村も安定感があり、層の厚さでも他チームに引けを取らない。
対する明豊は3年連続で甲子園の舞台を踏み、チームとしての経験値が高い。例年のようなパワーヒッターはいないが、黒木・東・山本の中軸を中心に集中打で昨秋は強豪校を下した。智辯和歌山出身の川崎監督の指導の下、体力・打力を鍛え上げ、一冬を超えてさらに打てるチームになってきそうだ。
地力ではここ数年で出場校中で最も甲子園経験のある明豊に分がある。東播磨としてはエース鈴木が踏ん張って、自慢の機動力でかき回す展開に持ち込みたい。
主なOB
明豊…城島健司(ダイエー)、今宮健太(ソフトバンク)、濱田太貴(ヤクルト)
東播磨…黒木茜(馬術五輪代表)、山田勝己(タレント)
兵庫 大分
春 3勝 2勝
夏 2勝 0勝
計 5勝 2勝
対戦成績は兵庫が5勝2敗とリード。大分の勝利はともに津久見高校で、選抜優勝時はエース吉良(阪神)の好投で報徳学園にサヨナラ勝ち、1985年選抜では強力打線で前年秋にKKコンビのPL学園を完封した東洋大姫路のエース豊田を攻略した。対する兵庫勢は最近では明石商が大分に13-4と大勝を収め、初の選抜4強へ弾みをつけた。今回はどちらに軍配が上がるか…
思い出名勝負
2019年選抜2回戦
明石商
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
1 | 4 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 4 | 0 | 13 |
1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 |
大分
明石商 宮口→中森→溝尾→杉戸→南
大分 武藤→飯倉→長尾→石丸
明石商は前年夏からの連続出場。前年秋は宮口、中森(ロッテ)の右腕2人が好投し、近畿大会で強豪を次々に撃破して準優勝を飾った。例年投手を中心とした守りを軸にするが、この年は1番来田(オリックス)を中心に上位打線にはパンチ力があり、近畿準決勝では智辯和歌山をコールド勝ちで退けた。甲子園初戦では久々の選抜となる国士舘相手に7安打で7点を奪う効率のいい攻めで快勝を収めた。
一方、大分は過去夏に2度の出場経験があったが、選抜は初出場。前年秋は長尾-江川の黄金バッテリーを中心に守りの野球で勝ち上がった。長尾は球速は速くないものの、抜群のコントロールでコーナーを突き、すごいボールはない代わりに打てるボールもないという印象だった。初戦は同じく3度目の甲子園で初勝利を狙う松山聖陵と対戦し、長尾が1失点完投の好投で念願の初勝利を挙げた。
ベスト8を狙う2回戦はともに両チームが1回戦とは違う先発投手をマウンドに送る。大分は右腕・武藤を送って、エース長尾を救援に回す作戦を取り、これはある意味奇襲作戦に近かったか。一方、明石商は昨年秋にWエースの一角だったが、指の怪我が心配された右腕・宮口を先発に指名。こちらは上位も見据えたうえで、宮口の復活に期待しての登板だっただろう。
試合は初回から超リームが激しく攻め合う展開に。1回表、明石商は1番来田がサードフライ落球で2塁まで進むと、犠打・スクイズでそつなく先制点をもぎ取る。これに対して大分もその裏にけがの影響か本調子でない宮口から1番足立のヒットを足掛かりに3番小手川のタイムリーで同点に追いつく。
バタバタした試合の入りとなった両チームだが、2回に入って大きく差が広がり始める。明石商は先頭の5番岡田が武藤の高めに浮いた変化球をレフトスタンドへ運んで1点を勝ち越すと、1番来田のタイムリー3塁打など4安打を集中して一気に4点を勝ち越す。打力にやや欠ける大分としてはリードした状態でエース長尾にバトンタッチしたかったが、手痛い失点となった。
一方、明石商も2回裏に宮口が四死球を出してランナーをためるが、ここで狭間監督はすぐに2年生エース中森にスイッチする。中森は持ち前の球威のあるストレートで満塁のピンチをしのぎ、明石商に流れをもたらす。
こうなると、地力に勝る明石商は伸び伸びと攻撃を始める。エース中森の好投でリズムを作り出すと、普段は手堅い攻撃が持ち味の打者陣がリミッターを取り払われてガンガン打ち始める。4回表には中森が自らホームランを放つなど、大分の登板した4人の投手陣から13安打13得点の猛攻。初戦に続いてヒット数と同じ得点を挙げるそつのなさも見せて、試合を決めた。
反撃したい大分は8回裏、四死球や相手のエラー、5番飯塚のタイムリーなどで3点を返し、意地を見せるが、反撃もここまで。明石商が13-4と豪快に打ち勝ち、3年前に並ぶベスト8へとコマを進めた。
明石商は続く準々決勝で昨秋のリベンジに燃える智辯和歌山に来田のサヨナラホームランが飛び出して、返り討ちに成功。準決勝で東邦に接戦の末に敗れたが、一段全国の舞台で強豪への階段を上った大会となった。この日は先発・宮口が復調はできなかったが、それを補って余りある投打の層の厚さを見せた。これからも兵庫の高校野球を盛り上げてくれそうだ。
一方、大分は結果としてエース長尾の先発回避が裏目に出たか。長尾は5イニングを投げて粘りの投球は見せたものの、明石商打線のエンジンが点火されてからの登板になってしまった。ただ、3度目の正直で甲子園初勝利をマークし、こちらも全国の舞台で一段階段を上ったことは間違いない。2014年以降で3度出場しており、再び戻ってくる可能性は十分ありそうだ。
2021年選抜1回戦 明豊vs東播磨(3日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)
【第91回 2回戦8日目第2試合フル】明石商vs大分 2019年3月30日■選抜高等学校野球大会(甲子園) – YouTube
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