2021年選抜1回戦 福岡大大濠vs大崎(3日目第2試合)

2021年

大会3日目第2試合

 

福岡大大濠

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1

大崎

 

福岡大大濠  毛利

大崎     坂本

昨秋の九州大会決勝の再戦となった試合は両チームのエースが好投して引き締まった投手戦に。エース毛利の4安打1失点の好投で福岡大大濠がリベンジを果たし、4年ぶりの選抜勝利を挙げた。

試合

九州大会決勝で両校は対戦し、大崎が5-1で勝利しているが、両チームのエースともに登板していなかった。また、福岡大大濠は昨秋の九州大会では主軸の北嶋を欠いており、そういう意味では再戦とはいえほぼフラットな状態での対戦といってよかった。

福岡大大濠は初回、2番友納、3番山下坂本の取りに来たストライクを積極的に打って連打を放つ。4番川上が併殺に取られて得点こそならなかったが、昨秋の九州大会でチーム打率1割台と低調だった打線に、この試合はやれるぞという雰囲気が漂い始める。

すると、2回表に昨秋故障で登場のなかった5番北嶋のショートゴロエラーからチャンスを迎える。犠打、四球の後に暴投でチャンスを広げると、8番松尾がセンター前タイムリーを放って2点を先制。やや甘く入ったところを逃さずとらえた値千金のタイムリーであった。

思えば、2017年の選抜でも8番を打つ樺島の2ホームランで勝利しており、松尾ももともと中軸を打っていた打者。下位にあえて力のある打者を据えるのは大濠の伝統になりつつある。しかし、後続のセンターへの大飛球は大崎のセンター池田がランニングキャッチし、九州勢同士の譲らない意地が垣間見える。

2点の援護をもらった毛利は快調な投球を展開。球速は130キロ台ながらもキレのあるストレートにカーブ、スライダー、そして冬以降に覚えたチェンジアップを交え、大崎打線を抑え込む。ストレート、変化球ともにほとんどがコーナーに決まり、2回に初ヒットこそ許すも、得点の気配は全く生まれない。

対する大崎のエース坂本も3回に1アウト3塁のピンチをしのいでからは落ち着きを取り戻し、得意のカットボールを武器に大濠打線を封じ込める。投手育成の名人である清水監督に育てられただけあって、体重移動のスムーズな無理のないフォームで好投を見せる。

しかし、如何せんこの日の毛利には付け入るスキが見当たらない。3回から6回まではすべての攻撃で3人で終わらせる投球で大崎の反撃ムードを沈める。大会前から評価は高かったが、そのコントロール・キレともにその実力は高いものがある。浜地(阪神)、三浦銀二山下(オリックス)と大濠はまさに好投手の宝庫である。

ただ、九州王者の大崎も黙ってはいない。もともと少ないチャンスを活かすスタイルだけに、反撃の機会を虎視眈々とうかがうタイプだ。7回裏、少しキレの落ち始めた毛利から4番調がチェンジアップを、5番田栗がエンドランでストレートをとらえてチャンスを迎える。2アウト後に7番坂本がストレートをキレイにコンタクトしてセンターに運び、1点を返す。

しかし、続くチャンスの場面でセカンドランナーを大濠の捕手・川上が好送球で刺して攻撃を終えると、その後は再び調子を取り戻した毛利の前に快音は聞かれず。8,9回を再び3人で片付けた毛利が大崎打線を1失点で完投し、4年前に続く2回戦進出を果たした。

まとめ

福岡大大濠はエース左腕毛利がさすがの好投を披露。画面越しでもこれはなかなか打てないなという安定した投球を見せた。九州チャンピオンに4安打しか許さなかったこともさることながら、1四死球で三振も10個とあらゆる面で相手打線を圧倒した。打線も少ないチャンスを積極的な攻撃で活かしての快勝劇。スコア以上に波に乗れそうな勝利だ。

対して敗れたエース坂本を中心としたディフェンス面では、さすが九州王者と感じさせる内容を見せた。しかしながら、この試合に関しては相手エース毛利がよすぎたということだろう。強いてあげるとすれば、7回の追撃の場面でのけん制死が痛かったが、これもむしろ大濠のディフェンス面を褒めるべき場面だった。前年夏の独自大会以降、公式戦負けなしだった離島の好チームがこの敗戦を機にどう再び成長していくのか。夏の戦いを注視したい。

2021年選抜1回戦予想 大崎vs福岡大大濠 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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